幸せのレシピ集

cawaiiとみんなでつくる幸せのレシピ集。皆様の毎日に幸せや歓びや感動が溢れますように。

この時季に頼りたい、こんにゃくのお話。

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吹き抜ける風は、まだまだ冷たさを含んでいるときもあるけれど、日差しはすっかり春である。

先日足を運んだ美術館の前には、紫色をしたパンジーとスミレ、アクセントに黄色いチューリップが並べられており、凛とした大人の春といった印象を受けた。

桃や桜のように柔らかい色合いからも春を感じられるけれど、ひと口に春と言っても、その雰囲気は様々である。

自然は着々とその時々に適した体に姿を変えていくけれど、私はと言えば、苦味を盛って春スイッチは押しているのだけれど、少しばかり出遅れているようにも思う。

時々お世話になっている鍼灸医に、このような時は体の内側からスッキリさせると良いと聞いてから、こんにゃくのチカラを借りることがある。

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今回は、こんにゃくのお話を少しと思っております。

柊希の脳内整理も兼ねておりますが、ご興味ありましたら、お好きなお飲み物でも召し上がりつつお付き合い下さいませ。

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こんにゃくと言えば、栄養はそれほど含まれていないのですが、水分と食物繊維が豊富で腸内をお掃除してくれる食材として知られていますね。

こんにゃくには、私たちが持っている消化酵素では分解することができないグルコマンナンという成分が含まれています。

何となく知っているような耳慣れた成分名ですが、これが、水分を吸収して膨らみながら腸内を移動していくため、お掃除モップのような役割を果たしてくれているというようなイメージです。

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食物繊維には水溶性のものと不溶性のものがありますが、こんにゃくに含まれている食物繊維は、水溶性です。

水溶性の食物繊維は、胃の中にある食べ物をコーティングして、

糖質や塩分の、コレステロールなどが体に吸収されるのを抑えると言われています。

これは、体の中にある不要なものをお掃除しながら高血圧や動脈硬化、糖尿病といった大人が気にする生活習慣病の予防にも繋がります。

更に腸内の悪玉菌の増殖を抑えて善玉菌を増やす性質もあると言われていますから、

健康の土台作りとダイエット、冬の間に溜め込んだものを季節の変わり目に一掃するのに、もってこいというわけです。

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そしてこの時季、体がスッキリしない理由のひとつに、花粉症やアレルギー、アトピーなどの症状を挙げる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

こんにゃくには、様々なダメージからお肌を守るバリア機能や、お肌の保湿に欠かせないセラミドが豊富に含まれています。

肌のバリア機能が低下しますと、普段は何ともないようなことが刺激となり、各々の弱い部分に対して様々な症状を引き起こします。

こんにゃくは、このような状況を出来るだけ防いだり、緩和させる食材のひとつで、

ヘルスケアにビューティーケア、ダイエットまで幅広く対応できる、なかなか心強い食材です。

味をこんにゃくに染み込ませる手間暇をかけられないときや、味付けをする際の塩分量が気になるという方は、水洗いするだけで食べられる刺身こんにゃくを召し上がるのも手です。

刺身こんにゃくであれば、ワサビ醤油や生姜醤油、ポン酢などお好きな調味料で楽しむことができますし、

食べやすい大きさにカットしてサラダに混ぜ込んでもいいですし、和え物などにも使うことができますよ。

季節の変わり目は、忙しさも増しますので、体力温存できるときにはしっかりと温存しましょう。

お嫌いでなければ、この時季は積極的にこんにゃくメニューを楽しみながら、

腸内環境を整えたり、体内に溜め込む必要がないものを排出したり、バリア機能を健やかに保ってみるなどしながら、体を内側からスッキリさせてみてはいかがでしょうか。

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レンゲソウにもスポットライトを。

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赤みがかった紫色と爽やかな白で彩られたレンゲソウ(レンゲ/ゲンゲとも)で紙面が満たされているポストカードをいただいた。

