お伽話や神話
書類を準備し封をした。 あとは切手を貼って歩いて1分足らずの所にある 年季の入った、オレンジ色混じりの赤いポストに投函するだけ。 ひと仕事終えた時のような安堵感を感じながら、 切手を収納している引き出しを鼻歌交じりに開けた。 「えぇ~」と静かな…
5月1日は、愛とスズランの日でしたが、いかがお過ごしだったでしょうか。 ワタクシ柊希は、普段と変わらぬ1日を過ごしておりましたが、 変わらぬ日常も、とても愛おしい時間だと感じております。 スズランの日と言えば、以前、スズランのお話をさせていた…
多くの方が、子どもの頃に一度は読んだことがある『千夜一夜物語/アラビアンナイト』には、 魅力的な人物が数多く登場します。 特にアラジン、アリババ、シンドバッドはお馴染みですので、 彼らのストーリーならば名シーンがパッと思い浮かぶ、という方も多…
電車移動をしていたときのこと。 何をするでもなく、飽きもせず、 ただボーっと通路を挟んで乗客の肩越しに流れる景色を見ていた。 どれくらいの時間が経ったのだろうか、びっしと埋まっていた座席に空席が目立つようになった。 そのようなことを思っている…
デスクで使用している大きな書き込み型のカレンダーの月が変わると、 見慣れた風景にほんの少し、新しい風が吹いたような気が致します。 月が変わる度に、「日本くらいだろう。カレンダーに、4月、卯月、Aprilと並べられるのは」と、 飽きもせず思っており…
こちらでは時々、国内外の神話の世界を柊希目線でご紹介させていただいております。 神話の世界を覗くことも楽しいのですが、 今回は神話の世界を通して私たちの身近にある神社仏閣や、 旅行で足を運んだ神社仏閣に祀られている神様の得意技が どのような類…
春の香りに吸い寄せられるかのようにフラワーショップへと足を踏み入れた。 自宅から徒歩圏内にあるそこは、みずみずしい元気なお花の宝庫で、 私のフラワーライフを支えてくれている存在だ。 フラワーショップと言えば、店員に声をかけてお花を取ってもらう…
この時季に咲くお花の中に、 小さいけれど寒さに負けずにイキイキと咲いて見せてくれる水仙があります。 今回は、寒い時期にぽっと春を先取りしたように咲く「水仙」が持つエピソードを 画像と共にご紹介したいと思います。 どうして画像と共になのかと申し…
またですか?と言われてしまいそうなのだけれど、また、用事もないのにふらりと大型書店へ足を踏み入れた。 このような日常をお話すると、物書き業の人はやはり本が好きなのですね、と返されることが多い。 もちろん、そのような方も多々いらっしゃるけれど…
私、イギリスに住むまで、 クリスマスオーナメントのひとつひとつに意味があることを知りませんでした。 可愛らしいオーナメントの中から好きなものを飾りつければいいのよね。 そのように思っていたのです。 自分好みのオーナメントばかりを手に取り、 少し…
もう何年も自分好みのクリスマスツリーを探し続けているのですけれど、 なかなか良い出会いがありません。 ですから、この時期になると我が家の観葉植物たちの中から、 背丈もボリュームもそこそこある2つの鉢植えが 強制的にクリスマスツリーへと変身させ…
ここ数年の私は、どうも秋を掴み損ねているような気がしておりました。 少し涼しくなってきたかしら? そろそろ秋を本格的に満喫しようかしら。 と感じた途端に気温はグッと冷え込み、 気づけば冬に片足を突っ込んでいるような状態。 まるで、チャンスの神様…
開け放っていた窓から少しばかりひんやりとした風が流れ込んできた。 両手で両腕を2、3回擦って席を立ち、キッチンへ向かった。 1分足らずでお湯が沸くアレをセットし茶葉を選ぶ。 ティーポットにお湯を注いでじっくりと黒豆茶の出来上がりを待つ。 和風…
本日は2度目のお月見の日、十三夜(じゅうさんや)ですね。 「十三夜に曇り無し」という言葉があるのですが、 皆さんのお住まいの地域のお天気はいかがでしょうか? 先日の十五夜のお話の中でも少し触れたのですが、 十三夜は栗をお供えすることから「栗名月(…
今日から神無月ですね。 旧暦の10月1日は、お留守番してくださる神様を除いて 日本全国にいらっしゃる八百万の神様たちが 出雲大社で行われている神様会議に出席するために出雲へ向けて出発します。 そして皆さんが出雲に到着するのは10月10日(旧暦)…
