幸せのレシピ集

cawaiiとみんなでつくる幸せのレシピ集。皆様の毎日に幸せや歓びや感動が溢れますように。

夏の日差しが似合うサルスベリから思い出すのは、どのストーリー?

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この季節、様々な場所で見かけるサルスベリ。

白やピンク、薄紫色に、真っ赤なものまであり、夏の日差しにとてもよく似合う色をしている。

きっと、子どもながらに、この時季の景色に映えると感じたのだろう、

物心ついたときにはサルスベリという植物の名を知っていたように思う。

鮮やかな色に魅せられていると、時折吹く風に枝を撓らせながら揺れるサルスベリ。

小花がぎゅっと集まった状態ごと、ゆさゆさと揺れる様は、

どこか楽しげにも見えて見惚れてしまうことがある。

サルスベリには様々な花言葉があるのだけれど、その中に「雄弁」というものがある。

枝先に小花が集まっている様子が華やかで堂々としているため、

「雄弁」の花言葉が生まれたと言われることもあるのだけれど、

サルスベリの幹は振動を伝えやすい性質のため、

幹を擦ったりして振動を与えると枝先の花がゆさゆさと揺れるのだそう。

この様子が雄弁に語っているようにも見えるという説もあるのだとか。

 

先日、たまたま通った道で私好みのマゼンタ色をしたサルスベリを見かけた。

揺れる姿を目にし、羨ましいわけではないのに、楽しそうでいいなと相も変わらず思ってしまった。

サルスベリの幹は白っぽく、手触りがとても滑らかでつるつるしているものだから、

猿も滑ってしまう木という理由から「サルスベリ」と名付けられたのだとか。

安直すぎやしないかと思ったりもするのだけれど、

サルスベリの別名、「百日紅(ひゃくじつこう)」という名の背景には、

悲しいラブストーリーが残されていた。

 

昔、旅の途中だったある国の王子が通りすがりの町の竜神を退治し、

竜神への生贄として捧げられていた娘の命を救ったのだそう。

王子と娘は恋人になったのだけれども、王子は旅の途中だったこともあり、

二人は、100日後の再会を約束します。

しかし、もうすぐ100日を迎えるというタイミングで娘は他界してしまいます。

その後、しばらくしてから娘のお墓から紅色の花が咲く木が生えてきたといいます。

この出来事から、村人たちはこの木を「百日紅(ひゃくじつこう)」と名づけたのだとか。

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大切な人をいつまでも身近に感じていたいという人の想いが、

花木に宿るのか、人が無意識に宿してしまうのか、

このようなストーリーは昔も今も変わらず生まれるものなのだなと思う。

このような悲しいラブストーリーによって生まれた

サルスベリの別名、「百日紅(ひゃくじつこう)」なのだけれど、

サルスベリは、初夏から秋までの100日間ほどの長い間楽しむことができる花木であることから

「百日紅(ひゃくじつこう)」と呼ばれていたりもする。

ドラマティックなストーリーを好むか、

ドライなリアルを好むのか、

名付け人によって花木の名も色々、のようだ。

夏から秋の日差しに似合うサルスベリ、

見かけた際にはお好きなストーリーをチラリと思い出していただけましたら幸いです。

画像出典:https://jp.pinterest.com/

レタスやキャベツのお供に、爪楊枝はいかがでしょうか。

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自宅では生野菜サラダをたっぷりと頬張るため、野菜室には様々な野菜を常備しております。

しかし、急な食事の予定が続いてしまうこともあり、常備している野菜の大半を消費できないという状況に陥ることもしばしばです。

先日も、そのような状況だったため、これは、全てのお野菜をジューサーに投入して朝食のスムージーにしてしまうしかないかしら。

と、そのようなことを考えながら野菜室を開けたのです。

すると、そこにはシャキシャキ感を解き放った野菜があり、「あー、やっておいて良かった」と思ったのです。

今回は、お野菜の保存方法のお話を少し、と思っております。

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野菜室に転がっていたのは、私が特に、楽しみにしていたレタス。

レタスは、フレッシュなままでも火を通しても美味しい上に、ストレスを解消してくれたり、動脈硬化を予防してくれたり、女性ホルモンのバランスを整えてくれるなど、サプリメント級のお野菜のひとつです。

だけれども、冷蔵庫で3日も経てば、しんなりとし、色も赤茶色に変色し始めるため、美味しく食べ切るためにはスピードが勝負、という点が少々残念なところ。

一般的には、芯をくり抜いたところに濡らしたキッチンペーパーを詰めると良いとか、芯の底に包丁で切れ込みを入れておくと良いなどとも言われておりますが、毎回キッチンペーパーを詰めるのは少々面倒です。

そして、芯の底に包丁で切れ込みを入れる保存方法も、それほど日持ちが良くなるわけでもないように感じておりました。

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そうそう、ヨーロッパではレタスの芯に濃い目の水溶き小麦粉を塗っておくご家庭もありましたけれど、これも手間がかかる割に、日持ちが良くなる印象はありませんでした。

