幸せのレシピ集

cawaiiとみんなでつくる幸せのレシピ集。皆様の毎日に幸せや歓びや感動が溢れますように。

トキメキの種を手に色んなワタシを楽しんで。 

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「電車の中で食べたらダメよ」

横に座っていた母親が念を押すようにして我が子に話していた。

「分かってるよ、見てるだけ」

「何がはいってるかな」

そう返す子どもの手にはセボンスターの箱が握られていた。

セボンスターというのは、カバヤ食品から出されている

女の子が好きそうな、玩具のネックレスが入っているお菓子のこと。

セボンスターを手にした女の子たちは、中身を想像してワクワクし、

箱を開けてキラキラ輝くネックレスを取り出して目を輝かせ、

それを身に付けながら大人の仕草を味わって、

鏡に映る、ネックレスを身に付けてちょっぴり大人になった自分に

ニッコリと微笑んで酔いしれてみたりするのだろうか。

あぁ、お菓子の中に忍ばせられた玩具のネックレスひとつで、

こんなにもトキメキの種を手にできるなんて、ちょっぴり羨ましいな、そう思った。

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私にも、玩具のネックレスでトキメキを味わうことができる年齢というものはあった。

だけれども、ある意味、消化不良を起こしたまま大人になったため、

このような女の子の姿を見ると、少しばかりキュンと切なくなる。

女の子には、玩具のアクセサリーの類に興味が湧くお年頃というものがある。

そして、その興味を満たすことができる子どもの身の丈に合ったアイテムが

世の中には沢山あるのだ。

当時の祖父母も孫を喜ばせたくて、私にそのようなアイテムを贈ってくれたのだと思う。

テンションが上がった私は、早速色々と身に付けてトキメキを味わっていたと思うのだ。

しかし、ものの数分で玩具のアクセサリーが肌に触れていた部分が、

ビックリするくらい腫れ上がり、病院行きとなった。

結果は金属アレルギーとのこと。

そして、金とプラチナ以外は肌がアレルギー反応を過剰に起こすため

身に付けられないということが分かった。

しかも、私の肌センサーはリトマス試験紙並みに敏感で、

良くも悪くも少量の違和感をも見逃さない。

親戚の中では、柊希に身に付けさせれば本物かどうか分かる、

と妙なネタにされていたこともあった。

だからだろうか。

もっと子どもらしいトキメキを味わってみたかったと思うことがあり、

このような光景に出会うと、私もこっそり小さな女の子の気持ちに便乗させてもらい、楽しんでいたりする。

もちろん、それは、子ども時代の私が抱いたかもしれない気持ちの想像でしかないのだけれど。

 

このようなことを母に、少し感傷的に話したことがあった。

すると、子どもの頃のあなたは、それほど残念そうではなかったわよ、

と意外な答えが返ってきた。

母のアクセサリーボックスを開けて、「今日はこれ貸してね」と楽しんでいたのだそう。

しかも、とっておきばかりに手を伸ばす私に母は、

無くされやしないか、壊されやしないかとヒヤヒヤしつつ、

それはオトナのアクセサリーよ、それは玩具じゃないのよと

鏡の前でオトナのアクセサリーを身に付けて笑う私に何度も言ったのだとか。

……そ、そうなの?いや、そんなはずはないのだけれど。

記憶は時にすり替えられるというから、

遠い日の記憶の真実は、今となっては程よくぼやけてしまっているけれど、

トキメキにも切なさにも色んな顔があるのかもしれない。

女性の皆さん、日常の中にある色んなトキメキの種を手に、

女性であるワタシ、大人のワタシ、時々顔を出す子どもっぽいワタシ、

色んなワタシを全部まるごと楽しんでまいりましょ。

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