幸せのレシピ集

cawaiiとみんなでつくる幸せのレシピ集。皆様の毎日に幸せや歓びや感動が溢れますように。

小粋なメッセージは「おまけ」を通してやってくる!?

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その日は、吹く風が心地よく、太陽の光も柔らかで、

身も心もどことなく軽やかな気がした。

普段よりも少しだけ軽やかな服装で玄関を押し開けた。

葉桜の緑も数日前に見た時よりも力強い色に変わっていて、

次にくる季節は夏なのだと教えられた。

こんな日は、歩く足にも自然と力が入る。

そして、じんわりと温められた体は、いつでも走り出せそうなくらいだった。

スーパーに入ると店内の冷気が温められた体には心地良く、

気付けば、冷蔵ケース前で長居をしてしまっていた。

温められたはずの体が冷えてしまうのは私が思うよりも早く、

緊急避難ということで常温のものが並ぶ陳列棚の方へと移動した。

週末や連休前、連休中になるとスーパーでは、おまけ付きの商品をよく見かけるように思う。

私は、それを見て、世の中は連休に入るのか、今日は休日なのか、などと

世の中との時間のズレを少しばかり調整させてもらっている。

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その日は、こどもの日が控えていたからなのか、

商品に「折り紙」がくっつけられているものを幾つか見かけた。

「(へぇ、折り紙付きかぁ)」ただ、そう頭の中で繰り返していただけのはずだったのだけれども、

私の思考回路は、人や物の評価や価値を表す際に使われる

「折り紙つき」という言葉へ飛んでいた。

 

今の私たちにとって「折り紙」と言えば、

あの正方形でカラフルな紙を思い浮かべかと思います。

子どもたちにとっては、

ゴールドやシルバーの折り紙はちょっとしたスペシャルシートだったりもして。

ですが、平安時代の人々って「折り紙」は公文書を意味していました。

公文書は二つ折りにしてやり取りをしており、

折られた公文書は、いつしか「折り紙」と呼ばれるように。

その後、美術品などに添えられる鑑定書のことも

「折り紙」と呼ばれるようになったと言われています。

人や物を評価したり、価値を表す際に「折り紙つきだ」などと言われるようになったのは、

このような背景がもとになっています。

 

そのようなことを思い出しながら店内をあるいていたのだけれど、

おまけとして折り紙が付けられている商品を思い返し、ふと思う。

あの折り紙は、ちょっとした「おまけ」として付けられたものなのだろうか、

それとも、「うちの商品は折り紙つきですよ」という

小粋なメッセージが隠されていたのだろうか、と。

大勢に伝わるメッセージ、伝えるメッセージも素敵だけれど、

たった一人の誰かに伝わるメッセージ、伝えるメッセージも素敵だと思いつつ、

スーパーを後にした。

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