日本では夫婦の相手側、片割れのことを
配偶者、伴侶、パートナー、相棒、などと表現することがありますが、
英語圏では主に夫婦のことをベターハーフ(Better Half)と表現します。
夫婦のことを指しはするものの、男女間に限らず使うことができる表現です。
どうして最高、最上級を意味するベストハーフ(Best Half)ではなくベターハーフなのか。
今回は、このようなお話を少しばかり、と思っております。
ちょっとした読書気分で、お好きなお飲み物片手にお付き合いくださいませ。
このベターハーフという表現は古代ギリシャの哲学者プラトンさんよって書かれた
饗宴(きょうえん)という本の中のお話がもとになっております。
このプラトンさん、あのソクラテスさんのお弟子さんだったこともあり、
饗宴(きょうえん)には、師匠であるソクラテスさんが登場し、
彼が詩人や医者といった数名の男性たちと恋や愛について語り合っているという
とても面白い見せ方の作品です。
その語り合いの中に登場した神話によると、
古代の最初の人間には、頭が二つあり、手足が各四本ずつあり、
私たちのような2人の人間が背中合わせにくっついたような姿をしていたといいます。
そして、そのような姿の人間の種類も様々で、
男性と男性が背中合わせになった種族、
女性と女性が背中合わせになった種族、
男性と女性が背中合わせになった種族の3種族が存在したとあります。
3種族の中の男性と女性が背中合わせになっている人間のことを、
周りの人々はアンドロギュノスと呼んでいました。
2つで完成形を成していた彼らは次第に賢くなり知恵をつけていきます。
そして、生意気にもアンドロギュノスは、神々に戦いを挑もうとするのです。
この行動を問題視した神、ゼウスは彼らを切り離すことを決断します。
もともと人間というのは2つで完成形だったのですが、
このような経緯で2つに切り離され、今の私たちのような状態になりました。
このようなことが、遥か遠い日にあったことがもとになり、
片割れを探すかのように男性は女性を求め、
女性も同じように男性を求めるのだとあります。
そして、3種族あったことからも推測できるように、
男性と男性が背中合わせになった種族だった者は片割れの男性を探し、
女性と女性が背中合わせになった種族だった者は片割れの女性を探し、
互いを求め合う愛は、それぞれが本来の姿に戻ろうとすることなのだと。
よく、このような話を耳にすることはありませんか。
私たち人間は、各々が自分の片割れを探し求めており、
自分の片割れに出会うと心身ともにピッタリと合うという話。
これは、おそらく、このお話がもとになっているのだと思います。
そして、自分にとってより良い片割れである相手を、
ベターハーフ(Better half)と呼ぶようになったのだと。
神話ではあるものの、そうかけ離れた話ではないように感じるのは私だけでしょうか。
今回は、深くて、ちょっぴりロマンティックなお話でした。
今日も良き日となりますように☆彡