幸せのレシピ集

cawaiiとみんなでつくる幸せのレシピ集。皆様の毎日に幸せや歓びや感動が溢れますように。

坂田家は、父「金太郎」だけでなく息子の「金平」まで私たちの日常に潜んでいます。

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先日、「金時の火事見舞い(きんときのかじみまい)」という

ことわざのお話しをさせていただきました。

その時に坂田金時が登場しました。

坂田金時さんって誰かしら?という方の為に再度、

簡単にご説明させていただきますと彼の幼名は「金太郎」と言います。

昔話の登場人物として馴染みのある、

マサカリを担いでクマに跨っており独特なセンスの菱形腹掛けを着けた金太郎です。

彼がが大人になり坂田金時と名乗っております。

 

金時が実在したのか否かに関しては諸説あるようなのですが、

江戸時代初期に流行った浄瑠璃のひとつ「金平浄瑠璃」には金時の息子が登場します。

息子さんも私たちの日常にいつの間にか紛れ込んでおりますので、

今回は金時の息子さんのお話を少し。

 

その前に、「浄瑠璃」って時々聞くけれど何だったかしら?という方のために、

こちらも、簡単にご説明させていただきますね。

「浄瑠璃」は、三味線の伴奏に乗せて物語を語り聞かせるもので、

「語り物」と呼ばれることもあります。

昔話の絵本をただ読み聞かせるのではなくて、

歌詞であるかのようにメロディーに乗せて歌い聞かせるようなイメージですね。

私のイメージは少々軽やかすぎますが、

雰囲気を掴んでいただけましたでしょうか。

単調な口調でただお話を読まれると瞼が重くなってしまいそうですが、

三味線の伴奏が付いているので

江戸時代の人々が夢中になったことも頷けます。

 

その浄瑠璃のひとつ「金平浄瑠璃」のタイトルにもなっている「金平(きんぴら)」は、

坂田金時の息子、坂田金平の名から取ってつけられたのだそう。

彼は父親に負けず劣らず強く逞しい武将として「金平浄瑠璃」の中の主人公として

語られ人気を博しておりました。

薄々感づかれている方もいらっしゃるかと思いますが、

私たちの食卓にあがる「きんぴらごぼう」のきんぴらは坂田金平が由来です。

私は、「きんぴらごぼう」と「坂田金平」を繋げたくても繋ぎようがない。

そう思っていたのですが、先人の連想力は私の斜め上を行っておりました。

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「ごぼう」は噛みごたえがある力強いお野菜で、

食べると元気が出ると言われていました。

そして唐辛子の辛さを坂田金平の強さと重ね合わせたのだそう。

以降、「きんぴらごぼう」と同じ調理方法で

「ごぼう」以外のお野菜を使ったメニューも

「きんぴら」と呼ぶようになったようです。

 

父親の「坂田金時」の名(金時)は赤いものを指す言葉として広がったようですが、

息子の「坂田金平」の名(金平)は強くて丈夫なものを指す言葉として、

「きんぴらごぼう」以外のものにも「金平」と付けることが増えたようです。

金平という名が付くものをじっくり観察してみると、

力強さや丈夫さに繋がる何かを含んでいたり、

そのような願いや思いが込められていたりするのではないでしょうか。

 「きんぴらごぼう」を召し上がる際には、

金太郎の息子さんのお話も一緒に食卓にあげてみてはいかがでしょうか?

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