意味もなく冷蔵庫を開けた。
子供の頃も用もないのに冷蔵庫を開けて注意されたことがあった気がする。
随分と大人になったけれど、変わらぬ部分も大なり小なりあるようだ。
しかしこれは、冷蔵庫内パトロールでもある。
あ、バターが切れそう。
私の意識はどんどんと移り行く。
バターを頻繁に使う訳ではないのだけれど、
切らしている時に限ってバターが必要なのだ。
あのカラクリは何なのだろうか、と時々不思議に思う。
ココナッツオイルで代用すればいいじゃない、
と思ったりもするのだけれど、
そのような時限って、バターでなければいけないようなメニューを作り始めていたりする。
潜在意識の中で気にしている自分がいるのか、
「和からし」や「粒マスタード」を切らしている時も、似たような事が起こる。
無くなりかけのカルピスバターを眺めながら、
そのような事を思った。
カルピスバターは、
カルピスを作る工程で牛乳から乳脂肪を分離するときにできる
脂肪分、クリームから作られるバターで、
コクがあるけれどさっぱりしているところを気に入っている。
もちろん、トーストなどに付けてもいいのだけれど、
お料理に使うとバターと食材の良さが引き立つように思う。
カルピスバターを含め国内には美味しいバターはたくさんあるのだけれど、
時々、気分を上げるために奮発して買うバターがある。
今から100年以上も前にフランスで誕生した「エシレバター」だ。
これが食卓に上ると、
朝食の時間を丁寧に過ごそう、そのような気分になる。
エシレバターは、少し白っぽい色をしていて
人肌ですぐにトロッと溶けてしまうくらい滑らかな舌触り。
お味はこっくりとした深みがあるのだけれど、
ヨーグルトのような酸味があるので、
後味がスッキリしているように感じられる。
私はバターを選ぶときには、自分にとって使い勝手が良い無塩タイプを選ぶので
有塩タイプと比べると、より後味はスッキリしているように感じられる。
次はエシレバターにしようかしら、と思いつつ
あと少しで使い切ってしまいそうな量になっているバターでディップを作ることにした。
バゲットに塗ったりチャーハンやパスタなどのソースとして、
白身魚のソテーやお肉料理のアクセントに、
普段のお料理に添えて、雰囲気を変えることもできるので重宝するのです。
お気に入りは
・チューブ入りのお手軽アンチョビペーストと少量のすりおろしたニンニクをバターを混ぜたもの。
・明太子と少量の昆布だしを混ぜたもの。
・スモークサーモンとパセリをみじん切りにして、瓶入りのレモン果汁と、お塩、こしょうをバターに混ぜたもの。
・中途半端に冷蔵庫に残っている佃煮を刻んでバターと混ぜたもの。
・しらすと浅葱、すりおろしたニンニク、お塩、こしょう、野菜だしをバターに混ぜ込んだもの。
甘いものがお好きな方は、
きな粉とハチミツをバターに混ぜたもの。
あんことバターを混ぜたもの。
という組み合わせもおすすめです。
私は塩加減を自分で調整したいので、
バターを購入する時は無塩バターを使っているのですが
有塩バターを使われている方は「お塩」無しで十分だと思います。
この日の我が家の冷蔵庫には「しらす」などがあったので
しらすと浅葱、ニンニク、お塩、こしょう、とバターを混ぜて、
もう少し旨みが欲しかったので昆布だしをプラスしました。
すぐにでもバゲットに塗って軽くトーストしていただきたい気分だったけれど、
夜のご褒美ワインの時間までお預けでした。
冷蔵庫内のパトロールも兼ねて、
いつものバターを冷蔵の中にあるものでちょっぴりアレンジしてみませんか?
あなたの「美味しい」に出会えますように。
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関連リンク:カルピス株式会社 エシレ / ECHIRE