やってみよう
初めて耳にしたときには大げさにも感じられた、「自分の命を守るための水分補給を、行動を。」というフレーズも、すっかり過去のものになった。 「本当に秋はやってくるのだろうか」 そう本気で感じていたことも、いつの間にか過去の出来事である。 そして、…
キッチンの床を冷たいと感じる季節になった。 はーっと息を吐いてみたけれど、吐く息が白くなるのは、もう少しだけ先のようだ。 キッチンを出来るだけシンプルに保ちたくて撤去したキッチンマットだけれど、 これからの時季は決まって、再投入に気持ちが揺ら…
街中を闊歩しいていると、クリスマスケーキの広告を押し退けるようにして貼られた、煌びやかな、おせち料理の広告が目に入った。 その仲に、縁起物でもある、鯛の塩焼きの画像があったのだけれども、 そう言えば、最近、「鯛の鯛」を目にしていないことに気…
ドラッグストアで買い物をした。 レジ横のポップには、“現代人は栄養不足です”とあった。 ここ最近、この文言を、割とよく目にするような気がしている。 何となく目にした程度であるびも関わらず、この文言が記憶に残っているのは、 カロリー摂取と栄養摂取…
外から室内へ流れ込んでくる風が心地良い季節は、本当にありがたい。 年中、ハードワークを強いられている我が家のエアコンたちも、 そのお役目を自然の風に託し、束の間の休息を取っている。 開け放している窓からは様々な音が入ってくる。 そのほとんどが…
その日は、探し物をしており、古の書道家の作品に目を通していた。 私の記憶が曖昧だったこともあり、思うように探し物に辿り着けず日を改めようかと思ったとき、ふと、先人たちの筆跡鑑定でも……と思ってしまった。 鑑定と呼べるほどの知識は持ち合わせてい…
待ち合わせの場所へ向かっていると、オレンジ色のスタッフジャンパーを羽織った女性にチラシを差し出された。 勝手に、受け取らなくて申し訳ないという意味を込めたお辞儀をして通り過ぎたのだけれども、女性の方が一枚上手だった。 再び私の前へと周り込み…
その日は、どうしてもプロの腕に頼らなくてはいけない衣類を手に、クリーニング店へと向かった。 季節の変わり目だからだろう。 夏物のお手入れをお願いしに来た人や、これから活躍する秋冬物のお手入れの人で店内は混んでいた。 それならばと、一度店を出て…
自分の体質のことは自分が一番よく知っていると思っていた時期があった。 しかし、巷でカラダに良い、美容に良いと言われているものにも、 合う、合わない、効果がある、ないものがあった。 理論上はもっと効果を感じられるはずなのに、そうはならない現状に…
今年は、蚊取り線香の出番がない。 夏前に、ポーチに入れておくために購入した、小さな虫刺され薬も未だ出番なしである。 暑さに弱いらしい蚊に刺されることなく、過ごすことができるのは嬉しいけれど、 秋風が心地よくなってきた頃に、体力を温存していた蚊…
暑すぎるのだろう、またエアコンの室外機が「休憩させてくれ」と言うかのような、鈍い音を立てて一時停止した。 最近、室外機に備わっている自動制御機能の存在を知り、 しばらく休ませれば勝手に立ち上がることも知ったのだけれども、 さすがに、この異常な…
夏の日差しは、色々なものを分け隔てなくよく照らす。 おかげさまで、窓ガラスに付着した汚れが目を半分閉じていても見えてしまう。 お掃除したそばから汚れていくのは仕方がないことなのだけれども、 1日でも長く、そのクリアな状態を保ちたいと願わずには…
我が家の冷蔵庫には高い確率でブロッコリーが入っている。 あの形、無駄に場所をとってしまうところが玉に瑕だけれど、幅広いメニューに使うことができて、あの栄養価。 ついつい頼ってしまうのだ。 外国セレブもはまっている〇〇食材という触れ込みで、 様…
日本語は難しいけれど面白い、そう言ったのは、イギリス北部で暮らしている知人だ。 大らかな性格と、少々聞き取りにくいと感じる訛りが、愛らしい。 外国人観光客と接する機会がある仕事をしているため、 簡単な意思疎通くらいは各国の言葉で交わすことがで…
梅雨入りし始めていることもあり、お気に入りのレインブーツの出番が増えてきた、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。 私も、愛用しているレインブーツを取り出しやすい位置に置き換えたところです。 季節を問わず雨の日に重宝するレインブーツで…
