最近目にしたトピックスの中に老舗和菓子店、「とらや」の新商品の話題があった。
一消費者の勝手な発言ではあるけれど、私から見る「とらや」は、
変わらない勇気と変わる勇気の両方を持っていて、その塩梅が妙に心地良い。
季節も変わったことだから秋冬向け新商品の話題かしらと思うも、
その予想は、あっさりと裏切られてしまった。
新商品であることに間違いはなかったけれど、
そのターゲットとなっていたのは高齢者層だった。
誰もが年齢を重ねるにつれて少しずつ弱まってくる力。
気持ちは十分あるにも関わらず、
これまで出来ていたこと、楽しめていたことを諦めなくてはいけない状況というのは、
そういうものだと理解していたとしても、
嫌でも歯痒さにも似た感情と対峙させられてしまうのではないだろうか。
「とらや」は、噛む力や飲み込む力が弱まってきた高齢者でも安心して食べることができ、
ゆったりとしたひと時を過ごして欲しいという思いから、柔らかい羊羹を発売したという。
商品名は、やわらか羊羹『ゆるるか』。
優しい時間がゆったりと流れ、気持ちがゆるやかに、ほぐれていくような名だ。
発売するにあたり、高齢者専門の療養型病院の協力なども得て、
開発には数年の時間をかけたのだそう。
原材料は、通常の羊羹と変わらず、小豆、寒天、砂糖が使われており、
かたさの目安は、舌でつぶせるくらいのかたさで、
お粥に例えるならば「全がゆ」と同じほどとのこと。
また、お水やお茶が飲み込みづらいことがある方でも口にできるように考えられているのだとか。
私は未だ実物を口にしたことがないため、
どれ程の柔らかさなのか詳細をお伝えすることはできないのだけれど、
羊羹を体の年齢的な変化を理由に諦めていた高齢者にとっては、
暮らしの中に小さな楽しみが復活するのではないかと思う。
様々な技術が進化しているし、進化し続けていくのだろうけれど、
その異なる技術を持ち寄り、シェアし合い、掛け合わせることで
開ける道は想像以上に多いように思う。
そこに温かい想いがあればハッピーを広げる化学変化も起きたりして。
インスタ映えするようなオシャレでヴィヴィッドな話題も良いけれど、
私たちの暮らしに、そっと寄り添ってくれる話題も
同じようにココロのビタミンになるのだと感じた話題だったように思う。
今日もあなたに、小さなハッピーが舞い降りますように☆彡
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