皆さんは素直に「ありがとう」と伝えられていますでしょうか?
先日、知人に日本人は「ありがとう/Thank you」というべきシチュエーションで
どうして「ごめんなさい/I’m sorry」というのだ?と問われたのです。
外国の方から見ると首をかしげたくなるようなことらしいのだけれども、
最近では、「それが日本人」「日本人ってそうだよ」という認識も生まれつつあるのだとも言うのです。
日本語はとても繊細で奥ゆかしいため、
時に言葉通りに英語に変換したのでは意味が通じないことがあります。
何か親切をしていただいたときや感謝の気持ちを伝えたい時、
その「ありがとう」の気持ちが膨らみ切って、
自分のために時間を割いていただいて申し訳ない、
自分のために手間暇かけさせてしまって申し訳ない、
という気遣いへ変化することがあります。
その結果、「ありがとう」という気持ちをも含んだ上での
「ごめんなさい」や「すみません」という言葉を使うことがあります。
中には、ちょっとして照れ隠しの現れである場合もありますが。
この「ありがとう」を含んだ「ごめんなさい」や「すみません」を使い慣れている方が
英語で感謝を伝えようとしたときに、
つい「ありがとう/Thank you」ではなく「ごめんなさい/I’m sorry」を使ってしまうのでしょう。
そう説明してみたけれど、知人は腑に落ちない様子でした。
何も悪いことをしたわけでもないのに謝る意味が分からないし、
感謝の気持ちは、そのままストレートに伝えた方が
お互いに気持ちがいいのではないだろうかと言うのです。
ごもっともでございます。
私も上記のようなシチュエーションで「ごめんなさい」や「すみません」と言われると、
気分を害されることは無いにしても、
場合によっては少しばかり返答に詰まってしまうこともあります。
奥ゆかしさも大切にしたいけれど、
「ごめんね」と謝られるよりも「ありがとう」と言われる方が
喜びも大きいように感じるのですが、皆さんはいかがでしょうか?
自分のために時間を割いていただいたことや、
自分のために何かしていただいた事に対しての
「すみません」や「ごめんなさい」の気遣いは「ありがとう」の後でも十分間に合うと思うのです。
コミュニケーションの潤滑油でもある「ありがとう」。
感謝の気持ちが湧いて来たら、
まずは「ありがとう」を解き放ってみませんか?