こんなにも沢山のレンゲソウが咲いている景色を最後に見たのはいつだろう。

もう随分と長い間、レンゲソウそのものを見ていないように思った。

春の陽気の中で咲き誇るレンゲソウは、ほんのりと甘い香りを辺りに漂わせていたような。

記憶を手繰り寄せるようにして想像してみたけれど、はっきりとは思い出せず、想像するに留まった。

私の中でレンゲソウと言えば、美味しいハチミツを摂ることができる蜜源植物というイメージが一番強い。

次に思い出すのは、レンゲソウの神話である。

レンゲソウは、言い寄ってくる男性から逃れるために女神が姿を変えたものだったのだけれど、

花を摘みにでかけた姉妹の姉が、そのレンゲソウを摘み取ってしまうのだ。

すると姉は、足からレンゲソウの根が生え、根は地面を這うようにして広がっていく。

変わりゆく姉を心配する妹に姉は、花はどれも女神が姿を変えたものだから摘まないでね、と言い残してレンゲソウに姿を変えてしまうという話。

子どもの頃の私には、この話が妙にリアルに感じられたようで、道端に咲いている花を摘もうとするも、この物語を思い出して伸ばした手を引っ込めていたように思う。

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私がレンゲソウを見聞きして思い浮かべるのは、この二つなのだけれど、

いただいたポストカーを裏返すと、箇条書きされたレンゲソウの説明の中に、レンゲソウは畑の肥料だと記されていた。

畑の肥料とは?その言葉が気になりレンゲソウのことを簡単に調べてみると、

以前は、多くの田んぼで秋頃になるとレンゲソウの種を蒔き、レンゲソウを緑肥(りょくひ)として使っていたのだそう。

緑肥(りょくひ)というのは、栽培した植物を収穫せずに田んぼや畑の土と一緒に耕して肥料として使う、地球や植物、人に優しい肥料のこと。

それならば、植物なら何でも緑肥(りょくひ)になるのかというとそうではなく、レンゲソウが緑肥(りょくひ)に選ばれているのには理由があるという。

レンゲソウの根には根粒菌という細菌がいて、この細菌は空気中の窒素を植物や農作物が使いやすい形に変化させる特徴があるのだそう。

だから、この細菌を持っているレンゲソウを田んぼや畑に植えて花を愛でた後は、丸ごと土に混ぜ込むことで土壌が効率よく豊かになり、そこで育てる農作物が、元気に育つ仕組みなのだそうだ。

今では、レンゲソウの緑肥(りょくひ)を使っている農家は少ないけれど、地球や人に優しい肥料ということで見直す動きもあるという。

レンゲソウは可愛くてキレイで、美味しいだけではなく、優しくて頼りになる草花ということらしい。

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レンゲソウのシーズンはこれからです。

ドライブ中やお散歩中、時には街中の街路樹の根元などでレンゲソウを見つけた際には、今回の何かしらをちらりと思い出していただけましたら幸いです。

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プライバシーマークとは何ぞや? 

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レジに並んでいたときのことだ。

次は私の番という所まできたのだけれど、前の方が電子マネーの手続きに手間取っているようで、足止めされてしまった。

私の後ろに並んでいる方々は、レジを軽く覗き込み時間がかかると判断したようで、他のレジへと散っていった。

私も一瞬、その動きにつられそうになったけれど、急がば回れかしらと思い直し、その場で順番を待った。

所々、漏れ聞こえてきた内容から察するに、電子マネーを使いたいけれど本当に個人情報は安全なのか、どう安全なのか、と店員に確認しているようであった。

個人情報やプライバシーの大切さの認知度は随分と上がったけれど、同時に、提供した自分の個人情報やプライバシーが、

何処まで、どのようにして使われているのか、判断し難いのも事実である。

正直なことを言えば私自身は、気を付けてはいるけれど「これは大丈夫だろう」「これは何となく信用し難い」「とりあえず使ってみなくては分からない」といような、曖昧な感覚で使うこともゼロではない。

ただ、覚悟という表現を使うと大袈裟だけれども、「何があっても自己責任」という判断で使っているように思う。

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先日、そのような話を知人と交わしていたのだけれど、知人が言うのだ。