ですからワタクシ、変色した部分を食べても害はないようだけれども、そのような状態になったレタスは、見た目や食感の悪さから口にしなくなっておりました。

このような状況を、頭の隅の隅の方で何となく気にしていたのでしょうね。

数年前に足を運んだ飲食店でレタスの芯に爪楊枝を刺す光景が目に留まりました。

始めは、包丁で切れ込みを入れてレタスの成長点を破壊して、レタスの鮮度を保つ方法と同じようなことなのだろうから、結果も大したことはないものだと決めつけておりました。

しかし、なんとなく気になりワタクシも見よう見真似で、レタスの芯を少しだけ包丁で切り落とした面に爪楊枝を4本突き刺し保存してみたのです。

すると、3日程で傷み始めていたレタスが1週間から10日程鮮度を保てるようになったのです。

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ちょっとした感動を手に入れたため、その仕組みについて調べてみたところ、レタスの成長点は芯の先端近くにあるということが分かったのです。

包丁で切れ込みを入れることも間違いではなかったけれど、先端に届かなかったため、レタスの成長(傷み)を食い止めるまでには至らなかったということのようでした。

もちろん、レタスの葉を剥がす際に、うっかりレタスの葉を傷付けてしまった場合などは、その部分が赤茶色に変色してしまうのですが、そうでなければ、爪楊枝を刺して袋に入れた状態で保存をすれば、葉の部分は1週間から10日程、シャッキシャキを保つことができます。

更に保存期間を延ばしたい場合や時間に余裕がある方、きちんとさんは、爪楊枝を刺したあと、キッチンペーパーで包み、袋に入れて保存すると良いようです。

私は、すぐに食べ切ってしまうこともありキッチンペーパーVer.は未確認ですが、更に長持ちさせられるように感じています。

この方法は、キャベツや白菜にも応用可能。

農家の方々が大切に手間暇かけて育ててくださったお野菜たちです。

最後まで美味しくいただきたいですよね。

まだ爪楊枝保存を試したことがない方は、レタスやキャベツのお供に爪楊枝、いかがでしょうか。

画像をお借りしています:https://jp.pinterest.com/

あなたのお家の除湿剤、うっかり宝の持ち腐れになっていませんか。

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突然ですが、皆さんは除湿剤を使われますか?

わたくし、お肌はぷるっと潤わせておきたいのですが、

お気に入りのお洋服を収納しているクローゼットの中や収納庫などは、

カラカラッとさせておきたいのです。

その思いが若干強すぎるのか、

商品には、このスペースに対して本品1個というような目安が記載してありますが、

規定量以上の除湿剤を各スペースに配置しております。

私が主に使っているものは、プラスティックケースに入ったビッグサイズのもの。

とてもリーズナブルなのに、除湿の効果が高く、

取り替えの際に、中に溜まった水分を見たときに感じる妙な達成感が癖になっております。

ゴミが増えてしまう点は少し残念なのですが、

今のところ、その妙な達成感欲しさにビッグサイズを愛用中です。

 

半年に1回ほど除湿剤の総替えをするのですが、

とても嵩張ってしまうため、普段はネットで購入しています。

しかし、その日は偶然立ち寄ったホームセンターのようなところで、

使い易そうなそれを見つけてしまい、カゴの中に大量に入れておりました。

豪邸に住んでいるわけでもないのに、この量、本当に必要なのかしら?

そのようなことを自分に問うのは、ちょっとした恥ずかしさから。

問いを振り払いつつ、クローゼットを想像しながらカゴに商品を投入します。

すると、少し離れた所に「除湿剤、正しく置けていますか?」と書かれた

手書きのポップがゆらゆらと揺れていたのです。

置き方にそれほどこだわったことがなかった自分に気付き、

ポップの前へと移動してみると、このようなことが書かれておりました。

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クローゼットや押し入れ、シューズクローゼットなどの湿気は、

下に溜まる性質があるため除湿剤は下に置くことで、

その効果を最大限に生かすことができるのだとか。

ただ、2段に区切られている押し入れなどの場合は、

上段内での一番下と下段内での一番下に置くと良いのだそう。

この時に、よりしっかりと除湿したい場合は一番下の奥の方にも除湿剤をおくことで

満遍なく除湿することができるようです。

クローゼットの中の除湿と言うと、ハンガータイプの除湿剤もありますが、

これは、お洋服そのものに含まれる湿気を取る効果はあるけれど、

クローゼット内全体の除湿をしたいのであれば床置き型との併用がおすすめだと。

 

シューズクローゼットの場合は、

雨で濡れたままの靴をそのまま収納することは無いかと思いますが、

濡れた靴、汗を大量に吸った靴は、しっかりと乾かして収納するのが大前提。

この時も除湿剤は一番下に置くと良いのだそう。

ただ、除湿と消臭、芳香など、異なる効果が同時に得られるタイプのものを使う際には、

得たい効果の優先順位によって置き場所が変わってくるとのこと。

 

