8月に入ると、あちらこちらで盆踊りの光景を目にしますね。
最後に盆踊りに参加したのはいつだっただろう。
そのような事を思いながら盆踊りで賑わっている通りを横切り家路を急いだ。
少しずつ遠くなる太鼓や笛の音、大勢の人の楽し気な声を耳で拾いながら歩いていると
随分と前に聞いた盆踊りの意味をふと思い出した。
皆さんは、どうして盆踊りが行われるようになったのかご存知でしょうか?
今回のお話しコードは、「盆踊り」でまいりましょう。
夏祭りと言えば、やぐらを囲んでその周りを輪になって踊ったり、
街中を流れるように踊りながら移動したりと盆踊りもお祭りイベントのひとつですね。
実はこの盆踊り、平安時代に有名だった空也(くうや)さんという僧侶が
念仏を多くの人々に広める為に提案したことが始まりだったのだそうです。
単調な念仏は当時の庶民にとっても馴染みにくかったようで、
僧侶の空也さんは念仏をリズムやメロディーに乗せて唱え、
更には踊りまでつけて広めようとしたのだそう。
これが見事に当たり、後に「念仏踊り」という名で広まり、
ご先祖様を供養するお盆と合わさり盆踊りとして定着したようです。
空也さんのお姿は、このような銅像で残されております。
この像は鎌倉時代の重要文化財として、
京都にある六波羅蜜寺で大切にされています。
個性的なお姿ですが、念仏を唱える口から6体の阿弥陀様が現れたという伝承が残されているようで、
これを忠実に表現しているのだそうです。
盆踊りに関しては色々な説があるのですが、
お盆に帰ってきた先祖の霊や精霊、餓鬼や無縁仏を慰めて送り出したり、
悪霊を追い出すために踊るものだという説が有力のようです。
元々はこのような意味合いを持った盆踊りだったのですが、
時代の移り変わりとともに今のような娯楽的なものへと変化していき、
今の私たちも体験することができているというわけです。
皆さんも学生時代に単調なものや歴史を覚える際に、
語呂合わせで覚えたり、メロディーに乗せて覚えたりしたことがあるかと思いますが、
平安時代にも、このように楽しく覚える方法を提案していた人がいたなんて。
遠い昔がほんの少し身近に感じられるのではないでしょうか。
盆踊りが娯楽として楽しまれるようになってからは
子どもの楽しみというだけではなく、
大人にとっても楽しい社交場、出会いの場としての役割も兼ねるようになりました。
ですから、子どもの頃から口ずさんでいた盆踊りのメロディーにつけられている歌詞をよく見てみると、
色恋ものや、少々大人向けの内容のものもあり、
実はこんな歌詞だったの!?と驚いたり、少し恥ずかしくなったりすることもあるようです。
皆さんの身近なところにある盆踊りの唄はいかがでしょうか?
盆踊りに参加される時や目にされた時など、
頭の片隅でチラリ、今回のお話を思い出していただけたら幸いです。
関連リンク:六波羅蜜寺
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