最近は、少しずつプライバシーマークを目にする機会も増えてきている、と。

プライバシーマークと聞いて私が思ったのは、分かるような、知っているような、知らないような……という曖昧なものだった。

ショッピングサイトでお買い物をしたりメールを送信するときなどのセキュリティを確保するために、

提供する様々な情報が傍受、妨害、改ざんされることを防ぐ目的で、提供する情報を暗号化するSSL技術というものがあるけれど、

プライバシーマークは、それとは異なるもので「個人情報」を大切に取り扱う企業や団体だと認められた事業者が使うことができるマークなのだそう。

もちろん、このマークが無いからといって個人情報を大切に取り扱っていないということではないのだけれど、

自主的に個人情報の扱い方を第三者にチェックしてもらい、ある基準に達しているという判断が出たというお知らせマークということのようだ。

そのプライバシーマークというのが、このようなマーク。

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見たことがあるような、無いような……。

ここでも私の認識は曖昧なものだったのだけれど、

私の知らないところで、このようなチェック機関やセキュリティー確保の技術開発や導入が行われているおかげで、

認識が曖昧であるにも関わらず、安心して生活できているのだなと感じた話題だったように思う。

それでも稀に妙な所からメールが届いたり、電話がかかってきたりすることがあるため、自覚なき自分の不注意に気付かされることもあるのだけれど。

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個人情報やプライバシーは、便利なシステムと背中合わせになることも多いため、それらを提供する場面というのは、意外と多いように思います。

提供する際も、空欄は全て埋めなければいけないと無意識に感じてしまうことがありますが、

必須項目と任意項目に分けられている場合もありますので、空欄を全て埋める必要があるのか自分なりに判断する癖があっても良いのかもしれません。

何かしらのヒントやきっかけにしていただけましたら幸いです。

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口癖「カラスには気を付けろ」を思い出した日。

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歩道を歩いていると「カラスに注意」というプレートがあった。

プレートは、とあるマンションのゴミ捨て場の金網に金具で留められていた。

プレートの注意書きに誘われるがままゴミ捨て場を見渡すと、以前は開け放たれていたであろう上部は、緑色をした真新しいネットで覆われていた。

ゴミを荒らされたか何か、カラストラブルが起きプレートとネットを設置することにしたのだろうと直ぐに分かった。

もう随分と前の出来事なのだけれど、当時仕事をご一緒していた方のお子さんが、カラスに悪戯をした翌日から、通学途中に狙われてしまうようになったという話を聞いたことがある。

悪戯というのは、「カラスを驚かそうと小石をカラスに投げた」というもの。

お子さんは、小石をカラスに直接当てようと思ったわけではなかったため、当たらないように配慮した上で投げたらしいのだけれど、

運悪く、投げた小石が地面に落ちた瞬間跳ね返ってカラスに当たり、驚きと怒りがカラスの中に芽生え、仕返しのタイミングを狙われ始めたのだ。

帽子を被ったり、変えてみたり、マスクをしたり、服装を変えたり、傘をさしてみたりと、変装とも言えるようなことを思い浮かんだだけ試したそうなのだけれども、

カラスは、そのお子さん目掛けて飛んできて帽子を取り上げたり、頭を突こうとしたりするのだと仰っていた。

あの立派なくちばしと鋭い爪、想像以上に逞しくて大きい体つきは、大人から見てもドキリとする風貌であるから、悪戯をしてしまった子どもは悪戯したことを猛省したに違いないと思う。

結局、カラスの怒りが収まるまでは車での送り迎えをすることになったといい、親が車での送迎から解放されたのは、それから一か月ほど経ってからだったように記憶している。

解放後、その方の口癖に「カラスには気を付けろ」が加わったのは言うまでもない。

そして、その出来事を共有した私は、いつからか、カラスを見かけたときには、出来るだけ目を合わせないようにしてやり過ごすようになった。

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以前、カラスは40種類ほどの言葉を使い分けてコミュニケーションを取っている鳥だという話題に触れたことがあるけれど、