湿気とニオイは共に下へ溜まるため除湿剤や消臭剤は一番下に。

一方、芳香剤のように香らせることを目的にしている場合は、

出来るだけ上に置くことで満遍なく香らせることができるため、

除湿、消臭、芳香アイテムを使用する場合は、

一番欲しい効果によって置き場所を変えることで、

アイテムの効果を最大限に引き出すことができるのだそう。

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私の場合は、配置し過ぎていたことが功を奏し、

正しい場所に置けていないという状況ではなかったものの、

やはり少々無駄に置きすぎているようでした。

思い返してみると、取り替えの際に、中に水分が溜まっておらず

あの達成感を感じることができずに肩を落とすこともありましたが、

それらは全て中段と言えるような高さに配置しておいたものでした。

除湿剤は適量を適材適所に配置するだけで、

こちらが求める以上の仕事をしてくれるようです。

除湿剤へ寄せる信頼も大切なのですね。

皆さんも、うっかり宝の持ち腐れになっていないか、

ご自宅の除湿剤の位置を確認してみてはいかがでしょうか。

画像出典:https://jp.pinterest.com/

ナチュロパシー(自然療法)をベースにブレンドされた『SAUTEDI(ソテディ)』のオーガニックハーブティー。

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たまたま通りかかったショップに目を惹くものがありました。

優しい色合いでデザインされた可愛らしいユニコーンのパッケージ。

サシェかしら?と手に取ってみたのだけれど、

それはオーガニックハーブティーでした。

ハーブティーを好きな友人への、ちょっとした贈り物にもできそうだと思ったのですが、

お味が分からなければ贈ることもできないため、まずは自分用にと購入してみたのです。

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ティーポットにティーバッグを1袋落とし、

500ccほどお湯を注いでしばらくすると、

湯気とともにハーブの良い香りがほのかに辺りに広がりました。

ハーブティー好きではあるものの、私の勝手な好みですが、

干し草感、お薬感の強い香りは、体に良いと言われても少々苦手。

しかし、このSAUTEDI(ソテディ)のハーブティーは、

オーガニック素材を丁寧にブレンドされているのか、

茶葉にするまでの過程に何か秘密があるのか、

雑味がなく、ハーブそのものの香りと味を楽しむことができました。

雑味が無いのでハチミツなどの甘味料とも味が喧嘩をしないため、

ハーブティーに甘味料が欠かせない友人にもいいかも、と贈り物候補に。

個包装してあった可愛いパッケージは、

ティーバッグを取り出した後は簡易コースターとして使うことができる配慮も素敵です。

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そうなると今度は、安心して贈り物にできるものかどうか調べたくなる性質なので、

どのような方が、どのような会社が、

どのようなこだわりをもって作っているハーブティーなのか調べてみることにしました。

 

販売元であるナチュロパシー・ジャポン代表は木村恵理子さん。

彼女はフランスに留学しナチュロパシーを学んだ方なのだとか。

ナチュロパシーというのは、日本語で言うところの自然療法のことで、

人間の体が持っている自然治癒力を活かしながら健康を維持したり、

病気を緩和したり、治していく医学のひとつです。

アーユルヴェーダなどのインド医学や、

鍼灸、漢方、気功などの東洋医学などとも共通しているのですが、

ナチュロパシーの歴史はわりと新しいものだと言われています。

 

SAUTEDI(ソテディ)のハーブティーは、

このナチュロパシー(自然療法)と陰陽五行論、体質学を基にしてブレンドされており、

有機JAS認証のオーガニックハーブティーのようです。

お薬に頼ることもあるけれど、

出来るだけ自然の力で心身共に健やかでいたいものですよね。

そして、そのような効能をちょっぴりおしゃれに楽しみたい。

フレーバーも豊富ですが、体全体をサポートする「バランス」と名付けられたハーブティーや、

女性特有のバランスを整える手助けをする「マム」、

リラックス効果の高い「フェアリー」に、温め効果のある「ソウ」というように、

体のどこをどうサポートしたいか、という観点から選ぶことができるようになっています。

自分でも楽しんでみたいと言う方は、

こちらのチャートを利用して今の自分に必要なハーブのチカラを知ることもできます。

※今の自分に必要なハーブティーは?

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ブランド名である『SAUTEDI(ソテディ)』は、

フランス語の「Sauter(ソテ)=ジャンプ」と「Dieu(ディユー)=神」

という言葉の頭文字を組み合わせて作られたのだとか。

そこには、「神様は馬に乗ってやってくる」と言われており、馬は運気を上昇させる動物であること。馬が9頭で「馬九行く」、 つまり「何事もうまくいく」とされ、吉兆このうえないと言われていることなどから、

