幸せのレシピ集

cawaiiとみんなでつくる幸せのレシピ集。皆様の毎日に幸せや歓びや感動が溢れますように。

「々」これは文字ではないってご存知ですか?

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乗り込んだ新幹線の車両は人も少なく、ほぼ貸し切り状態だった。

車両を丸ごと使うわけではないのだけれど、

空間や余白というものは人の心を落ち着かせ、

贅沢な気分にさせることがある。

動き出してからも人が隣に座る気配が無いことを確認すると

私は鞄の中からお気に入りのココナッツチャンクとジャングルピーナッツを取り出して

外を流れる景色を眺めながら気ままにポリポリと口にした。

 

目的地へ到着し、午前中の予定を終えた私は

友人との待ち合わせ場所へと向かった。

待ち合わせ場所には久しぶりに会う友人が大きな荷物を持って

子ども一緒に立っていた。

随分と大きくなった子どもに驚きつつ私たちは都心の中にある大きな公園へ向かった。

公園ピクニックなんていつ振りだろうか。

ワクワクしながら友人が準備してくれていたレジャーシートを広げた。

デパ地下のお弁当も広げ、はしゃぐ私と友人の子供に

「ちゃんと手を拭いて」と除菌ウエットティッシュを渡す友人を頼もしく感じた。

 

学校の話やお洋服の話などをひと通り聴き終えると、

淡いピンク色の可愛らしいバッグの中から、

これまた女の子らしく可愛らしいメモ帳とペンを取り出すと、

「これ何て読むの?」と文字を書きだした。

メモ帳に力強く書かれた文字は「々」の文字。

彼女曰く、色々な場所で見かける文字なのだと言う。

子どもの好奇心の瞬発力に感心しつつ、

どのように説明したらいいものかとお箸が止まり、しばし間を置いた。

 

同じ文字を繰り返すときなどに使われるこの文字「々」、

実は文字ではなく記号のひとつで「特殊記号」「踊り字」と呼ばれ分類されています。

私は社会人になってからこの記号を口頭で伝える場面が度々あり知ったのですが、

学生の頃は「漢字」だと思って疑いもしませんでした。

パソコンや携帯でこの文字を出したい時も

「どう」「おなじ」と入力変換していたので読み方も気にしたことがなかったのです。

 

特殊記号(踊り字)は、「々」の他にも「ゝ」、「ゞ」、「ヾ」などがあります。

これらは漢字ではないので音読も訓読もなく実は名無しさんです。

とは言え、読み方がないのも困るので、

多くの場合は、カタカナの「ノ」と「マ」をくっつけたような記号なので

「ノマ点」と呼ばれたり、

同じ文字を繰り返すという意味の「同の字点(どうのじてん)」と呼ばれています。

ただ私個人の実感としては「どう」や「おなじ」、「繰り返し」といった

呼び方の方が通じるような気がしています。

 

このような事を脳内で巡らせていると、

「柊希ちゃんもわからない?」と突っ込まれた。

友人からは「2人ともそれは後にして、お弁当食べて」と言われ、

食後に改めて説明することになったのだけれども、

子どもの真剣な「なぜ?どうして?」と向き合うのは

なかなかエネルギーを要するのだと感じた出来事でした。

 

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