先日は、公園にある水道の栓をひねり、水を飲んだり水浴びをするカラスがいるというニュースを目にした。

カラスは、水を飲むときには少しだけ栓をひねり、水浴びの時には大きくひねるなどしていることから、栓のひねり具合で水量が調節できることを知っているとのこと。

このカラスの行動を観察して発表した、鳥類学を研究している大学教授によると、

都市で暮らしているカラスは、人の行動をよく観察していることから、今後も人が作った道具を様々な形で利用する可能性があるという。

このような話題に触れると、以前お仕事をご一緒した方の口癖、「カラスには気を付けろ」を思い出す。

賢いというだけで悪い鳥だということではないのだけれど、カラスは意外にも執念深いからなとも思うのである。

皆様も、カラスに遭遇した際には互いのテリトリーを侵さぬよう、ご注意あれ。

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春の息吹、木の芽風に触れて思うこと。

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冬の気配を少しだけ残したような冷たさの中を、ほのかに温かい風が駆け抜けた。

その風は、温かい部屋で食べる冷たいアイスの美味しさに、少しだけ似ていたように思う。

人はナンダカンダ言って欲張りだから、異なる心地よさを同時に得ているとき、胸の内側辺りで静かに高揚するのかもしれない。

この時季に吹く春風のことを「木の芽風(このめかぜ)」という。

芽吹きはじめたレッシュで柔らかな新芽の香りまで漂ってきそうな、美しい言葉だ。

そして、諸説あるのだけれど、新芽が膨らんで張ることから、この季節を「春(はる)」と呼ぶのだとか。

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先日は、出先でお財布売場のそばを歩いていると、陳列棚に並べられた春色をしたお財布の数々に目が留まった。

それらを視界の中に捉えつつも足を止めることなく素通りしたのだけれど、鮮やかな色は、私が思っていた以上に気持ちを華やかにしてくれた。

一年の中には幾度か、お財布の買い替えに適していると言われるタイミングがある。

そのタイミングは、古から受継がれている様々な知識を使って導きだされたものもあれば、言霊を味方につけた日本人らしいもの、自分自身の節目でもある誕生日を使うなど様々である。

この時季は、多くの命が芽吹き、膨らみ、パンパンに張り、後に花を咲かせ、実りに繋げるという流れがあることから、

お財布も富でパンパンに張るようにという願いを込めて新調するのに適したタイミングとして知られている。

私はお財布を春に新調したことは無いのだけれど、こうして売り場の近くを通ると、春財布のカラフルさには、木々や草花、その他の生命力に通じるものがあるように思う。

様々な視点や知識、各々の拘りや好みといった条件を持ち出すと、良しとするタイミングも選ぶものも変わってはくるけれど、

色が持つ力と季節が持つ力、そこに言霊の力が合わさることで生まれるタイミングに縁起を担ぐ。

これはこれで「笑う門には福来る」ではないけれど「楽しむ角には幸来る」でいいじゃないか、と思う。

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ちなみに、春財布への買い替えに適している期間というものにも諸説ある。

ここでは、二十四節気が登場するのだけれど、

冬至から年を跨いで2/19の雨水までの期間を春財布への買い替えに適していると言うもの、

元旦から5/6の立夏まで、2/4の立春から3/6の啓蟄まで、2/4の立春から5/6の立夏まで、という説があり、いい意味で選び放題である。

ここに、自分自身の誕生日を重ね合わせたり、様々な吉日の中から自分にとってスペシャルな吉日や、欲しい意味合いの吉日を重ねるのも、縁起担ぎのひとつだという。

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特別拘っているわけではないけれど、

春の陽気に誘われて、お財布選びをもっと楽しんでみようかしらと、ポジティブな気持ちを抱いている方は、春財布選びに吉日トッピングの追加など、いかがでしょうか。

やはり春は、生命力漲る季節なのだと今年も春の息吹に触れて思う午後である。

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寝言には使い慣れたものを使っているようだ。

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春をお迎えする桃の節句用に準備した桃の花。

外で目にした時には小ぶりに感じることが多いけれど、室内で目にすると外でのそれとは異なり、花のひとつひとつが大きく感じられるように思う。

そのような異なりを感じるたびに、花が持っている生命力の強さにハッとする。

生けたときは小さく硬い蕾だらけで、本当に全部咲いてくれるのだろうかという不安を勝手に感じていたのだけれど、

2月が終わりに近づく頃になると、蕾は紅く色づきながら膨らんでいき、3月に入るや否や次から次に艶やかさと可愛らしさを混ぜ合わせたような、素敵な花を咲かせてくれている。

