幸せのレシピ集

cawaiiとみんなでつくる幸せのレシピ集。皆様の毎日に幸せや歓びや感動が溢れますように。

慣れ親しんだものだって、違う角度から楽しむことができるのではないかしら。

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あれは私がまだ大学生だった頃のこと。

時間だけは十分にあった私は何か面白いものがあると聞けば

往復何時間もかけて、足を運んでいた。

しかも、その対象がマニアックなものであるほどワクワクしていたように思う。

今思えば面白いかどうかは二の次で、

一番の目的は、それを私はどう感じるのだろうか、

それはどう面白いのだろうか、

私の知らない何があるのだろうか、

そのような事を確かめたかったのかもしれない。

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現役の学生にとって図書館は身近な存在だ。

自分が通っている学校の図書館をはじめ、

国立図書館、都道府県、市町村などが運営する公立図書館、

公共図書館や専門的な図書館など今の私よりも図書館ツウだったように思う。

特別図書館が好きでなくても場所などの情報は自然と耳に届いていたのだ。

これだけの種類の図書館の存在を知っていれば、

何かを調べるにしても、利用するにしても事足りる上に、どこも似たり寄ったり。

ある意味それが図書館というものだと思っていた私はそれ以上の興味を持つことはなかった。

 

だけれども、ある時、友人が私設図書館へ行ってみない?と言い出した。

友人宅の近くにあるという私設図書館は、

外側から中の様子が分からないので一歩を踏み出す勇気がない。

だから一緒に行ってくれないかというのだ。

私は、「ただの図書館でしょ」と返したのだけれども、

「お菓子の持ち込みも自由なんて面白そうじゃない?」と返してきた。

初めてのことは余程嫌でない限り、一度くらいは経験してみたいという理由から

私たちはお菓子を買い、私設図書館の扉を押し開いた。

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皆さんは図書館に対してどんなイメージをお持ちですか?

食べたり飲んだりは禁止、騒ぐのも禁止、堅苦しい場所、

というような少々窮屈なイメージが浮かぶのではないでしょうか。

ところが、私設図書館の多くは食べたり飲んだりは自由ですし、

基本は「周りにいる人たちに迷惑をかけないように過ごす」というルールがメインのようなのです。

漫画喫茶と図書館とカフェを程よくミックスさせたような場所で、

置いてある書物は私設というだけあり、

本や図鑑、辞書、漫画や新聞など幅広く、図書館によって異なる点も面白いところ。

有料であるところが多いけれど利用料金はとてもリーズナブルです。

 

図書館に居る人たちの年齢層も幅広く、

お買い物帰りの主婦や、仕事の合間の休憩でしょうか、サラリーマンの姿も目にしましたし、

もちろん、勉強をしている学生もおりました。

私たちは休憩室でお菓子と飲み物を楽しみながらお喋りをしたり、

好きな本を読んだり、マニアックな図鑑を広げて静かに盛り上がりました。

それから数回、読書が目的ではない私たちの私設図書館探検は続いたのでですが、

巡った私設図書館のことは今では良い思い出です。

あれから随分と月日が経ち、私もすっかり大人になりましたが

私設図書館へ行ったのはあの時のあの数回のみ。

タクシーの中から流れる景色を眺めていたら私設図書館の文字を目にしたものだから、

すっかり忘れていた、このような遠い日の記憶が浮上したのでしょう。

 

人は良くも悪くも慣れ親しんだ現状をなかなか変えたがらないところがあるけれど、

今の私が私設図書館の扉を押し開けたら、

何と出会う事ができるのだろうか。

もしかしたら何か新しい扉が開くのではないか、などと淡い期待が芽生えた2017年です。

まだまだ今年はスタートしたばかり。

図書館をよく利用されている方は、

お近くの私設図書館で新しい出会いをしてみてはいかがでしょうか?

慣れ親しんでいるものを敢えて少し違う角度から眺めてみるのも

新たな発見につながるかもしれません。

今年も、あなたが素敵な何かと出会える年になりますように。

画像出典:https://jp.pinterest.com/