幸せのレシピ集

cawaiiとみんなでつくる幸せのレシピ集。皆様の毎日に幸せや歓びや感動が溢れますように。

日常の中に、言葉遊びを。女性だけが使うことができる「かしこ」を使ってみませんか?

f:id:hiiragi1111:20160203160630j:plain

 

通信システムの発達に伴って直筆のお手紙を出す機会もグンと減ったように思う。

気持ちを届ける手段の多くが送信キーで済んでしまう時代。

最近ではパソコンの変換キーを叩くだけでズラリと漢字が出てくるものだから

手書きをする時に、簡単な漢字であるはずなのに、

この文字で正しかったかしら?なんて思うことも多い。

読むことはできるのに書けない自分に少々焦ったりもしつつ、

その漢字を確認する時もやはり、PCや携帯で調べてしまったりする。

便利で素敵な時代だけれども、ちょっぴり寂しくも感じる。

 

f:id:hiiragi1111:20160203160001j:plain

 

それでも時々、直筆のお手紙や葉書き、カードを出す機会がある。

お手紙をしたためながら、

前略で始まったら、結びの言葉には早々を。

拝啓で始めたのなら、結びの言葉には敬具を。

このような手紙の書きだしと結びの言葉も、

いつの日か直筆のお手紙たちと一緒に消えてしまうのだろうか、

そのようなことを思いながら、目の前の便箋に締めの言葉を添えるのだ。

 

結びの言葉に「かしこ」というものがある。

私はこの「かしこ」という言葉が好きなのです。

理由は女性だけが使う事ができる言葉だから。

 

昔は男性が手紙の最後に使っていた結びの言葉に「恐惶謹言」というものがあった。

意味は「かしこまって、申し上げます」というもの。

ただ、私の勝手なイメージだけれども、

この文字羅列は男らしさというよりは、堅苦しくて威圧感たっぷりで

なんだか好きになれない。

例え、これが謙譲語で相手を敬っていると言われても、だ。

一方、「恐惶謹言」を女性が使う場合は、同じ意味を持つ「かしこ」を使う。

とても柔らかくて響きもいい。

これもまた、私の勝手なイメージなのだけれども、そう感じる。

 

「かしこ」は、形式にとらわれた堅苦しい表現ではないのだけれど、

相手を大切に思っている気遣いや礼儀はしっかりと含まれている言葉だ。

女性ならではの柔らかさや、しなやかさが感じられる素敵な言葉。

今は、女性が目上の方に出すお手紙の結びの言葉として

「かしこ」を使うのが一般的であるようだけれども

目上の方にお手紙を出す機会もそう多くはない私は、

「かしこ」使いたさに同世代の友人へも、時々使ったりする。

 

例えば「親しき仲にも礼儀あり」のようなシチュエーションの時。

気心知れた間柄なので、

お互いのやり取りは普段と変わらないのだけれども

メールの結びにひと言「かしこ」と添える。

そうすると友人からの返信に「あなかしこ」と添えられていたりするのだ。

※「かしこ」よりも丁寧なバージョンが「あなかしこ」です。

そんな言葉遊びも楽しいコミュニケーションのひとつ。

 

「かしこ」は一般的に、

「拝啓」の結びの言葉として使われる事が多いようだけれども、

どのような始めの言葉と組み合わせてもいいし、

拝啓や、前略といった始めの言葉が無くても使うことができる、

とても自由な言葉。

 

ご主人や恋人へのメールやラインなどの結びの言葉に、

女性同士のやり取りの結びの言葉に、

本来の使い方や意味を知ったうえで、

茶目っ気もプラスして、ちょっとした言葉遊びをいかがですか。

 

まだまだ寒い日が続いております。

皆さん、くれぐれもご自愛くださいね。

かしこ

 

画像出典:https://jp.pinterest.com/