絵本が好きで、時々パラパラと捲ることがある。
絵本と言えば子どもが読むものというイメージが未だ強いようだけれど、
大人になったからこそ感じられるメッセージが絵本の中には詰まっているように感じるのです。
その日は、ふと「きりのなかのはりねずみ」の表紙が頭に浮かびました。
こちらの作品は短編アニメーションを元に作られた絵本で、
私は大人になってから出会った作品のひとつです。
ストーリーは、主役のハリネズミが夕暮れ時に仲良しのこぐまの家へでかけます。
何をしに?
仲良しのこぐまと一緒にお茶を飲みながら夜空の星を数える約束をしているのです。
可愛らしい約束だと思いませんか?
こんなにも可愛らしい約束、私もしてみたいものです。
お茶はお酒に変えてもいいのですけれどもね。
この時ハリネズミは、
こぐまの好物の野いちごのハチミツ煮を赤い水玉のハンカチに包んで、
友達の笑顔を想像しながら出かけるのです。
しかし、その大切な野いちごのハチミツ煮をなくしてしまい様々なことが起こるのですが、
小さなハリネズミが抱く恐怖や憧れ、驚きや喜びが夜の森の中に溶け出します。
この絵本を読むと幻想的な世界の中をワクワクしたり、ドキドキしたり、
五感をフルに働かせながらハリネズミと一緒に大冒険をしたような気分になれるのです。
その日は、冒険気分を味わうつもりで絵本を開いてみたのですけれども、
今回はハリネズミが届けた野いちごのハチミツ煮が気になって仕方がないのです。
大切な誰かの笑顔を想いながら作る時間を想像するだけでワクワクしてきてしまって。
だけれども、フレッシュな野いちごは簡単に手に入らないので、イチゴで代用。
これじゃ、単なるイチゴジャムじゃない、
と思ってしまう自分をグイッと押し込んでハリネズミ気分でキッチンに。
全ては目分量。
イチゴに少し多めのハチミツを絡めて10分ほど煮詰めてレモン果汁をかけ回して出来上がり。
濃い目に淹れた紅茶にゴロッと感の残るイチゴのハチミツ煮を入れて、いざベランダへ。
見上げた空に見つけられる星はすぐに数え終えてしまうほどしかなかったけれど、
とても穏やかで優しい気持ちになれる時間でした。
絵本や小説、映画やドラマで見かけた味を
エモーショナルに再現してみるのも楽しいものです。
子どもの頃に好きだった絵本、
今でも記憶に残っている絵本、
お子さんに何度も読み聞かせをした絵本、
久しぶりに手に取ってみてはいかがでしょうか?
今のあなたへのメッセージがあるかもしれません。
※「きりのなかのはりねずみ」は10分程の短編アニメーションです。現在もDVDがあるかどうかは分からないのですが観る機会がありましたら是非。絵本ももちろん素敵な世界観なので、お子さんのクリスマスプレゼントに絵本をお探しの方は候補にされても良いのではないかと思います。