暖かくなってくるとスーパーにも春野菜がたくさん並び始めますね。
我が家にもお願いしていた山菜が届きました。
ダンボール箱を開けると、みずみずしさと力強い生命力を含んだ青い香りが、ふわっと鼻に届きました。
薬膳の考え方では、冬の間は、人間も冬眠をしている動物たちと同じように新陳代謝が落ちて、脂肪、毒素、老廃物などを体内に溜め込んでいるといいます。
そして、春は気温が上がり暖かくなる季節です。
新陳代謝も上がり、肝臓の働きも活性化されて、私たち人間の体も動物や植物たちと同じように目覚めるのだそう。
体が目覚めると、冬の間に体内に溜め込んだ脂肪、毒素、老廃物などを排出し、春に対応できる体へと変化するようになっているのです。
皆さんは、「春には苦みを盛れ」という言葉を聞いたことはありませんか?
これは、春に山菜や春野菜を食べることをすすめている言葉なのです。
どうして、このような言葉があるのかと言いますと、冬仕様の体から春仕様の体へと、
スムースに移行させるスイッチの役割を果たしている食べ物が山菜です。
冬眠から目覚めたクマも、まず最初にフキノトウを口にして体を目覚めさせるのだとか。
山菜の苦味や辛味が冬の間に縮こまってしまっていた体に刺激を与えて、体の春スイッチをオンにします。
そして、たくさん出てくる春野菜を食べることで、冬の間に体内に溜め込んだ脂肪、毒素、老廃物を排出させます。
これらの不要なものが体の外へ出されると、春先の疲れも一緒に取り除かれて、やがて訪れる暑い夏を元気に乗り切る体づくりにもなるのです。
春野菜に含まれている主な栄養成分に共通するはたらきには、抗酸化力があります。
これは、様々な病気の原因や老化の原因にもなる、体に有害な活性酸素をきれいに取り除いてくれる力です。
ですから、体本来の機能を目覚めさせるのには春野菜をたっぷり摂るのが良いのです。
主な山菜は、あしたば、うど、うるい、たらの芽、かたくり、
クレソン、ふきのとう、ふき、行者にんにく、わらび、せり、こごみ、ぜんまい、つくし、三つ葉、などでしょうか。
山菜は天ぷらなどにして油をプラスしていただくと、苦みが苦手な方でも食べやすくなりますね。
和え物にするときにも、苦手な方は、ほんの少し風味付けに胡麻油などをプラスすると食べやすくなります。
その他にも、春キャベツ、たけのこ、アスパラガス、ソラマメ、新たまねぎ、豆苗、ニラ、セロリなども春が旬のお野菜です。
最近では山菜もスーパーなどで簡単に手に入るようになりました。
体本来の機能をしっかりと働かせるために、春ならではの旬の味覚を楽しみながら体のスイッチをオンにしてみませんか?