ある日、3人で久しぶりの再会を楽しんだ。
まだ日も沈まぬうちから美味しいお酒を味わいつつお喋りができる至福のひととき。
数年ぶりだとは思えない自然さで、いつものやり取りが始まった。
みんな、変わらない。
それぞれが、ここ数年の忙しい時期を乗り越えて成長したのだろうけれど久しぶりに顔を合わせれば時間はあっという間に巻き戻る。
その日はお店が混んでおり、一息ついたタイミングで店員に退席を促された。
混んでいるのだから仕方がない。
私たちは速やかに一件目のお店を後にした。
少々リズムを崩された私たちは、出張で出て来ていた彼女の新幹線の時間を気にしつつ
酔い冷ましも兼ねてお茶をすることにした。
女性の別腹、あれは何なのだろう。
あの別腹は、いつから何歳から存在しているのだろう。
つい先ほどまでお酒を楽しんでいたというのに、「せっかくだから」そんな言い訳も手伝ってか、数分後にはお茶とケーキだ。
男性でいうところの“飲んだ後のラーメン”といったところだろうか。
私たちはお酒をお茶に持ち替えてお喋りを続けた。
その時、海外旅行の話になった。
英語圏以外の国へ行った時、その国の言葉を使うか、使わないかという話。
ひとりは、英語のみで押し切り我が道をゆくのだと。
ひとりは、自分の意思を相手に伝えたいシチュエーションを想定し、その国で必要になるであろう言葉を覚えておき、その国の言葉を使うそうだ。
例えば、レストランで欲しいものを注文したり、タクシーなどで行先を伝えるなど、とても実用的だった。
私は、反射的に英語が先に浮かんでしまうので、英語から、その国の言葉に変換する作業を脳内で行って、必要であればその国の言葉を使うようにする、というもの。
見事なまでに三者三様だったのだ。
その流れで、自分では“当たり前、常識だ”と思っていた事が、そうでも無いのだと気づかされる事があるという話題になった。
色々な目線があるよね、と。
長年の付き合いのベースがあり、性格を知り合っている間柄でも、思考回路やその時々の選択の仕方は様々だし、まだまだ相手の知らない事が山ほどあるのだろう。
だからこそ面白いのだけれども、自分に余裕がないと内容によってはイラッとしてしまうこともある。
そんな結論に3人で大きく頷きあった。
色々な視点を面白いと笑い飛ばすには、「しっかり食べて、しっかり寝よう。やっぱり身も心も元気でなくちゃね」という話でまとまった。
次に3人で会えるのは1年後か、2年後か。
何処で会えるのかさえも予想不可能だけれども、きっと会えばこうやって、その年齢で感じていることを言い合うのだろう。
この日の最後は、また明日会うかのような軽い挨拶で「またね」と別れ、それぞれ自分の日常へ戻った。
きっと色々ある。
それでも、それぞれの日常に一つでも多くのスマイルがあるといいなと思う。
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