もうしばらく暑い日が続きそうですが、
時折感じる秋の気配に促され、
今年もあとどれくらいだろうと指折り数え「はやい……」、
そのような声を漏らしてしまった柊希でございます。
さて、今回のお話しは季節を問わず口にする機会が多いカレーを例にして
ウェルシュ菌という、少々手強い菌についてお話しさせていただけませんか?
皆さんのご自宅では1回のお食事でお鍋の中のカレーを完食しますか?
それとも、多めに作って翌日もカレーを楽しまれますか?
もしくは冷凍保存しておかれますでしょうか?
我が家は、一回で食べきることができる量を作ることが多く、
翌日まで残ることが少なかったのでウィルシュ菌という存在を知る機会がありませんでした。
ただ、ここ最近、様々な「菌」に関するお話を聞く機会があり、
ウィルシュ菌の手強さを知り、皆さんとシェアしたいと思ったのです。
ウェルシュ菌が、どのように手強いのかと言いますと、
皆さんは、食中毒を引き起こさないように注意する時には、
加熱をすれば菌は死滅するというイメージをお持ちではありませんか?
しかし、このウェルシュ菌は他の菌と異なり
増えにくい環境の時は種のような殻に包まるようにして生き残ります。
そして、この殻が鎧の如く非常に強く、
100度の状態で15分以上加熱しないと殺菌できない上に、
菌の中には100度の環境で1~6時間も耐えられるものもあるのだとか。
このような食品を冷蔵庫や冷凍庫に保存する時、
アツアツのままでは保存できませんので粗熱を取ります。
この温度が下がる過程、お風呂よりも少し温かい43度~47度辺りで
ウェルシュ菌は鎧を脱ぎ去り増殖を始めます。
割と高温帯なのですが100度で1~6時間も耐えられる菌たちですから楽勝なのです。
そして、カレーやシチューなどのドロッとした酸素の薄い環境は特に大好きらしく、
ウェルシュ菌にとってパラダイスというわけです。
こうして、私たちは知らぬ間に増殖した菌ごと保存してしまいがちなのです。
じゃぁ、対策は?
まず保存する時に気を付けるポイントは、
ウェルシュ菌が鎧を脱いで増殖する隙を与えない為に、
保存前に粗熱を取る時は、お鍋ごと氷水につけるなどして急速冷却すること。
再度、温め直して食べる時には、
食材を温めるだけではなくグツグツ、アツアツになるまで加熱すること。
その時に、お鍋の中をしっかりと掻き混ぜながら、
ウェルシュ菌の苦手な空気を混ぜ込みながら温めるようにすることが大切なのだそうです。
ウェルシュ菌は私たちの大腸内にいる常在菌です。
牛や豚、鶏などの腸にもいますし、海や田畑にもいるため私たちの身近にある菌です。
家庭で食べる食事からであれば作り置きの量が少ないため、
症状も軽く1、2日程お腹を壊すくらいのようではあるのですが、
大量に作り置きをしたものなどは菌の量も増え、体へのダメージも大きくなります。
身近な菌だからこそ、日頃からポイントをしっかりと抑えておきましょうね。
大したことは無いけれど今日はお腹が緩いかな?と感じられた際には
ウェルシュ菌の仕業という可能性もあります。
それにしても、100度の熱さをしのぐことが出来る鎧を持っている菌だなんて、
目に見えないからと言って侮れませんね。
今日も笑顔の食卓でありますように☆彡