SAUTEDI(ソテディ)を手元に置いて下さる方の幸せを願う気持ちも込められているのだそう。

ロゴに使われている馬はユニコーンですが、

ユニコーンは主に、古典文学や旧約聖書の中に登場する生物で、

鋭利な角には解毒作用や水を浄化する力があるとされていますので、

この辺りのストーリーも贈り物に添えると素敵じゃないかしら、と思っております。

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暑い夏、そして熱を取り込んだまま迎える季節の狭間は、

心身のバランスやホルモンバランスが崩れやすいものです。

このような時には、自然の恵みをゆったりと、おしゃれに楽しんでみるのも良いものではないでしょうか。

SAUTEDI(ソテディ)には、

ハーブティーの他にも、手軽にそのまま飲むことができる発酵香草ドリンクや、

ハーブをギュッと詰め込んだクッキーなどもあるようです。

次はどちらを試してみようかしらと、

小さな楽しみがひとつ増えた柊希です。

※体に良いものを使った商品ではありますが、食物アレルギーや花粉アレルギーなどをお持ちの方は、交差反応なども含めて、使われている材料を確認することをおすすめ致します。

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作りたいのに作れない、ショートブレッドのジレンマ。

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英国暮らしをしていた頃、

「することがないのなら家に来てお菓子作りでもいかが?」と誘って下さる方がいた。

彼女の名はエリザベス。

エリザベスは、周りの方々の話によると、

お料理教室やお菓子教室を開くことができるくらいの腕前で、

ご近所の方々からも教室を開いて欲しいと何度もお願いされていたらしいのだ。

しかし、とても気まぐれな性格で、

約束の日にキッチンに立ちたい気分かどうか分からないから無理だという理由で、

お願いを断っているということだった。

確かに、美味しいお料理を振舞ってくださるだけでなく、

様々なレシピを手際良く教えてくださったりもして有難かったのだけれども、

いつも突然すぎるお誘いで困っていた私は、それでか……と、妙に納得したのを覚えている。

 

あの日も彼女は誰かとキッチンに立ちたい気分になったのだろう、

いや、見知らぬ国で頑張る日本人を気にかけてくれたのかもしれない。

「いかが?」と急なお誘いを投げかけてきた。

あまり乗り気ではなかった私は丁重にお断りさせていただこうとしたのだけれど、

「今日はショートブレッドを作るのよ」という言葉にあっさりと乗ってしまった。

ショートブレッドは、400年も昔にスコットランドで生まれた伝統的なお菓子で、

昔はお祝い事があった時に作る縁起物のクッキーだったのだそう。

今では年中好きな時に口にできるくらい定番のお菓子となり、

紅茶との相性が良いことからアフタヌーンティーのお供として登場する機会も多い。

日本では赤いチェック柄のパッケージでお馴染みのウォーカー社のものがメジャーだろうか。

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この伝統的なお菓子を本場の人は、どのようなレシピで作るのか、

何か隠し味のようなものがあるのだろうか。

市販されているショートブレッドしか口にしたことがなかった私の、そのような興味が、

私をエリザベスの家へと向かわせた。

しかし、初めて見たショートブレッドの材料は至ってシンプル。

400年も昔から作ることができたのだから当然と言えば当然なのだけれど、

薄力粉、砂糖、バターのみ。

本場ならではの隠し味のような何かは見当たらなかったけれど、

強いて挙げるならば、何度か繰り返された「発酵バターが良いわね」という彼女のフレーズから、

ショートブレッドを作るのなら発酵バターで。と私の頭の中にインプットされている。

材料をしっかりと混ぜたら生地を冷蔵庫で寝かせ、

形を整えてオーブンで10分から15分ほど焼くだけの簡単レシピだったのだけれども、

私が驚いたのはバターとお砂糖の量の多いこと。

確かに、美味しいショートブレッドはひと口食べただけで、

あ、カロリーが高いな、という味がする。

だけれども、あんなにもバターとお砂糖が多いなんて……。

ショートブレッドに対する眼差しが変わりかけていたタイミングで

焼き上がったエリザベスレシピのショートブレットを差し出され、

焼きたてを口にしたのだけれど、あまりの美味しさに目をギュッと閉じて静かに味わった。

そして、こんなに美味しいショートブレッドは初めて。

気付けば、そのような言葉をお世辞抜きの素で言い放つ私がいた。

「美味しいものは脂肪と糖でできている」

どこぞやのCMで耳にするけれど、当時の私がこのフレーズを耳にしていたら、

うん、うんと大きく頷きまくっていたに違いない。

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計量が面倒でお菓子作りが苦手な私だけれども、

ショートブレッドだけは自身があるのだ。

しかし、あのカロリーを目の当たりにした私は、

材料を並べただけで罪悪感に包まれてしまうため、

未だ、片手で足りるくらいの回数しかショートブレッドを焼いていない。

そして、大好きだったはずのショートブレッドを口にする機会もめっきり減ってしまった。

簡単すぎるレシピゆえ、腕が鈍るも何もないのだけれど、

もう少しだけ涼しくなったら、今年はショートブレッドでも焼いてみようかしら。

雑誌のページで目にしたウォーカー社のショートブレッドを眺めながら

エリザベスの気まぐれエピソードを思い出し笑いしつつ、そのようなことを思った。

画像出典:https://jp.pinterest.com/

焼き海苔の行方。

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ありがたいことに焼き海苔をいただいた。

そして、再び、ありがたいことに焼き海苔をいただいた。

このようなことが続くことがある。

お腹にたまるものではないけれど、一度に使う量はそう多くはない。

日に日に増える我が家の焼き海苔たちは、

いつの間にか消費してもらうための順番待ちの列をなしていた。

 

