オトナの知識
冬の済んだ空気の中、クリスマスイルミネーションが夜の街を彩っている。 放たれている灯りには、若干の、自分の心模様が反映されるようにも思うけれど、冬ならではの華やかさは、やはり今年もキレイだと思った。 この時季の日本では、光のページェントとい…
友人から、「アロマオイル(精油)って食用に使ってもいいの?」と尋ねられたのです。 使えないけれど、どうして?と尋ね返すと、 最近、アロマオイル(精油・エッセンシャルオイル)を飲み物やお料理に少量加えている方の書き込みをSNS上で目にすることがあ…
パソコンやスマートフォンの文字変換機能と連動している学習機能に惑わされることがある。 知っているはずの言葉なのだけれど、同音の言葉をご丁寧にいくつも並べられると、ふと、どれだったかしら?と思ってしまうのである。 このような場合の多くは、一番…
遠方に住む友人が出張で近くまで来ているというので、仕事終わりから新幹線に乗り込むまでの1時間、会うことにした。 いつも慌ただしいのだけれど、「またゆっくりと時間があるときに」などと言っていたら、いつまでも会えぬままだろうから、こうして連絡を…
今年は、昨年よりも少しだけ早く、我が家のガジュマルの木をクリスマス仕様にデコレートした。 しかし、何かが足りていないような気がして何度かリビングを見渡して気が付いた。 サンタクロースが出ていないではないか!と。 我が家には本格的なクリスマスツ…
先月いただいたお手紙の結びに、「10月吉日」という文字があった。 お作法は面倒だと感じたり、迷信のようなものでしょと気に留めずに過ごすことも悪いことではないし、ダメなことでもないのだけれど、 さりげなく、このような文字を添えることができたり…
郵便受けから郵便物を取り出して自宅へ入った。 鍵を所定の位置に片付けながら視線を郵便物に落とすと、ミルクチョコレートのような色をした温かみを感じる封筒に目が留まった。 他とは異なる雰囲気のそれを引き抜いて、送り主を確認しようと裏返すと、封蝋…
先日、あるショッピングサイトからメールが届いた。 知らぬ間に貯まっていたらしいポイントの有効期限切れが迫っているため、 この機会に、何かしらの品物に交換してはどうかというメールだった。 取り立てて言うほど貯まってはいないだろうと思いつつも、メ…
リビングで存在感を解き放っているのは、かれこれ10年近いお付き合いになるガジュマルの木だ。 日当たりの良い場所に置いているのだけれど、植物にとってお日様の力は私たちが思う以上に絶大なようで、 窓へ向かって枝を流線形に伸ばし続けている。 向きを…
秋の新蕎麦は春から初夏に出るそれよりも香り高いと言われている。 私は、お蕎麦の香りを聞き分けられるほど詳しくはないのだけれど、 それでも、そのような話を耳にすれば、この時季に出る新蕎麦を口にすると、普段のそれよりも、確かに香り高いような気分…
先日、輸入調味料を扱う店内で天然塩の味見をすすめられた。 一度はお断りしたのだけれど、良い意味で押しが強い店員にすすめられるがまま、2種類ほど味見した。 あまり心を揺さぶられるような味ではなかったため、 他のお客が足を止めて、店員の説明を聞き…
街中を闊歩しいていると、クリスマスケーキの広告を押し退けるようにして貼られた、煌びやかな、おせち料理の広告が目に入った。 その仲に、縁起物でもある、鯛の塩焼きの画像があったのだけれども、 そう言えば、最近、「鯛の鯛」を目にしていないことに気…
飛び込みで入った飲食店で、出していただいたお茶を口に運びながらひと息ついていると、 通路を挟んで斜め前方のテーブルに座っている方の手元に目が留まった。 嫌な予感が脳内に登った瞬間、ガシャンという音と一緒に、 お味噌汁が入っていたであろうお椀が…
予定が、思っていたよりも随分と早く片付いたため、その時間を使って茶器を見に行くことにした。 近年、急須でお茶(緑茶)を淹れて飲む方が減っていると、様々な場所で耳にする。 夏は暑いからちょっと……といった季節に限ったことではなく、「お茶(緑茶)はペ…
先日、秋色に触れたくなり通りがけにコスメカウンターをのぞいた。 肌が弱い私は、直接肌に乗せることができる成分と乗せられない成分が、ある程度決まっているため、「新商品」「一目ぼれ」といった理由で商品に飛びつくことはない。 本当は、そのような感…