真っ白な空から落ちてくる、押し寄せる夏に待ったをかけるような雨を眺めながら、 今年の、少し生ぬるい梅雨の匂いを吸い込んだ。 テーブルの上で震えたスマートフォンを覘くと、 遠方に住む友人が、「そろそろ送ってもいい頃かと思って」というメッセージと…
愛飲していた紅茶葉が底をついた。 他にも常備している茶葉はあるのだけれど、買ってくるまでは、その紅茶を飲むことはできないと意識した途端、 その紅茶を無性に飲みたくなる、あの心理は何だろうか。 ないものねだりにも近い感情に脳内をかき回され、やれ…
色鉛筆やカラーペン、パステルを取り出して、ひと通りのお手入れを施した。 やはり、あるべき姿を取り戻した道具は、背筋がスッと伸びるような空気を醸し出す。 それらを所定の位置へ片付けていると、随分と前に購入したままになっていたスクラッチアートブ…
肉厚でぷりっとしたお姿がたまらない鮭を、じっくりと焼き上げた。 皮まで美味しく食べられるように、皮目はひと手間をかけてパリッと仕上げた。 何気ない焼き魚も、丁寧な気持ちで調理をすると、 心なしか、時間に追われるようにして焼いたそれと比べると、…
久しぶりに、ふわトロッとした厚焼き玉子で作られた玉子サンドを口にした。 その安定した美味しさと共に至福の時を味わった。 日本では、安全性が高い卵をリーズナブルな価格で購入することができるため、 海外と比べると卵料理のメニューが非常に豊富だ。 …
ふらりと立ち寄った和雑貨店の一角に、ひと足早い線香花火が置いてあった。 木箱に入れられているそれを手に取ると、 火薬が浴衣の柄のようなシックな和紙に包まれた花火がお行儀よく納まっていた。 毎年限定数で取り扱っている線香花火で、入荷すると3、4…
ライフスタイルが不規則な私は、寝る時間も起きる時間も日々バラバラである。 慣れてしまえばバラバラであることが、一種の規則のようなものでもあり、 そこに不満や不便といったものを感じたことはないのだけれど、 ひとつだけ、困っていることがあるのだ。…
その日は、夏日と言ってもおかしくないくらいにエネルギッシュな1日だった。 駅のホームではスーツ姿の方々が、ハンカチやタオルで汗を拭う姿が印象的で、 既に夏の装いに近い方も大勢いらしたように思う。 昨年、数年前から地味に広がりつつある「ペットボ…
先日、出先で旬のお刺身をいただく機会があったのですが、 お刺身に負けないくらいの瑞々しさを解き放っている黄色い小菊が2輪も添えてあり、 嬉しくなった柊希でございます。 お刺身に添えられている小さくて可愛らしい菊、 安全なものだということも、食…
考え事をしながら、詰め替え用の液体漂白剤をボトルに移し替えていたときのこと。 まるで、上の空である手元に注意を促すことを求めるかのように、 ボトルの底がつるりと滑り、行き先口を失った液体漂白剤がパックの口から排水溝へと流れていった。 もっと注…
早くも「冷やし中華、あります」の文字を目にした。 季節を楽しむことに長けており、季節を先取りすることが粋だとされてきた日本人の心は、 DNAレベルで組み込まれているに違いない。 そう思う瞬間のひとつである「冷やし中華、あります」「冷やし中華、…
バッグの中身を取り出していると、内ポケットからテーピング用のテープが出てきた。 こんなところにあったのかと思いながら、 メモ帳の裏表紙にペタッとくっついた状態のそれを丁寧に剥がし取った。 先日、シューフィッターの方から偏平足のことを教えていた…
愛用しているボールペンのインクが切れ、替え芯を求めて売り場を目指した。 いつもの買い置きの量では、そう長くはもたないことが分かり、 今回は、いつもよりも多い量の替え芯を購入することにした。 深い青色をしたそれを手に取り本数を数える。 10本も…
「そら」が好きなこともあり、ただただ空を見上げているだけという時間がある。 それでも冬は、防寒をしていても、早々に切り上げて暖かい室内へと戻ることが多かった。 しかし、寒さが和らいでくると、星空を見上げる機会や時間は自然と増えてゆく。 それな…
ここ数か月間の日課だった「エアコンのスイッチを押すこと」から、いつの間にか解放されていた。 ブラインドを開けて室内に取り込む朝陽も随分と暖かみを帯び、 昨日よりもまた少し、春が増したように思う。 コーヒーメーカーに、豆やフィルター、水をセット…