今回は、焼き海苔の保存方法や焼き海苔の第二の人生など、

直ぐには口にしてもらえない焼き海苔の行方のお話を少し、と思っております。

お時間がありましたら、ちらりと覗いていってくださいませ。

 

焼き海苔をお料理に使ったはいいけれど、

中途半端に残ってしまった海苔は、あっという間に湿気てしまい、

残念な思いをされたことがある方も多いのではないでしょうか。

海苔は常温保存をすることができる食材だけれども、

冷蔵保存や冷凍保存に比べると湿気るのが早いため、

海苔にとって最適な方法で保存し、出来るだけ早めに食べきるのがおすすめだ。

と私に力強く言い放ったのは、いつぞやかのデパートの催事場で、

少々、いやかなり強引に引き留められた海苔屋の店主。

それまでは何となく保存していた海苔だったけれど、

その店主の言葉をきっかけに、

それまでよりも海苔を気に掛けるようになったような気がしております。

 

最近の海苔は、食べ切ることができなくても

密封できるタイプの袋に入っていることが多いけれど、

この状態では早々に湿気るのだそう。

だから、まずは元から入っていた袋をしっかりと密封し、

これを更にジッパーのついた保存用の袋に乾燥剤と一緒に入れると良いのだそう。

これは、缶に入った海苔も一緒なのだそう。

開封前の状態であれば海苔の劣化を遅らせることができるけれど、

一度開封してしまったら、見た目ほどの気密性は期待できないため、

開封後はジッパー付きの保存用袋に乾燥剤と一緒にいれることがお約束なのだそう。

この状態のものを湿度が低い冷蔵庫か冷凍庫で保存するのが一番良いとのことなのですが、

注意しなくてはいけないポイントは、

保存している海苔を使うときには、

密封状態のまま海苔が常温に戻るのを待ってから封をあける点と言います。

冷蔵庫や冷凍庫の中で低温になったままの海苔をすぐに外気にさらすと、

乾燥していた海苔が空気中の水分を一気に吸収してしまい、

あっという間に、ふにゃふにゃっとした海苔になり、味も食感も落ちるのだそう。

冷蔵保存、冷凍保存をしていた海苔を使う際には、

慌てずゆっくり、海苔を常温に馴染ませてから開封してくださいませ。

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ただ、冷蔵庫や冷凍庫で長期保存ができるとは言え、

海苔の風味や香りなどは少しずつ落ちていきますので残念な思いをすることも多いもの。

巷には風味を復活させる技も溢れておりますが、

我が家では海苔屋の店主のアドバイスから

直ぐに食べ切ることができないであろう海苔は、

ごはんのお供や、調味料としても重宝する海苔佃煮にすることにしております。

レシピはネット上でも様々な味付けのものが公開されておりますが、

私は、焼き海苔を細かくカットし、

お水、お醤油、みりん、ハチミツ、お酒、めんつゆを使って煮込み、

煮汁が無くなるまで煮詰めております。

これは海苔佃煮のベースですので、

ここに、梅や紫蘇、ネギやゴマなどの薬味食材を少々加えて

バリエーションを楽しむこともできます。

加工してしまうと消費期限は短くなりますが、意外とご飯がすすみ、

あっという間に海苔たちが旅立っていきます。

市販されている海苔の佃煮の塩分が気になる方は、

塩分控えめの佃煮を作ることができる点もポイントかと思います。

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そのような訳で、我が家で消費されるのを待っている焼き海苔を、

そろそろ美味しく調理しようかしら、と思っている今日この頃でございます。

もし、消費しきれずに残っている焼き海苔がありましたら、

あなた好みの味付け、塩加減でホームメイドの海苔佃煮を楽しんでみてはいかがでしょう。

当たり前の日常に、ほんの少し新しさを加えつつ、

日々の暮らしを丁寧に重ねていくのも良いものです。

画像出典:https://jp.pinterest.com/

子育てや家探しが大変なのはどこも同じなのかもしれない。

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今年の春、スマートフォンを覗き込みつつ目的地を目指していたのだけれど、

道すがら妙な光景を目にした。

あるお宅のガレージの軒下に「スズメが子育てをしています。温かい目で見守って下さい」

と書かれた張り紙があった。

しかし、私には、どこからどう見ても、その巣はツバメのそれのように見えた。

ほんの少しだけ立ち止まって巣を見上げると、巣の中からひょっこり小さな鳥が顔を出した。

それは、確かにスズメだったのだ。

不思議なこともあるものだと思いながらその場を後にし、

そのような出来事があった事すら忘れていた。

それからしばらく経ったある日、偶然手に取って流し読みをしていた新聞の中に、

鳥たちの住宅事情に関する記事が載っていた。

何でも、ここ十年くらいの間にツバメの巣をスズメたちが乗っ取り、

子育てをするようになっているのだとか。

もしかして、私があの時目にした妙な光景は、これだったのかしら?と私はその記事に惹きつけられた。

 

