窓を開け放っていたら、マンション裏手の駐車場から大きな声が聞こえた。
「シャベルもスコップも両方持ってきてー」
後ろの方の言葉はすぐに賑やかな声にかき消された。
カレンダー通りではないリズムで生活をしていると、
このような周りの楽し気な空気で土日、祝祭日に気づくことも少なくはない。
自分がお休みではなくても、こうして穏やかな空気が漂っていると
なんだか、ほんわか安らぎを感じられて、良い日だなと感じる。
ところで、皆さんがお住まいの地域では、
シャベルとスコップはそれぞれ、どのような物を指していますか?
【1】
【2】
日本の国家規格を表すJIS規格では、
上の部分が平らになっており、
足をかけてグイッと体重をかけて押すことができるフォルムのものを「シャベル、ショベル」、
上の部分が曲線で足をかけられないフォルムのものを「スコップ」と区別しています。
だけれども、世間一般では、この規格とは別の区別をしているので、
国家規格だからと言って通じるとは限らないようなのです。
私は子どもの頃は小さいものをスコップ、
大きいものをシャベルと呼んでいたような気がするのですが、
住居を転々とするうちに小さいものをシャベル、大きいものをスコップと呼んだり、
観葉植物の植え替えなどに使うような小さなものは「移植ごて」と呼ぶこともありました。
このような状況だったので呼び名が安定しませんでした。
ですから、自分以外の方とこの道具を共有しなくてはないけない場面や、
話題にあがった時などは、相手の呼び方をこっそり確認し、
相手に合わせて呼ぶようにしている気がします。
一般的に言われているのは、
西日本地域では、小さいものはスコップ、大きいものはシャベル。
東日本地域では、大きいものをスコップ、小さいものをシャベル。
と呼ぶことが多いようなのですが、
実際のところ、皆さんの地域もこれに当てはまりますか?
このような道具辞典のようなものの一部では、
スコップを「小さなシャベル」と解説しているものがあったり、
「ショベルカー」を「スコップカー」と呼ばないことから、
大きいフォルムのものは「シャベル」で、
小さいフォルムのものは「スコップ」というイメージの方も多いのだとか。
私の知人には、先が尖った剣型のものを「シャベル」、
先が真っ直ぐで四角いフォルムのものを「スコップ」という区別をする人も居ました。
その土地によって、
形や大きさなど、様々な区別の仕方がされるシャベルとスコップですが、
特に大きな違いはありません。
強いてあげるとすれば、シャベルの語源は英語の「shovel」、
スコップの語源はオランダ語の「schop」という、語源違いというくらいなのだそう。
呼び名が地域によって異なっていたり、
地域の中でもシャベル、スコップ、移植ごて、と
たくさんの呼び名を持っているアイテムは珍しいのではないでしょうか。
あなたのシャベル、スコップは、どのようなフォルムを指しますか?
方言ではないけれど、呼び方で出身地域やおじいちゃん、おばあちゃんの居る地域が
分かったりすることもあるのかもしれませんね。
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