駅のホームにスタイリッシュな新幹線が滑るようにして到着した。
これほどまでに時刻表通りに到着するのは日本だけではないだろうか。
海外で生活をしていると時間通りに到着する方が珍しく、
電車などは遅れるものという共通認識がある。
日本で3、40分も電車が遅れれば、それなりに問題になるのだけれど
3、40分程度の遅れもそう珍しい事ではない。
日本人は時間に縛られているとも言えるし、
タイムロスが少なく時間を有意義に使っているとも言える。
どちらも一長一短ではあるのだけれど、
時刻表の予告通りに電車が到着するというのは、
日本が世界に誇れる技術の一つだと、駅のホームでそのような事を思った。
そして、目の前にあるグリーン車の出入口ドアーに記されている
四葉のクローバーを眺めながらある話を思い出したのです。
新幹線やJRの特急列車などでは指定席、自由席の他にグリーン車があります。
どうしてグリーン車と呼ばれているのか、
そして、どうして四葉のクローバーのモチーフなのか、ご存知でしょうか。
私たちが現在使っているJRの料金は、普通料金とグリーン料金の2種類ですが、
以前は1等、2等、3等と呼ばれる3種類あり、
料金の差も大きかったのだそうです。
これが、時代の変化と共に1等をグリーン車、2等を普通車と呼ぶようになり、
3等は廃止されました。
この、グリーン車と呼ばれる前の1等車両は
緑色のラインがデザインとして施されていたようなのです。
更に、1等車の切符の色も緑色だったことから「グリーン車」と名付けられたのだそうです。
そして、今では緑色の四葉のクローバーがグリーン車の目印になっておりますが、
これは、旅の道中で幸運に巡り会えますように、
幸運に恵まれますようにといった思いが込められているのだそうです。
受け継いだ歴史と私たちを安全に目的地まで連れて行って下さるJRの皆さんの思いが込められた呼び名とデザインのようです。
ある方との雑談の中で教えていただくまで
グリーン車がどうしてグリーン車と呼ばれているのか、
どうして四葉のクローバーをモチーフとして使っているのか、
という事に意識が向くことはありませんでした。
そのようなデザインの車体で、
そのような名前で呼ばれていているものだと無意識に思っていたのだと思います。
それ以降、グリーン車を目にしたり利用したりする度に、
出掛けた先で何か良いことがあるかしら?と小さなワクワク感を楽しんでいます。
当たり前に流されないで意識を向けてみると
ちょっとしたワクワクが味わえるようですよ。