どうして、このようなことが起こっているのかと言うと、

本来、スズメたちは軒下にできた隙間の中に枯草などを詰め込み、巣としてきたのだそう。

しかし、私たち人の住宅環境の変化に伴って瓦屋根の家が減り、

軒下や隙間がなくなった結果、スズメたちの住宅地が激減している現状があるようだ。

そこでスズメたちが目をつけたのが、空き家になっているツバメのお家。

 

ツバメは渡り鳥で帰巣本能が強い鳥。

春になれば我が家に戻り子育てを、

我が家が無くなっていれば再度新しい我が家を作り子育てを始める。

ただ、彼らが帰ってくるタイミングは様々な自然の事情により

前年よりも早かったり、遅かったりとまちまち。

そうすると、同じく春先に子育てをするスズメたちがひと足先に家探しを始め、

ツバメの空き家に枯草を持ち込んでリノベーションし、

我が家として使い始める例が多くなっているのだそう。

ツバメたちは、我が家がいつの間にか人手に渡っているとはつゆ知らず、

長旅を終えて我が家に戻ったところでスズメ一家と鉢合わせしてしまい、

スズメとの縄張り争いに負け、一から新しい場所を探し、巣作りを行っているという。

どちらが悪いということではないのだけれど、少々胸が痛む現実だ。

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良い場所は取り合いになるものなのね、と思ったのだけれども、

スズメとツバメが欲する住宅環境は異なっているのだという。

スズメに適した住環境というのは、

雛鳥が巣立つとき、身を隠すことができる木々がすぐそばに、あることなのだとか。

一方、ツバメに適した住環境というのは、

雛鳥が巣立つために飛ぶ練習ができるだけの空間が巣の前にあることだという。

スズメたちは、この様に適した環境が異なるにも関わらず、

乗っ取りに近い形でツバメの巣を我が家にしているわけだから、

私たちが想像する以上に切羽詰まっているのかもしれない。

そして、更に、スズメたちがツバメの巣で子育てをし、雛が巣立つとき、

身を隠す場所が近くに無いことが多いため、カラスなどに食べられてしまうことも多いのだそう。

私たち人間の住環境も日々変化しているけれど、

野鳥たちの住環境も時代と共に変化しているようだ。

子育てや家探しが大変なのはどこも同じ、ということなのかもしれない。

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湯のみには取っ手が無いけれど、どうしてかしら?

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デザートと一緒に出していただいた日本茶。

あの爽やかな色と湯気に溶け込むほろ苦さを含んだ茶葉の香りに

心身がゆるゆると解きほぐされていくような感覚になった。

ゴクリとひとくち口に含めば、冷房で程よく冷えた体に、

じんわりと染み入る温かさが心地よい。

両方の手の平で包み込むようにして握っていた素敵な湯のみを

テーブルに置いたときにふと思った。

どうして湯飲みには取っ手がないのだろうか、と。

もちろん、取っ手が付いたタイプの湯のみも見かけることはあるのだけれど、

それは、アイデア商品という枠の中にある、

もうひとつの湯のみのスタイルであって、主流と呼ぶには少し違うような気がするのだ。

そのようなことを雑談に交えて女将さんに漏らすと、

このようなお話しを聞くことができた。

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湯のみに取っ手がないのは、

日本茶は熱すぎないものの方が美味しく感じられる飲み物で、

その温度の目安が、人が湯のみに素手で触れることができるくらいの温度ということもあり、

お茶の温度を手で感じ取ることができるように取っ手がないのだとか。

仮に、湯のみにティーカップやコーヒーカップのように取っ手が付いていたとしたら。

飲み物の温度を手で感じることができないため、

熱い飲み物をそのまま口にしてしまい

口の中を火傷してしまうようなこともあるでしょう、と。

このようなことなく、日本茶を美味しく召し上がっていただくために、

飲む人が自分の肌で飲み頃を判断できるようにという気配りも含まれているのだそう。

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更に、女将さんは続けた。

湯のみが、奈良時代から平安時代にかけて、

お茶とともに日本に伝わってきたことも関係しているようだと。

茶道には、茶器を五感で愛でるお作法があるけれど、

湯のみの手触りも滑らかなものもあれば、ゴツゴツとしたもの、

ザラザラとした触感に仕上げられているものなど湯のみによって異なる。

この、職人の技や想いが込められた表情ゆたかな質感を

手の平からも感じられるよう、取っ手は付けられていないのだとか。

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たかが「取っ手」、されど「取っ手」。

何でも自由に選び取ることができる私たちの立場からみると、

つい便利さを追求してしまうこともあるのだけれど、

ちょっとした不便さの中に「粋」が隠されているのかもしれない。

取っ手のないお湯のみで日本茶を召し上がる際には、

今回のお話をちらりと思い出していただけましたら幸いです。

今日も美味しいティータイムをお過ごしくださいませ。

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筋力アップが叶うアイソメトリックトレーニングとは何ぞや?

