私の指先がパソコンのキーボードを温め始めた。
視界に入る開きっぱなしの手帳と
ToDoリスト代わりに使っている大き目のカレンダーをそっと伏せて
背中の天使の羽とやらをグリグリと回しながらストレッチをする。
しかし、頭も指先もこの程度の気分転換では納得できないとばかりにストライキ中だ。
まるでわがままな子供をあやすかのように、
キッチンへ向かい自分の為にとびっきり美味しいホットケーキを焼いてみることにした。
脳内に浮かんだ「とびっきり美味しい」というフレーズに、
自分で言うんだ……と軽く突っ込んだ。
だけれども、こういった子供だましのようなフレーズが
拗ねている自分や、忙しさに飲み込まれそうになりかけている自分の気分を
少し押し上げ、引っ張り上げてくれることもある。
たったそれだけで?そう、たったそれだけのことなのにだ。
そして、そこにほんの少しだけ、
敢えて自分に騙されてあげる純真無垢な気持ちを引っ張り出すこともポイントだろうか。
言葉と脳は侮れないのである。
「言葉は誰もが使うことができる魔法の杖だ」
そのような事を言う人が居るけれど、良くも悪くも一理あり、
使い方次第、使う人次第だろうと思う。
そして、冒頭の状況だ。
私も自分の持っている魔法を使い、キッチンにたつ。
我が家のホットケーキは、
口にするものを見直すようになってから米粉のホットケーキの出番が増えた。
小麦粉のホットケーキも美味しくて好きなので、
どちらが良い、悪いではないのだけれど、
今の私にとっては米粉のホットケーキの方が自分の体に負担が無く、
喜んでいるように感じられるので、こちらを選んでいる。
ふわっふわに焼き上げた米粉のホットケーキに
ハチミツと解凍させておいたミックスベリーとスライスバナナを散らしてみる。
見た目を拘るならば粉砂糖とミントの葉もトッピングしたくなるのだけれど、
お砂糖は控えたいし、生憎ミントの葉も切らしているので、この日はそのままで。
つい、つまみ食いをしてしまいそうになる自分をなだめつつテーブルへと運ぶ。
この頃になるとストライキを起こしていたはずの頭も指先もケロリ。
目の前のホットケーキに夢中だ。
ふわっとしているのに、もっちりとしているのは米粉のチカラ。
ひと口めを噛みしめると体中に優しい甘みがじんわりと広がるあの時間がたまらない。
そして、フルーツやあんこ、ハチミツ、メイプルシロップとの相性も抜群。
米粉に自分好みのあれこれを混ぜ合わせるのがネックだなと言う方は、
米粉で作られている米粉のホットケーキミックスを使うと、
簡単に小麦粉バージョンとの味比べができます。
量も少量のものから販売されていますので、お試ししやすいのではないかしら。
私もお手軽さが気に入ってミックス粉を使用していますが、
楽しみながら食べ比べをした後は、
配合されているお砂糖の量が少ないものかお砂糖なしのもの、
余計なものが配合されていないものといった
自分のこだわりポイントで探しています。
美味しい米粉のホットケーキで満たされた私の頭と指先は、
その後、自分でも笑ってしまう程に滑らかに動いておりました。
こうしなければ、ああしなければ、という言葉の魔法で自分を縛りすぎてしまうことがあります。
そのような時には、自分が持っている言葉の魔法の使い方を変えて、
自分のことをギュッと抱きしめたり、
甘やかしたり、応援したりする時間を作ってみてはいかがでしょうか。
頑張るだけではなくて自分を緩めるコツも掴んでいけるといいですよね。
今日は頑張る日かしら?緩める日かしら?
あなたの今日がすてきな時間になりますように☆彡