そして、その赤みを帯びた濃い桃色の花が花開する度に、春が家の中にぽわんっと弾け広がるような気がするこの頃だ。

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その日もリビングで小さい春を愛でながら、温かい甘酒で体を目覚めさせていたのだけれど、昨年末に会ったきりになっていた友人から愛犬の動画が送られてきた。

ここ数年会えていないことを残念がっていた私のことを思い出して送ってくれた動画には、寝言を言う姿が収められていた。

時折、ハッキリとした声で鳴くものだから本当は起きているのではないだろうかと思ってしまったけれど、

足をリズミカルに動かしているところを見ると、どこかを駆け回ってはしゃいでいる夢でも見ていたのかもしれない。

ハッキリとした声で鳴く寝言と言えば、赤ちゃんの夜泣きの中にも寝言があると聞く。

生まれて間もないこともあり、寝言を発する方法のひとつが「泣く」であるため、そのような表現方法になることがあるという。

もちろん、寝言ではなく何かしらを知らせたくて泣いていることもあるため、数十秒ほど観察してからの判断にはなるけれど、寝言は本人が一番使い慣れた言葉や方法で発するものなのだろうと思う。

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私は、外国暮らしをはじめて数か月ほど経った頃だっただろうか。

寝言や夢の中での会話が英語になった時期があった。

声にする、しないに関わらず、日本語を極力使わないようにして暮らしていたため、私の日常を占めていたもので寝言を発するようになったのだろう。

ただ私の場合は、もっと英語をマスターしなくてはという妙なプレッシャーが原因だったのか、

マスターできたわけではないのだけれど、生活に慣れたこともあり、のんびりでいいかしらと思い出した辺りから日本語に戻ってしまったような気もしている。

無意識に発する寝言には、様々なことが潜んでいるのだなと感じた日。

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見慣れぬ苗字に出会ったときには。

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先日利用したカフェの隣テーブルから、「今年のエイプリルフールはこれで決まりだね」と聞こえてきた。

楽しみにしていることが伝わってくるような声色だったものだから、つい口元が緩んでしまった。

自分の“つい”に慌てた私は、緩んでしまった口元に気が付かれぬようティーカップを口元に運び、広げていた手帳に視線を落とした。

エイプリルフールの言葉につられて4月までページを捲ると、1日のところには既にエイプリルフールと印字されていた。

エイプリルフールに関しては潔い程に何も浮かんでこなかったけれど、その代わりに、「四月一日」と書く苗字があることを思い出した。

日本の苗字は種類が多いため、中には、どう読んだらいいのだろうかと躊躇するものがある一方で、なんと粋な苗字なのだろうかと思うような苗字まである。

例えば、先ほどの「四月一日」は「わたぬき」と読むのだけれど、これは昔の風習が関係している。

私たちが衣替えを行うタイミングは、初夏に入る6月と初秋に入る10月頃が多いように思うけれど、平安の頃は、4月1日と10月1日に行うことが決まっていたという。

しかも、当時の衣替えと言えば、私たちのように過ぎたシーズンの衣類を片付けて次のシーズン専用の衣類を出すというものとは異なり、

これまで着ていた秋冬用の衣類に使っていた中綿を引き抜いて、春夏用の着物に作り替える作業を行うものだった。

四月一日は、この綿を抜く作業「綿抜き」をする日だったことから、四月一日と書いて「わたぬき」と読むようになったと言われている。

他にも「八月一日」と書いて「ほづみ」と読む苗字があるけれど、こちらは8月1日に稲の新穂を積み始めていたことが由来だという。

他にも、「一」と書き記す苗字があるけれど、数字の1は2の前に位置することから「一」と書いて「にのまえ」と読むことがある。

私は見慣れていなかったため初めてこの苗字に触れたとき「はじめ」さんかしら?と思ってしまったのだけれど、「にのまえ」だと聞き小さな感動を覚えた記憶がある。

「一」と書いて「にのまえ」と呼ぼう、呼んでもらおうと初めに考えた方は、機知に富んだ方だったに違いない。

珍しい名字でありながら、その可愛らしく粋でもある印象から、

小説などの登場人物の苗字や作家名などにも使われることが多い「小鳥遊(たかなし)」という苗字があるけれど、

こちらは、小さな鳥が遊んでいるということは、その小さな鳥を狙う鷹は居ないということから「たかなし」と読むのだそうだ。

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以前、こちらでも苗字、姓のルーツの話題に触れたことがありますが、