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わたくし、何でもまずは体験してみよう、と思うタイプなので、

このアイソメトリックトレーニング(アイソメトリックスとも)というものを3週間ほどお試ししてみることにしました。

と言いますのは、私は筋肉があまりないため、整体などへ行く度に

筋力をつけた方が良いというアドバイスを頂戴するのです。

ですが困ったことに、筋トレをすると簡単に筋肉が付いてしまう上に、

筋肉が付きすぎてしまう傾向にあるのです。

ムキッとした筋肉があまり好みではない私は、

程よく、しなやかな筋肉をキープさせるトレーニングを模索中でした。

以前、幸せのレシピ集でもご紹介させていただいたプランクも

アイソメトリックトレーニング(アイソメトリックス)に分類されるようです。

私は昨年からプランクを続けているのですが、

物は試しということで、自分で体験してみることにしました。

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|アイソメトリックトレーニング(アイソメトリックス)とは?

アイソメトリックトレーニング(アイソメトリックス)という言葉を

始めて耳にされた方もいらっしゃるかもしれませんので、

まずは、どのようなトレーニングなのか、簡単にお話します。

アイソメトリックトレーニングとは、関節を曲げたり伸ばしたりせずに筋肉に力を入れため、

「静的な筋力トレーニング」と呼ばれています。

例えば、胸の前で右手と左手を合わせ、右手で左手を、左手で右手を押すようにして

力を均等にし、合わせた両手を胸の前でキープさせる運動がありますが、

このように、ある一定の姿勢をキープしたまま筋肉を緊張させるトレーニングが、

アイソメトリックトレーニングです。

一人でできるものではないですが、腕相撲もアイソメトリックトレーニングの一種のようです。

筋肉をどのようにして鍛えるのか、イメージしていただけましたでしょうか。

 

筋肉のみに、このような負荷をかけますので、

関節を傷めたり、筋肉痛になったりということがなく、

電車やバスの中、オフィスの机に座っている時、テレビを見ながら、

入浴中、お料理の合間など、スキマ時間に行うことができます。

また、道具を用意する必要がないトレーニングが多いため、

誰でも簡単に日常生活に取り入れることができる筋トレとして注目されています。

 

|アイソメトリックトレーニング(アイソメトリックス)の効果は?

アイソメトリックトレーニング(アイソメトリックス)には様々な方法がありますが、

どのスタイルも筋力アップを期待できます。

筋力がアップしますと、代謝が上がり血の巡りがよくなりますので、

ダイエットを始めとする美容面での嬉しい効果や、

冷え性改善などの健康面でも嬉しい効果も期待できます。

体の土台をじっくり鍛えていきますので、姿勢も良くなりますし、

姿勢が良くなれば肩や首のコリといった

日常生活で当たり前になっている不調を改善させることにも繋がります。

 

|どのようなことをすれば良いのかしら?

鍛えたい場所によってポーズは異なりますが、

アイソメトリックトレーニング(アイソメトリックス)は、

決められたポーズを作り筋肉に力を入れて10秒間キープします。

これを、無理の無い範囲で2、3回行うと良いようです。

この時に注意する点は、息を止めないこと。

集中してしまうとつい息を止めてしまうことがありますが、

息を止めますと必要以上に血圧があがることがあるようですので、

呼吸をして体に酸素も送りながら鍛えましょう。

 

鍛えたい部位は各々異なると思いますし、

同じ部位でも良く通りもポーズがありますので、

『アイソメトリックトレーニング 気になる部位』で検索していただくのが一番かと思うのですが、

イメージを掴んでいただくために、日本で取り上げられることが多い

肩甲骨付近から二の腕のお肉とワキのお肉を鍛えるポーズをご紹介させていただきます。

 

【1】椅子に座って行います。両手を胸の前で伸ばし、肩の高さまで上げます。この時、手の平を合わせ、腕全体で互いの腕を押し合うようにして胸の前でキープします。この時、肩の力は抜き、力を二の腕の内側に集めるようなイメージで姿勢を整えます。

 

【2】【1】の状態をキープしたまま、ゆっくりと呼吸をしながら腕全体を腰ごと右側へ移動させ、程よいところで10秒キープします。この時の注意点は、オヘソはできるだけ正面を向いた状態を保つように意識します。

【3】【2】の状態から呼吸をしながら腕を正面へ戻し、今度は反対側へ【2】を行います。

回数をこなそうとせずに、1回を丁寧に行うと筋肉が、ゆっくりではありますが、しっかりと鍛えられていきます。

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アイソメトリックトレーニング(アイソメトリックス)は、とても簡単で

