幸せのレシピ集

cawaiiとみんなでつくる幸せのレシピ集。皆様の毎日に幸せや歓びや感動が溢れますように。

気にしないで!という意味の『ドンマイ』が使えるのは日本だけです。

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友人が急に日帰りバスツアーへの参加を思い立ち、

気分転換も兼ねて行ってきたのだと言う。

そのバスツアーの中には長期休暇を利用し、

日本国内を旅しているのだという外国人女性がいたのだとか。

年齢も近い事からお互いに日本語と英語、

そして、ジェスチャーを交えたコミュニケーションをとりつつ、

日帰りとはいえ、旅の醍醐味のひとつとも言える一期一会の出会いに

友人の胸は弾みっぱなしだったのだそう。

ハローから始まり、

観光地を巡りながら互いの国の話、仕事の話をし、

互いを思い合いながら少しずつ距離が縮まっていく感覚は

久しぶりでちょっぴり刺激的だったと友人は言った。

 

「行って良かったね」そう言った私に、友人の表情が少し曇った。

100%互いの言いたいことが伝わっているわけではなかったけれど、

内容以上の何かをやり取りできていると感じたのだと

嬉しそうに話してくれていた友人に笑顔はなかった。

「違うの?」と尋ねる私に、

最後の方は全く会話が無くなってしまっただけではなく、

素っ気ない態度で別れた事が心残りなのだと言う。

二人でもう一度、バスツアー中のやり取りを追い、

その原因が和製英語なのだと気がついたのだ。

 

皆さんも「ドンマイ!」という言葉を使うことがありますよね。

学生時代などに何か失敗をした時に、

「気にしない、気にしない、頑張って!」と励ます意味合いで、

「ドンマイ」を使ったことがある方も多いかと思います。

しかし、この「ドンマイ」は和製英語で

英語の「Don’t mind」の意味とは異なります。

今回の友人の出来事にはこの「ドンマイ」が関わっていたのです。

 

この言葉は、どのような意味を含んでいるのか。

例えば、誰かに窓を開けてもいいかしら?と尋ねられた時に、

「私は窓を開けられても問題はないわ。気にしないので、どうぞ」というような、

何かお伺いをたてられた時に

「私はあなたがしようとしていることを気にしない」という意味で使います。

 

外国人女性が、ある場所で足を滑らせて、それはそれは豪快に転んだのだとか。

友人は大丈夫?と駆け寄った後にドンマイ!と何度も伝えたのだけれど、

それから外国人女性との会話が減ったというのです。

この時の友人が発した「ドンマイ」を外国人女性の目線で解釈すると、

「私はあなたが豪快に転んだって気にしないし、構わないわ」と言われたことになるのです。

異国の地で仲良くなれたと思った女性は、

自分が豪快に転んだと言うのに気にしないと言ってきた。

きっと態度と言葉のチグハグさを上手く消化することができなかったのでしょうね。

私も海外生活中にシチュエーションは違うのですが同じ失敗をしたことがあります。

その時に和製英語なのだと気づき、

日本のドンマイの主語は相手だけれども、

英語の場合は主語が自分自身なのだと理解しました。

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肩を落としていた友人ですが、

しばらく経ってから一期一会の彼女からメールが届いたのだそう。

そこにはバスツアーで良くしてもらったことへのお礼と、

知らない間に失礼なことをしてしまったのかもしれないというお詫びがあったそうです。

友人は和製英語が誤解を招いてしまったと返信をし、

行き違いも解消され、心残りのない一期一会で締めくくることができたとのこと。

私もホッとした報告でした。

 

私たちは知らぬ間に様々な言葉を使いこなしていますが、

中には、行き違いを起こしてしまったり、

海を越えたら通じない和製英語もあります。

外国の方と過ごす機会がありましたら、チラリ思い出してくださいませ。

 

画像出典:https://jp.pinterest.com/