私の好きな写真集の中に「MINIATURE LIFE」という一冊がある。
これは、WEBサイトやパンフレット等を手掛ける
クラウド社のアートディレクター・デザイナー田中達也さんの著書。
今回の「幸せのレシピ集の中で巡る小さな美術館」は、田中達也さんの世界をご案内します。
私は子どもの頃、
自宅の庭にある大きな欅の木の下で寝転がるのが好きでした。
地面に広がる芝生の少しチクチクした感触を背中で感じ、
芝の青い匂いを胸に吸い込みながら欅の木を眺めるのです。
自分がとても小さくなったような感覚が心地よくて少し不思議で
時々、私の顔を舐めにやってくる愛犬さえも少し大きく感じられました。
大人になると、
そのような時間は無くなるけれど、
あの時の感覚は今の私から消える事はないようで。
観葉植物を下から覗き込んだりすると、同じような感覚になるのです。
そして、時々思うのです。
自分が小さくなったら(子供という意味ではなく、
ありえないくらい小さなサイズになったとしたら)、
これはどんな風に見えるのだろう、とか
この景色は、どんな見え方をするのだろう、などと。
そのような時に出会ったのが彼の作品でした。
彼はこのようなことを言っています。
『誰しも一度は思ったことがあるはずです。ブロッコリーやパセリが森に見えたり、水面に浮かぶ木の葉が小舟に見えると。小人の視点で日常の物事を考えると、いろいろと面白いことを考えつきます。』
想像力は私たちに色々なエネルギーを運んできてくれます。
今日は『幸せのレシピ集の中の小さな美術館』で
自分が小人になったなら……、
そのような気持ちで、飲み物片手に、一緒に作品を楽しんでみませんか?
肉まんはテント、
遠くに見えるパセリは、この空間では立派な木です。
ゆでたまごを食べようとして、
こんな風に小人たちが工事をしていたら、
この先が気になって仕方ないですよね。
彼の作品は写真集の中だけではなく、
『ミニチュアカレンダー』として
誰でも、いつでも、彼のホームページやSNSで楽しむことができます。
日めくりカレンダーのように毎日ひとつ、彼の作品が更新されます。
面白い発想に触れることができたり、
自分の中にもあった同じイメージを
彼が作品として視覚化してくれていたり、
そんな事があったら笑ってしまうね、
というようなシチュエーションがあったり、
リラックスした気分で楽しむことができます。
日常の中に、ちょっとしたユーモアを。
今回はクラウド社の
アートディレクター・デザイナー田中達也さんの世界をご紹介しました。
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