気分転換に外の空気を吸おうと散策に出かけた。 こんな所にこんなお店が! こんな所にこんな景色が! この時間に通るこの道は、こんな表情をしているのか! と言った様々な出会いがある。 そして、頭の中に常駐している思考から自然に離れられるのも良い。 …
今夜は中秋の名月(十五夜)ですね。 満月は2日後ではありますが、 お天気がよければ丸いお月様を愛でることができるのではないでしょうか。 先日、「お月見は1回見ただけでは縁起が悪い」 と言われている理由などをご紹介しましたが、 十五夜と言えば「月う…
ぽっかり時間が出来たので、 自分のアクセサリーボックスをリビングへ持ち出してお手入れを始めた。 アクセサリーやジュエリーに限らず見返りを求めずに注いだ愛情は、 様々な形で返ってくるのかもしれない、そのような事を思いながら。 最後の指輪をクロス…
資料の断捨離をしようと古い段ボールの中をガサゴソとしていた時のこと。 段ボールの中には学生時代のノートが紛れ込んでいました。 この類のものというのは、未熟な自分がこれでもかと詰め込まれている、言わば パンドラの箱のようなものなのだということを…
眠い目をこすりながら机上に広げた資料を片っ端から捲る。 この日の机上を占領していたのは翻訳者が異なる万葉集や源氏物語に 学生の頃から愛用している古語辞典だった。 今は何でもインターネットで調べられるのだけれども、 あの薄くて丈夫でしなやかな肌…
ポストを開けて郵便物をまとめて取り出した。 玄関を開けるまでの間に握りしめている郵便物をチラリ覗き見た。 その中に、「少し早いけれど」と書き添えられた友人からの暑中見舞いハガキがあった。 毎年、夏の暑さでグッタリしている私を気にかけて、涼しげ…
今日は七夕ですね。 皆さんのところのお天気はいかがですか? ご存知のとおり、七夕は織姫様と彦星様が天の川を渡り、年に一度だけ逢うことが出来る日です。 子どもの頃、お天気が悪く雨が降ってしまったら2人が逢うことができないのでは? と心配した経験…
先日、久しぶりに小雨がパラパラと降っておりました。 この時期の雨は、どこか柔らかい空気を含んでいて、ほんの少し暖かく感じられる気がいたします。 出かける気にはなれなかったのだけれども、なんとなく雨を感じていたい気分になりました。 私は、温かい…
駅へ向かう道すがら、季節の草花を楽しむことができる場所がある。 お花屋さんでは買うことができない、雑草として扱われることもある草花たちなのだけれども、 密集して咲いている所を目にすると、とても穏やかな気持ちになるのだ。 つい先日までは黄色いタ…
久しぶりに国産の「ししゃも」が食卓にあがった。 少し前に入手していたものだ。 フライパンにクッキングシートを敷き、風になびく鯉のぼりの如くきれいに並べてじっくりと火を通していく。 他にも準備しなくてはいけない事があるというのに、つい、黄金色に…
新しい環境への旅立ちを控えている方、旅立つ誰か、を見送る立場の方、 自分自身の人生の新た1ページを捲ることを決心した方、 どちらでもないけれど春の匂いに触れることで、自分が新しい一歩を踏み出した時のことを様々な角度や立場から思い返される方、…
その日はベッドへ潜り込んでからもしばらくの間、 神経がぴりぴりと静かに波打っているようだった。 ベッドサイドに置いてあった古事記(現代訳バージョン)に手を伸ばす。 ぱっと適当に開いたページにあった話を読んで眠ることにしたのだけれど 何度読んでも…
その日の私は必要に迫られて 世界中の伝承、伝説、神話本を資料として読み込んでいた。 読んでいる最中は、 ただただ面白くて本来の目的を忘れて活字を目で追った。 このような世界に触れる際に面白いのは、 各国に似たような話があるということ。 伝承など…
「パンドラの箱を開けてしっまた」というような文章を、皆さんも何処かしらで目にしたり、耳にしたりしたことがあるのではないでしょうか。 意味としては、大小を問わず何か問題を引き起こしてしまい、それらを抱えた状態を表現しているのですが、この「パン…
皆さんは「白雪姫」をご存知ですか? 一般的にはディズニー映画の白雪姫のイメージが 定着しているように思いますが、 白雪姫に限らずグリム童話の原作どおりではない事もしばしば。 今回は子供には読ませられない大人の世界、 本当の「白雪姫」をご紹介した…