自分で好き勝手選ぶことができない苗字にも様々な時代背景や遊び心が含まれています。

春は新しい出会いが多い季節でもあります。

見慣れない苗字と出会う機会がありました際には、想像力をフルに働かせつつ、新しい出会いを楽しんでみてはいかがでしょうか。

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おやゆび姫の世界をマニアックに覗いてみる。

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先日立ち寄った花屋には、花びらの先端がフリンジ状になったチューリップが多数入荷していた。

とても洒落たチューリップなのだけれど、その日はスタンダードタイプを欲していたため、購入しないまま花屋を後にした。

帰り道、せっかくの機会だったのだから、フリンジタイプを冒険すれば良かったと小さな後悔をした。

その日はチューリップが頭から離れず、次こそはと思っていたからだろう。

我ながら、突拍子もないことを思い出すものだなと思うのだけれど、ふと、「おやゆび姫」はチューリップから生まれていたような、そのようなことを思った。

「おやゆび姫」とは、幸せのレシピ集内で時々登場する、童話作家アンデルセンの作品である『おやゆび姫』に登場する少女のことである。

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『おやゆび姫』は子ども目線で読めば一見、壮大な冒険物語のように見えるのですが、登場する動物や花、虫には、あるメッセージが含まれています。

今回は、そのようなお話を少し、と思っております。

ご興味ありましたら、大人の読書気分でお付き合い下さいませ。

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あらすじを簡単におさらいしますと、ある女性が子どもを授かりたいと神様にお祈りし、神様から一粒の種を受け取るところから物語はスタートします。

少し補足させていただくと、物語の冒頭で女性が願いを話した相手、いただいたアイテムですが、

ここは、神様だったり魔女だったり、種だったり麦の粒だったりと幾通りかの表現があるので、各々が子どもの頃に読んだ本によって多少の認識違いがある場面かと思います。

冒頭で登場する女性は、こうして手にしたアイテムを植えるわけですが、この時に芽を出した植物がチューリップで、そのチューリップの花の中から生まれた小さな女の子が「おやゆび姫」です。

この後、親指姫は小さいままではあるものの、健やかに成長していたのですが、

あるとき母ヒキガエルにさらわれて、息子ヒキガエルのお嫁さんにさせられそうになります。

最終的には花の国(/森の国)の王子様と結ばれるおやゆび姫なのですが、

そこに至るまでヒキガエルをはじめとする様々な動物や虫との結婚話が持ち上がります。

心変わりが激しいコガネムシ、裕福だけれども自分が見たことがない世界のことを悪く言うモグラ、おやゆび姫に強い恋心を抱いて手助けしてくれるツバメなど。

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例えばコガネムシ。

コガネムシは物語の中で、おやゆび姫のことを気に入ってさらってきたにも関わらず、

他のコガネムシたちから「その子は可愛くない」「その子はヘンだ」などと言われたら、だんだんとそのような気がしてきて、おやゆび姫を捨ててしまいますよね。

この、周りの声に流されてしまったり、惑わされて自分の意見をころころと変えてしまう様子を、

コガネムシの体に光が反射したときの、体の色が変化と重ね合わせているとも言われています。

もうひとつ、ツバメを見てみましょうか。

ツバメは物語の中で、おやゆび姫に対して恋心を抱いており、おやゆび姫が幸せになるための手助けをしてくれた存在ですが、

ツバメは新しい世界へ人やモノを運んでくれる神秘的な鳥、不思議な鳥、幸せの鳥と言われています。

物語の中でも、地中で暮らしていたおやゆび姫を新しい世界へと運び、花の国(/森の国)の王子様と出会うキッカケの一つになっています。

このように、『おやゆび姫』に登場している人物、動物、花や虫には、何かしらのメッセージが含まれていますので、

そのメッセージから物語全体を覗きなおしてみますと、単なる冒険物語ではなく、モノゴトの見方、見え方、大切なモノゴトなど、人の心理などが含まれていることに気付くこともできます。

