数か月前にカフェと喫茶店の違いについてお話しさせていただきました。
その時に、いつも楽しくメッセージのやり取りをさせていただいている
素敵レディkanonさんから
「ダイナーとカフェって、似たようなものでしょうか?」
というお題をいただきました。
私はダイナーと言うとアメリカのイメージでした。
しかし、アメリカ方面への渡航経験が無いので
専ら洋画の世界のイメージを脳内に定着させていましたので、
アメリカの友人を質問責めにしてみたのです。
友人と言いましても人生の大先輩といったお年頃の方でしたので、
とても丁寧に教えていただきました。
しかし、私としたことが……
途中、話を聞いているふりをしながら聞き飛ばしてしまうという失態もこっそりおかしつつ
ダイナーの調査を完了しました。
友人の出だしはこうでした。
「ダイナーのスペルは大丈夫?Dinner(夕食)ではなくてDinerだからね」
ここは小さく笑うべきだろうか?
と変な気を遣ってしまったのはココだけの話です。
結論から言いますと、
ダイナーは日本で言うカフェというよりは大衆食堂のような位置づけで、
喫茶店かカフェかと問われればお酒も飲むことが出来るので「カフェ」に属するようでした。
ダイナーの始まりは世界恐慌の頃だったのだそう。
不景気のため職に就くことができない人が大勢出た時代で、
そういう人たちのために政府が道路沿いに
トレーラーを改造したような簡易屋台をつくり
リーズナブルでお腹いっぱいになれる食事を提供しました。
この屋台のことをダイナーと呼ぶようになったそうです。
営業時間は24時間のところが多く、
安い上に、大盛り、大ざっぱな盛り付け、というのが特徴。
アメリカらしいハンバーガーやポテト、ステーキ、ホットドック、サンドウィッチ、
パンケーキにアップルパイやアイスクリームなどの軽食から、
しっかりした食事、デザートまでを出すアメリカ版の大衆食堂でした。
そして24時間営業というだけではなく、
どの時間でも朝食メニュー、ランチメニュー、夕食メニューを注文することができるのだそうです。
スクランブルエッグやベーコンなどの朝食メニューを食べている人の横で
肉汁たっぷりの大きなステーキを頬張る人がいても誰も気にしないのだそう。
「THE アメリカ食」が食べられるのはダイナーかもしれませんね。
私の印象の中にあるダイナーは郊外にあるイメージが強かったのですが、
街中にもカラフルでキュートな内装のレトロさを極めたおしゃれなダイナーがあるようです。
入り口にジュークボックスを置いているお店も多く、
そこから流れてくる音楽がロックンロールだと完璧なのだそうです。
ダイナーを見慣れているアメリカ人でも
カラフルでキュートなダイナーをおしゃれだと感じるのかと尋ねてみると、
「もちろん」と返ってきました。
日本人が京都へ行き、古民家に手を加えた場所で美味しい食事を食べたり、
お茶をしたりしたときに感じる「懐かしさ」と「現代的ではないことが逆におしゃれ」だと感じる、
あの感覚と近いのかもしれません。
アメリカの人にとっても馴染みのあるダイナーなのですが、
年々、美容と健康を気にする人々が増えていることもあり、
同じメニューをヘルシーに仕上げたり、
日本でお馴染みのお豆腐や雑穀を使ったメニュー、
オーガニック食材で作るメニューを加えるお店も出てきているのだとか。
受け継がれたものを守りながら現代のアレンジを加えて楽しむというところは、
どのような世界でも共通なのだと感じました。
一度は本場のダイナーを経験してみたい、今日この頃です。
【私信】kanonさん、記事の公開が遅くなってしまいましたが楽しいお題をありがとうございました♪ダイナーって、やっぱりアメリカンですね。
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