PC作業が一段落した途端にお腹が空いたように感じられて時計を見ると
お昼を通り越していい時間。
気分転換を兼ねて外出するか自宅で遅めのランチを食べるか、
もう一度、壁掛け時計と睨めっこして、この日は自宅コースに決めた。
お腹と背中がくっついてしまいそうな程の空腹感から、
全身の力がほろほろと抜け出てしまいそうだ。
ガツンと食べたいけれど夕飯も控えているからと
小さな葛藤を繰り返しながらキッチンで食材を見繕う。
この日のメニューはフランスのブルターニュ地方のそば粉を使った郷土料理、ガレットに決定。
蕎麦と聞くと日本食のイメージが強いけれど、そうでもないのです。
フランスのブルターニュ地方は雨が多い土地で小麦が育ちにくい環境だったのだとか。
そこからブルターニュ地方の方々はお蕎麦を主食にしていたのだそうです。
そば粉のガレットにはお野菜や卵、お肉、チーズなどを使った軽食タイプと、
フルーツやアイス、チョコレート、シロップなどのデザートタイプがあります。
主に前者をガレット、後者をクレープと呼ぶことが多かったように記憶しています。
お腹と背中が今にもくっついてしまいそうな状況だったこの日、
私が欲したのは軽食タイプのガレットでした。
お蕎麦の栄養価の高さや体への嬉しい効果は皆さんもご存知の通り。
ただ、日本のお蕎麦の食べ方では十分なお野菜を摂り損ねることもあります。
これが、ガレットであればお野菜もたっぷり摂ることができる上に、
冷蔵庫の中にあるもので十分美味しく作ることができます。
私はガレット生地にチアシードやゴマを少量混ぜ込んで、
ささやかではありますが、アンチエイジング効果も底上げします。
こういうアレンジを好きに加えることができるのは自宅ならではの楽しみ方ですね。
日本でもガレットを扱うお店や専門店をみかけますが、
ご自宅でも簡単に作ることができます。
ガレットのレシピは巷に溢れておりますので、
今回は本場流のガレットに合うと言われている飲み物と
ガレットの食べ方のお話を、と思っております。
ガレットと一緒にいただく飲み物と言えば、りんごで作った発泡酒の「シードル」です。
これにも理由があります。
フランスと言えばワインのイメージがありますが、
ブルターニュ地方は小麦同様に葡萄も育ちにくい環境だっため、
りんごの栽培が盛んになりシードルが愛されてきました。
ですから、もしアルコールが苦手でなければ、
本場流にガレットにはシードルを合わせて楽しんでみてくださいませ。
そば粉の香りとりんごの酸味がクセになりますよ。
そして食べ方ですが、
ケーキのように?ステーキのように?どう切ったらいいのかしら?と
一瞬、思ってしまうこと、ありませんか?
本場では、まず最初にガレットの端の方、そば粉のガレット皮のみを味わいます。
日本でお蕎麦を食べる時も、まずは何もつけずに香りと味を楽しむべし!
というようなことを耳にしたことはありませんか?
たぶん、そのような感覚なのだと思います。
皮を味わったら後は、ステーキを食べる時の要領で
端の方から縦の帯状にカットします。
帯状のガレット皮の上に具材を乗せて、皮で具材を巻き込みます。
これをパクリと口に運んで下さいませ。
コツは皮は太すぎない幅にカットし、具材も欲張りすぎずに巻くことです。
これで、ガレット通です。
この日の私はお野菜とチーズとキノコと卵のガレットを存分に堪能し、
お腹と背中がくっつきそうな状況を無事に回避することができました。
機会がありましたらオリジナルガレット作りを楽しんでみてはいかがでしょうか?