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ひとつずつご紹介したいところなのですが話は尽きない為、続きはまた機会がありましたら……ということで、今回はこの辺でお開きとさせていただきますが、

お時間ありましたら、子どものときに触れた『おやゆび姫』にもう一度、大人目線で触れてみてはいかがでしょう。

今だからこそ見える世界、感じられる世界があるのかもしれません。

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旬のレモンを使って、英国伝統の味・レモンカードを楽しんでみませんか。

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レモン果汁を入れた白湯を飲むことを日課にしている。

面倒だとも感じないくらい習慣化してしまうと、体のリアクションが手に取るように感じられて面白い。

レモン白湯を寝起きの体に流し込むと、体がレモン白湯をぐんぐんと吸収していることが分かるのと同時に、人の体はひと晩でこんなにも水分を失っているのかと実感する。

寝起きの体は水分が不足している、ということは様々なところで見聞きするため多くの方が「知っている」と思っていることだけれど、

身を持って得た感覚は想像以上で「本当に蒸発しているのだな」と人体のフシギを感じずにはいられない。

そして、体が疲れている時ほど体が白湯を受け付けないのだ。

そのような状況、状態の日があったとしても、自分で疲れや不摂生を自覚している時はいいのだけれど、無自覚で過ごしていたときにはハッとさせられる。

そして、細胞たちから「普段から頑張っている私たちに優しさを!」と言われているような気になって朝から少し反省をする。

私の場合、反省をすると言っても次の瞬間には、そう思ったことをケロッと忘れてしまうことも多いため、あまり偉そうなことは言えないのだけれど、

一度気が付くことができれば何となく思考が調整されるのか、そのような日は体に良いものを口にしたり、労わる時間を取って体を調整しているように思う。

だから、「気付くこと」や「知ってみること」も無駄ではなく、確かな一歩。

私自身は、そう思っている。

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レモンと言えば先日、スーパーの陳列台の上に積み上げられていたレモンのそばで、国産レモンの旬がもうすぐ終わるという内容のポップを目にした。

国産にするか輸入にするのか、そこに拘らなければレモンは年中手に入るものなので、旬を特別に意識する機会はなかったのだけれど、黄色いレモンは3月頃までが旬なのだそう。

そう知ってしまうと、何だか妙に目の前のレモンが気になってしまい買って帰ることにした。

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幸いも無農薬のものだったこともあり、果汁を絞り終えた後のレモンの皮は、以前触れたゆずジャム風のものをレモンの皮で作っておくことにした。

ザクザクザクと千切りにてハチミツ(お砂糖も可)で合えて5分で完成する、あれである。(※ゆずジャム風のものの詳細は下記の関連記事からどうぞ)

そして、果汁は甘酸っぱいだけでなく、こっくりとした味わいのレモンカードに仕立てることに。

ここ数年、レモンカードの知名度も上がっており瓶詰のものを多数みかけるのだけれど、これは簡単に作ることができるイギリス伝統の味で、

私は、イギリス人の知人たちによってしっかりと仕込まれたこともあり、良いか悪いか分からないけれど買って食べようという衝動がいまひとつ起き難い一品である。

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材料は、レモン1個、卵1個、お砂糖(50~65g)、無塩バター(50g)。

お砂糖と無塩バターは同量くらいを目安にすると良いです。

お砂糖をハチミツに、バターを体に良いオイルに変えて作ることもできます。

使用するレモンですが無農薬であれば、皮は刻んだり摩り下ろすなどして混ぜ込むと、大人好みのレモンカードに。

無農薬でなかったり、農薬の有無が分からないレモンの場合は、果汁のみを使用してノーマルバージョンを作ると良いかと。

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手順は、卵を溶いて数回漉したものに、レモン果汁と、お砂糖、無塩バターを入れて湯煎にかけ、

