そろそろ夕食の支度でも始めようかしらと、
少し遅い時間にキッチンに立った。
まな板の鯉になったカレイを眺めながら、
この世には似て非なるものがたくさんあるものだな、と思う。
カレイとヒラメもポイントを押さえて見れば見分けられるけれど、
一瞬、どちらがどちら向きだったかしら?と思うこともあるのではないだろうか。
ひと月程前だったでしょうか。
ある方と要件を話し終えた後に交わした雑談の中で、
日本では「プレミア」と「プレミアム」という言葉の意味が混同しているように感じられて
シチュエーションによっては戸惑うことがあるという話になったのです。
特に「プレミアム」を省略した言葉が「プレミア」だと
勘違いされている方が多いような気が致します。
本来、「プレミア」と「プレミアム」はそれぞれに意味があり、別の言葉なのです。
え?そうだったの?という方も、モヤモヤしていた方も、ご存知だった方も、
この機会に似て非なる2つの言葉をサクッと確認してみませんか?
「プレミア」という言葉には「最初」という意味と「最高」という2つの意味があります。
私たちが耳慣れている言葉を例に挙げると、
映画の公開前に行われる試写会を「プレミア試写会」と呼ぶことがありますよね。
また世界で最初に上映されることを「ワールドプレミア」と呼んでいます。
これは最初に披露される公式上映会のため
「最初」という意味で「プレミア」という言葉が使われています。
そして、もうひとつの「最高」という意味を持たせて使われている言葉ですと、
英国のサッカーリーグで「プレミアリーグ」というものがあるのですが、
サッカー番組やニュースで耳にされたことがあるのではないでしょうか。
このように「プレミア」は「最初」、「最高」といった意味の言葉です。
一方、「プレミアム」という言葉には
「希少価値」や「付加価値」、「謝礼」や「おまけ」というような意味があります。
なかなか手に入らない希少価値の高いもの、
例えば「プレミアムチケット」、「プレミアムグッズ」といった言葉で
耳にしているのではないでしょうか。
ただ、日本では時々こちらを略して「プレミア」と記載したり、呼んだりすることがあります。
「プレミア付きの○○」という言葉もよく耳にするのではないでしょうか。
もちろん、見たり聞いたりする方も意味を取り違えることはないかと思いますが、
本来は間違った言葉の使い方です。
違いを知っていれば、使い分けたり省略したり臨機応変に対応できますが
同一の言葉だと思って使っていると
少しばかり受け取る意味や伝える言葉にズレが生じることもあります。
世の中で使われている「プレミア」と「プレミアム」という言葉、
この機会に本来の意味を受け取ってみたり、
楽しく使い分けてみてはいかがでしょうか?
日常の中でプレミアムアイテムと聞くと
つい手に取ってしまいたくなることもありますが、
自分以外の誰かではなく、
自分にとってのプレミアムを大切にしていきたいと思う今日この頃でございます。