様々な部位を鍛えられるという魅力もあったのですが

私は、以前ご紹介させていただいたことがあるプランクで

まずは体幹をしっかりと整える方が合っていると感じ、

現在は様々な部位を個々にトレーニングするのではなく、

これまで継続していた「毎日プランク30秒×2回」をのんびりと続けています。

 

感じ方や元々の筋肉量などによって感じ方は様々ですが、

私がアイソメトリックトレーニング(アイソメトリックス)通して感じているのは、

巷ではすぐに見た目に変化が表れると言われたりもしていますが、

直ぐに見た目が変わる類のトレーニングではないということ。

ですが、続けていると、正しい姿勢を窮屈だと感じなくなり、

体内の臓器が収まるべき場所に収まるようになり、

代謝が、地味に、少しずつですが上がってきます。

そうすると、小さな不調が緩和され、気にならない状態に変化していきます。

更に、ふとした時に体幹が鍛えられていることを感じられるといった過程を経て、

じわーっと見た目やお洋服のサイズにも変化が出てくるトレーニングだと感じています。

電車内で大きな揺れを急に感じても軽々ピシッと立っていられたときには、

「あっ」と地味に感動を噛みしめました。

自分のボディラインや健康といったことを長い目で考えるのであれば、

このような無理をせずにできる筋トレの中から、

自分やライフスタイルに合うものを探して続けてみることも良いのではないかと思います。

筋トレが自分に馴染んできたら自分に合わせて負荷を上げていくことができる点も魅力です。

モノゴトや暮らし、そこに在るココロが

ほんの少し豊かになるヒントや瞬間のきっかけにしていただけたら幸いです。

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じゃんけんに登場する「ぴゅい」ってなあに?

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先日、あることを決める際に「じゃんけん」を使った。

オトナになると「じゃんけん」をする機会も減るものなのだな、とふと思う。

どこの国にも「じゃんけん」のようなものがあるけれど、

日本発祥のそれとは少々異なるスタイルの国もある。

それを知ったのはある年のサマーバケーション中の出来事だった。

 

私は長期休暇を利用して2週間程のヨーロッパ旅行をすることにした。

現地の旅行会社で手頃なツアーに申し込んだのだけれども、

ツアーの参加者の多くが偶然にも様々な国籍の同世代だったこともあり、

いつの間にか、特に気の合うもの同士で、いくつかのグループができていた。

あるとき、何かの順番を決めなくてはいけなくなり、

グループの最年長同士による「じゃんけん」が行われた。

その時である。

そこには、始めて見る「じゃんけんのカタチ」があり、

勝ち負けの判断が付けられないという不思議な状況を目のあたりにしたのだ。

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私たちが使っている「じゃんけん」には、

グー(石)、チョキ(はさみ)、パー(紙)の3種類のアイテム(手の形)があるけれど、

このアイテムが国によっては4種類だったり、5種類だったりと異なる。

そして、日本と同じ3種類のアイテム(手の形)を使っている国の中には、

「石」と「はさみ」と「紙」ではないケースもあった。

口々に「その形は、何?」と言い、じゃんけんは世界共通じゃないのか!と皆で驚いたのだ。

今回は、その言葉の響きがカワイイという理由で

フランスの「じゃんけん」のお話を少し。

 

フランスの「じゃんけん」で使われているアイテム(手の形)は、4種類。

その中の3種類は日本と同じグー(石)、チョキ(はさみ)、パー(紙/葉っぱ)なのだけれど、

そこに、ピュイと呼ばれる井戸が加わる。

ピュイの形は、人差し指と親指の先をくっつけて輪を作り、

残りの3本の指は人差し指の下に重ねるようにして添える。

そして、気になる勝敗はというと、

グー(石)は、ピュイ(井戸)の中に落ちてしまうのでピュイ(井戸)に負ける。

チョキ(ハサミ)も、井戸に落ちてしまうのでピュイ(井戸)に負ける。

パー(紙/葉っぱ)は、ピュイ(井戸)を塞ぐことができるのでピュイ(井戸)に勝つことができる。

となるのだけれど、このルールに慣れてフランス式の「じゃんけん」を使っていると、

あることに気付くのだ。

パー(紙/葉っぱ)とピュイ(井戸)は4分の2の確率で勝つことができるけれど、

グー(石)とチョキ(ハサミ)は4分の1の確率でしか勝てないということに。

さらに、グーを出していたはずなのに、

こっそりとピュイに変えるというズルやその逆をする人が現れるということにも。

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そして、当時、柔道を習っているという青年が「じゃんけん」は日本で生まれたものだから、

旅行中の「じゃんけん」はジャパンスタイルに統一してみてはどうだろうと提案した。

私は、その時に初めて「じゃんけん」が日本生まれだと知ったのだけれども、

知らなかったとは言い難い空気もあり、

知っていた風をぴゅーぴゅー吹かせつつ、

ジャパンスタイルの「じゃんけん」を伝授した記憶がある。

「じゃんけん」をする機会がありましたら

フランススタイルの「ピュイ」をちらり思い出していただけましたら幸いです。

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