とろーっとするまで混ぜ合わせたら出来上がりなので、卵を割ってから10分ほどで完成します。

保存は、冷蔵庫で1週間ほど。

用途は、バターやジャムの代わりに使うことができるので、トーストやヨーグルトに合わせたり、水切りヨーグルトに混ぜ込んで、ちょっとしたデザートに仕上げたり。

その他のスイーツ生地に混ぜ込んだり、添えたり、お料理の味付けにも使うこともできます。

お砂糖とバターの量はお好みによって増減できるので、巷に溢れている色々なレシピの中から気になったものを選んで作り、

そこから自分好みの甘酸っぱさ、こっくりとした味わいを調節していくと良いかと思います。

私は、お砂糖をハチミツに変えて作っているのですが、レモンカードを作るとつい食べ過ぎてしまう傾向にあるので、そこを考慮して、

今回目安としてご紹介している一般的な分量よりも更にお砂糖(ハチミツ)とバターの量を控えたバージョンで作ることが多いです。

この時も、お砂糖(ハチミツ)とバターは同量と覚えておくと調節しやすいと思います。

レモンカードは、手順や基本の味を定番レシピで確認したら、

先述のようにお砂糖とバターをよりヘルシーな材料に変えて楽しむこともできる一品ですので、

お嫌いでなければ自家製ジャム、自家製クリームのラインナップに加えてみてはいかがでしょうか。

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一月往ぬる、二月逃げる、三月去るから思ふこと。

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友人から送られてきた画像には、濃いめのピンク色をした早咲きの桜と青空に映える黄色がエネルギッシュな菜の花が収められていた。

しかも、それらが連なって咲いている様子は、春がグイグイと迫ってくるようなインパクトが画像越しからでも感じられ、うわーっと声が出た。

はじめは、美しくも逞しい桜の花と菜の花に視線を奪われていたのだけれど、ふと、空の色もすっかり春のそれに変わっていることに気がつき、

本当に冬が終わったのだな、と暖房をぬくぬくに効かせた部屋で思った。

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この時季に耳にする「一月往ぬる、二月逃げる、三月去る(いちげつ いぬる、にげつ にげる、さんげつ さる)」という言葉がある。

文字から推測できるとおり、「一月は行く、二月は逃げる、そして三月は去っていく」という見たままの意味で、

新年を迎えてからの1月から3月は、あっという間に過ぎ去ってしまう気持ちを表す言葉だ。

普段よりも日数が短い2月が、この感覚に拍車をかけているようにも思うけれど、それを考慮しても実感が変わることは無いように思う。

この言葉を初めて耳にしたときも、「確かにね」と感じた記憶が薄っすらと残っているのだけれど、

今、改めて思い返してみると、当時の感覚は今のそれとは比較対象にもならないくらい緩いものだったようにも思う。

月日が過ぎ去る感覚を表す言葉で真っ先に浮かぶものと言えば、「光陰矢の如し(こういんやのごとし)」もそうである。

「光」は日を、「陰」は月のことを表しているそうで、これが合わさった「光陰」は歳月(年月)や時間を表しており、歳月(年月)が過ぎ去る様を、矢が飛んでいくときの様子に重ねて生まれたと言われている。

これは中国から伝わってきた言葉だけれど他にも、足が速い白馬がビュンッと駆け抜ける様子を壁と壁の隙間から見る、

その一瞬の出来事を時間の流れに重ねた「白駒の隙を、過ぐるが如し(はっくのげきを、すぐるがごとし)」というものも伝わってきている。

白駒は足が速い白馬を意味しており、隙と書いて「げき」と読むこれは物と物の間や隙間を、ここでは壁と壁との間の僅かな隙間や、建物と建物との僅かな隙間を意味している。

後者のことわざは、前者の「光陰矢の如し(こういんやのごとし)」ほど日常の中で使う機会は多くないけれど、

情景を想像してみると、このことわざが伝えようとしている感覚はすんなりと腑に落ちるように思う。

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様々な国の言葉で似たような意味や気持ちを表す言葉が残っているところを見ると、

住んでいる場所や環境、時代がどう変わろうとも人が感じる感覚のひとつということなのだろう。

とは言うものの、心身共に新しい季節に馴染んだ頃には、時間が流れる感覚にも落ち着きが感じられもするのだろうから、慌ただしい時ほど焦らずに、慌ただしいと感じるときほど深呼吸を。

そして、まずは目の前のことから一つずつ、できることから一つずつ。

そのような気持ちで過ごしたいと思うこの頃である。

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