幸せのレシピ集

cawaiiとみんなでつくる幸せのレシピ集。皆様の毎日に幸せや歓びや感動が溢れますように。

些細な事が時間にも心にも余裕を生む

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少し時間ができたのでお気に入りの作品に手を伸ばした。
何年も何度も触れている作品にまたパラパラと目を通す。
いつも同じシーンで目頭が熱くなり、
胸の奥をキュッとつかまれる自分に
「ああ、私のツボはやっぱりここなのか」と突っ込んだり、
「だって何度触れてもいいシーンなんだもの」と噛みしめ直したり、
そんな至福のひとときを味わっていた。

その中にいつもより、響いたやり取りがあった。

楓 :「今日のお代を支払いたいのだけれど、おいくらでしょうか?」
老婆:「そうだねぇ。楓ちゃんはお料理が得意なんだってね。
じゃぁ、何か作ってもらうとしようかな。」
楓 :「そんなものでいいんですか?」
老婆:「心を込めて作る料理のどこがそんな物なの。」

世の中の仕組みとして存在している数々の事柄がある。
それはそれで大切で必要なものだ。
だけれども、それと同じくらい(いや、私の中ではそれ以上に大切な)
目には見えないけれど、確かに存在する大切な“こころ”がある。
それを改めて感じさせられたワンシーン。

私のこころの奥がぽっと暖かくなり、
その後、ほんの少しザワついた。

忙しさに飲み込まれて
慌ただしく料理をすることがある。
誰に何を言われたわけではないのだけれど、
最近そのような日が重なったこともあって
自分の中の何かが、そのシーンに反応したのだろう。
頭の片隅では色々と思っているのだけれど、いつ何時も完ぺきではいられない。
自分のキャパシティも性格も重々承知しているので
今は完ぺきで居よう、居なければ、という無理はしないようになった。
だけれども、ここ数日間の自分を振り返って、
「あ、こころ、もう少し入れておきたかったかも」そう思ったのだ。

お料理に限らず、誰にでもできることがある。
それは、こころを込めることだったり
感謝する気持ちだったり。

特別なことではないけれどシンプルであるがゆえに、
無意識に当たり前になってしまって
時々、おざなりになることもある。

ご飯を作るときの魔法の言葉、魔法の調味料。
「おいしくなあれ」
あの魔法は、侮れないぞ。
今更ながら真面目にそう思うのです。

思い立ったが吉日です。
そう思ったあの日から、心の中で囁くわたくし。
「おいしくなぁれ」
そう感じたあの日から、心の中で囁くわたくし。
「洗濯物、きれいになぁれ」
実際の出来栄えは二の次として、
「(私、何をやってるんだ)」と一人で失笑しつつ、
そんな呪文がちょっぴり楽しい日々。

些細な事で、
ほんの少しの余裕は生まれるのだと、改めて感じられた瞬間。
時間という概念で見てみれば
それ程大きな余裕は生まれていないのかもしれないけれど
心にほんの少し余裕ができると
不思議と時間にもゆとりができたように感じられるのだから不思議です。

みなさんも一緒にいかがですか?
心を込めて「おいしくなぁれ」。