今年の夏、久しぶりに食材に関する知識をブラッシュアップさせる機会があった。
もともとは、必要に迫られて家族の為に得た様々な知識だったけれど、
それらがベースとなり、年月を経る中で少しずつ暮らしや美容、健康にと幅広くリンクし、
気付けば私の生活の中にシンプルな形で落とし込まれていることに、驚くやら、助かるやら。
こんなの無理だと匙を投げかけた日が少しだけ懐かしい。
ただ、それらの知識も時々メンテナンスを行っておかなくては、
時代に合わない古い知識になってしまうこともある。
それゆえ、アンテナは張り巡らせているのだけれど、
そのアンテナに『アニマルウェルフェア』という言葉がひっかかった。
今回は、『アニマルウェルフェア』とは何かしら?というお話を少し、と思っております。
柊希の脳内整理も兼ねておりますが、一緒にアニマルウェルフェアを知ってみませんか。
アニマルウェルフェアという言葉は、もともとヨーロッパで生まれた言葉で、
日本では動物福祉、家畜福祉という言葉に訳されることもあります。
食が豊かになり、私たち消費者は、
できるだけ安くお肉や卵などを買い求めたいと思うようになりました。
これに応えるべく世の中の仕組みが少しずつ変化してきました。
例えば、ニワトリ。
羽を思いっきり伸ばすこともできないような小さなスペースの中で
餌を食べては卵を産むということを繰り返す一生を送っています。
ニワトリに限らず、家畜は決して快適だとは言えないような環境で、
動物らしい行動を制限されながら飼育されているという現実があります。
このような、家畜の痛みを最小限に抑えるための配慮をしようというのが、
簡単に言うと、アニマルウェルフェア(動物福祉・家畜福祉)の考え方です。
※ペットや動物全般に対しても使われるようになっている言葉なのですが、ここでは食という視点でお話したいと思います。
アニマルウェルフェアは、
家畜が快適な環境で健やかに飼育される環境を目指す取り組みです。
日本は少々海外に後れをとっているようなのですが、
着々と取り組んでいる自治体も増えきています。
取り組まれ始めてはいるのですが、まだまだ認知度が低く、あまり進んでいないと聞きます。
大量生産され、大量消費されている牛や豚、鶏。
もちろん、人も生きて行かなくてはいけないため、
きれいごとを言うつもりはないのだけれど、
効率を優先するような飼育が当たり前になってきています。
「命」であることも、彼らの犠牲や苦痛の上に成り立っている暮らしであることも
分かっているはずなのに、「モノ」として扱っていたりするものです。
このような状況が、鳥インフルエンザやBSEといった病害を招いたこともきっかけとなり、
このような状況を招かないためにも、
家畜が快適な環境で健康に過ごせる環境を整える動きが世界中で起きているようです。
アニマルウェルフェアがどういうことを意味しているのか、
簡単ではありましたが、掴んでいただけましたでしょうか。
日々、このようなことばかりを考えながら暮らす必要はないと、
色々な意味で、私個人は思っています。
ですが、時々。
自分の暮らしの見えない部分を想像してみること、知っておくこと、
その上で自分が何を感じて、何を思うのか、何を選ぶのか、
といったことに触れる機会はあっても良いのではないかしら、思っております。
関連リンク:アニマルウェルフェアについて:農林水産省
関連記事: