ショッピングモールの中にある映画館ゾーン付近を通ったら
ポップコーンの、ちょっぴり塩気を含んだ香ばしい香りがした。
どうしてだろうか?
特段、ポップコーンを食べたかったわけではないのに、
その時の私はポップコーンを食べたくてたまらなくなった。
つい先日は、活きの良い魚を扱っている(らしい)魚屋さんの前を通ると
店先で肉厚の鰻を炭火で調理していた。
その辺り中に広がる甘じょっぱい鰻のたれと鰻の香ばしい香りに
「(今夜は鰻もいいな)」と思ったことを思い出した。
非日常的空間で臭覚を刺激されると、
人はいとも簡単に心をもっていかれるようだ。
いや、人という括りは少々大げさだ。
この場は、少なくともここ最近の私は、ということにしておこう。
この様に心を持っていかれた場合は、
泣きじゃくる子どもの意識を大きく逸らすと
ピタッと泣き止むことがあるように
自分の意識を、あのポップコーンから逸らせばいいのだ。
いくつかの要件を順々に片づけて回っているうちに
私の意識はポップコーンから、きれいさっぱり遠ざかっていた。
何かに執着してしまいそうになったのなら、
一度自分の意識を逸らすと、いつもの自分に戻れるのだなと思いつつ
スーパーのごま油の場所を目指していた時、映画終わりだろうか。
ポップコーンを片手に持った5、6人の学生たちとすれ違う。
もう、潔く認める事にした。
私はポップコーンを食べたいのだと。
ごま油の次はポップコーン用の小粒の固いトウモロコシをかごに入れる。
ポップコーンに使われているトウモロコシは、爆裂種という種類のもの。
スイートコーンではポップコーンは出来ないのでご注意あれ。
そして、私はまだ未体験だけれども
マッシュルームタイプのというポップコーン豆があるらしいのだ。
袋越しではあまり違いが分からないのだけれども、
マッシュルームタイプのポップコーン豆を使うと
丸いポップコーンができるらしいのだ。
自宅に戻ると朝からリビングに出しっぱなしにしてあったパソコンの電源を入れ
キッチンへ向かう。
大きな蓋つきのフライパンに
少量のトウモロコシとバターを入れて蓋をし火にかける。
1分もすれば、トウモロコシがパチパチパチッと音を立てて弾けだす。
火を止めてスタンバイさせていた牡蠣醤油瓶をギュッとにぎりしめる。
悔いなく弾け切ったであろう乾燥トウモロコシを蓋越しに確認して
蓋を開けるとバターのいい香りがキッチンに広がった。
そこに手早く少量の牡蠣醤油を香りと風味付けにからめる。
お皿に盛り付ける前に、熱々をつまみ食い。
なんて幸せな時間なのだろう。
ココナッツオイルとハチミツの甘い組み合わせもいいし、
シンプルにお塩のみというのもいい。
お塩とブラックペッパーに少量のガーリックパウダーで香りを足して
お酒と一緒に楽しみながら、自宅で映画鑑賞をするのも楽しい。
たかがポップコーン、されどポップコーン。
自宅で作るポップコーンには弾けだしそうな
「あれもいいな」「これもいいな」が詰まっているようだ。
皆さんもポップコーンいかがですか?
あなたも食べたくな~る、食べたくな~る、食べたくな~れ。
ポップコーンのお話でした。
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