外国で暮らす友人から、「我が家で使っている歯ブラシ」というタイトルのもと、竹製の歯ブラシ画像が送られてきた。 歯ブラシの柄の部分は、アイスクリームを買ったときに付いてくることがある、 木製の平べったいスプーンのような板であり、 その薄い板の先…
飲食店で時々、「おあいそ」と耳にすることがある。 先日も、偶然にその言葉を耳が拾い、ヒヨッコ社会人だった頃の遠い記憶が薄っすらと蘇った。 そのお店に馴染んでいるような、経験豊富そうな、 ツウであるように聞こえる「おあいそ」という言葉を発した同…
スマートフォンの予測変換機能と学習機能、 そして、微細な指先の動きを素早く感知する機能の併せ技に先手を打たれた私はその日、 数え切れぬほど、バックスペースキーの上に指先を乗せた。 気が利くことは悪いことではないのだけれど、利きすぎるというのも…
今年の夏は、いつになく冷たいものに手が伸びる。 しかも、気分はシャーベット。 冷えたそばから熱を帯びていく体の変化に、生きているのだと感じたりもして。 熱帯夜の窪みに落ちたような、暑さが少しだけ和らいだその夜は、冷凍庫からハーゲンダッツを取り…
食事会に出席していたときのこと。 大皿にこんもりと盛り付けられた鶏の唐揚げが、隣のテーブルに運ばれてきた。 それを見た女性が「鶏の唐揚げ、大好き」と素敵な笑顔で言った。 その天真爛漫な笑顔とシチュエーションが、以前同じ仕事に携わっていた後輩の…
今年は、蚊取り線香の出番がない。 夏前に、ポーチに入れておくために購入した、小さな虫刺され薬も未だ出番なしである。 暑さに弱いらしい蚊に刺されることなく、過ごすことができるのは嬉しいけれど、 秋風が心地よくなってきた頃に、体力を温存していた蚊…
お土産でいただいた佃煮の封を、キッチンバサミでススーッと切った。 中からは砂糖と醤油が煮詰められた甘辛い、いかにもご飯がすすみそうな香りが広がった。 佃煮に丁度良い器を取り出し、盛り付ける。 夕食まで待ちきれず、キッチンでの摘まみ食い。 思っ…
探し物があったことを思い出し、通り過ぎようとしていた書店へと踵を返した。 お目当てのものは無いと分かり、本もネットで買うことが多くなってきたなと思った。 重い本を自宅の玄関先まで届けてもらえるのだから、便利でありがたいのだけれど、 時代の流れ…
けたたましく鳴く蝉の声で目が覚めた。 耳から脳へと突き抜けていくような、目覚ましアラーム以上の破壊力に、若干の目覚めの悪さを感じたのだけれど、 目覚ましアラームが鳴る5分ほど前だったこともあり、 許容範囲かなと、寝起き直後の頭と体を納得させて…
先日、家族構成や仕事といった様々な状況によって、生活のリズムも人それぞれで大きく異なるという話になった。 わりとすぐに会うことができる距離にいる友人とは、全く時間が合わなくなり、最後に会ってからそろそろ1年が過ぎようとしている。 お互いに、…
随分と夜明け時刻が早くなったと感じるこの頃。 暦の上では夏至を過ぎ、本来ならば夜明け時刻が遅くなっているはずなのだけれども、 私の体感センサーは、あっという間に過ぎ去る夜にフォーカスしてしまうようだ。 毎度、平安の時代に意識が飛んでしまうけれ…
先日、ご祝儀袋の予備を購入したこともあり、 今回は、水引に使われている紙縒りの本数に込められている意味を覘いてみませんか。 少しばかりマニアックな視点ではありますが、 お作法をルールとして確認したり、知識ボックスに詰め込んだりするのではなく、…
初めて入ったそこは、全席が半個室のような作りになっており、店内が迷路のように入り組んでいた。 席へと案内されながら、これは、お化粧室から出たら自分の席がどこなのか分からなくなるパターンだ、と思った。 プライバシーが守られはするのだけれど天井…
先日、知人とのやり取りの中で、ダイエットサプリメントに関する話題があがった。 どこどこのあれが効く、効くらしい、といった類の話ではなく、 ダイエットサプリメントと一口に言っても、国内外でその傾向は異なるという話だ。 これだけ、流通システムが発…
収納庫の中に、置き場所が決まっていないものを入れておく仮保存ボックスがある。 先日の、夏越の大祓ついでに久しぶりに、その箱の中を覘いてみた。 プチプチに包まれた小さなそれを手にとり、中身を確認した。 それは繊細な木彫りで作られた一対の麒麟の置…