私の体の癖をよく知っている鍼の先生と
メディカルアロマテラピーのセラピストの方が同じことを言ったことがあったのです。
それは、「肩がこっているときや作業を終えたときに、
自分でストレッチやマッサージをすることがあると思うけれど、
あなたの場合、こういうストレッチやマッサージは、あまり効きがよくないよ」というもの。
そのストレッチというものが、私が毎回行っていた動きだったため、
「何故?」と詳しくお話を伺ってみたのです。
そうしましたら、「いかり肩」の人と「なで肩」の人とでは、筋肉の状態が異なるため、
肩コリ症状を緩和させたり、予防するためのストレッチやマッサージも
それぞれの肩に適したものがあるとおっしゃるのです。
今回は、そのようなお話をと思っております。
お時間ありましたら、チラリ、覗いて行ってくださいませ。
【チェックしましょう!あなたの肩タイプはいかり肩?なで肩?】
まず、皆さんはご自分の肩がどちらのタイプかおわかりでしょうか。
例えば、バッグを肩にかけた方が楽だという方や、猫背で肩に力が入り本来の位置よりも上がった状態で固定されている方、鏡の前で鎖骨を見た際に、鎖骨が外側に向かうにつれて首の付け根の位置よりも上向きに上がっている方は「いかり肩」です。
一方、肩にバッグをかけるとバッグが滑り落ちてくるため、肩かけバッグは肩を上げた状態をキープして滑り落ちを防止しなくてはいけないという方や、鏡の前で鎖骨を見た際に、鎖骨が外側に向かうにつれて首の付け根より下の方へ向かって下がってきており、鎖骨が、カタカナの「ハ」のように見える方は、「なで肩」です。
【肩と背中の筋肉を簡単に把握しましょう。】
首や肩、背中のコリに関係している筋肉には3種類の筋肉があるのだそう。
耳慣れない言葉ですが、僧帽筋上部線維、僧帽筋下部線維、肩甲挙筋というものです。
僧帽筋は後頭部から肩、背中、首までの広範囲に広がっている筋肉です。
腕や肩を持ち上げる時には僧帽筋上部線維が使われ、肩が上がりすぎてしまわないように、肩や肩甲骨を引き下げる動きには僧帽筋下部線維が使われます。肩甲挙筋は、首から肩甲骨をつないでいる筋肉のことで、肩甲骨を持ち上げるときに使われています。
それぞれの肩タイプによって、ストレッチで伸ばした方が良い筋肉と、伸ばすと肩コリがひどくなる場合がある筋肉があるようです。次は、自分がほぐすべき筋肉は、どの部位なのか、チェックしてみてくださいませ。
【適したストレッチを行う部位をチェックしましょう。】
いかり肩の方は、両肩が持ち上がって硬くなっているのではないでしょうか。この状態は、僧帽筋上部線維と肩甲挙筋の両方がギューッと縮こまっていますので、この2つをほぐしますと、首や肩が軽く感じられるのだそう。僧帽筋上部線維と肩甲挙筋を覚ええおきましょう。これは、補足なのですが、いかり肩の方は、肩を引き下げるための下部線維が弱いそうなので、この部分の筋力をアップさせますと、肩がこりにくい体にすることができるようです。
一方、なで肩の方は、肩甲挙筋が硬くなっているので、この部分を伸ばして血流を良くするストレッチが効果的だと言われています。いかり肩の方と反対なのですが、なで肩の方は僧帽筋上部線維が、腕の重みに負けて伸びてしまって弱い状態です。伸びてしまっている部分をストレッチで伸ばしても意味がなく、逆効果にもなりますので、なで肩の方は肩甲挙筋をほぐすことを意識しましょう。私はなで肩なので、この筋肉の構造を知ってからのストレッチは、肩甲挙筋を意識するようになりました。
【実際に行う各ストレッチをチェックしておきましょう。】
【1】まずは、いかり肩の方、なで肩の方の双方に必要な肩甲挙筋のストレッチです。
椅子に座り、背筋を伸ばし、姿勢を正します。
右手で左肩が上がらないように押さえ、
首を右側に倒した状態から、ゆっくりと顔を右に回すようにして、鼻を右の肩に近づけてます。
左手は体に沿わせて指先は床へ向けておきます。
反対側も同じように、ゆっくりと伸ばします。
勢いよく動いたり、無理をして伸ばしますと筋肉を傷めます。
慌てずに、ゆっくりと、頑張りすぎない程度から始めます。
【2】次は、いかり肩の方のみが行う僧帽筋上部線維のストレッチです。なで肩の方は不要ですのでご注意あれ。
【1】と同じように椅子に座り、背筋を伸ばし、姿勢を正します。
右手で左肩が上がらないように押さえ、
首を右側に倒した状態から、ゆっくりと顔を左側に回すようにして、
右耳が肩より前に出るところまで回します。
左手は体に沿わせて指先は床へ向けておきます。
反対側も同じように、ゆっくりと伸ばします。
【1】の注意ポイントと同じなのですが、
くれぐれも勢いよく動いたり、無理をして伸ばさないように注意してください。
筋肉を傷めないように、慌てず、ゆっくり、頑張りすぎない程度から始めてください。
適切なストレッチは余計な負担をかけずに症状をケアすることができます。
余裕があれば、先程お話させていただいた、ご自分の筋肉が弱い部分を鍛えて
筋力をアップさせますと、少しずつではありますが肩がコリにくい体に変化していくのだそうです。
この、筋力をアップさせるストレッチも伝授していただいたのですが、
私自身が思うように実践できておらず、
どの程度効果を体感できるものなのか判断するまでにはもう少し時間を要しますので、
その辺りのお話は、また機会がありましたら改めて……と思っております。
一度にやる事が増えてしまうのも大変ですので、
肩コリに悩まされている方は、ご自分の肩タイプを確認し、
より適切なストレッチを気分転換のひとつとして日常に取り入れてみてはいかがでしょうか。
足を運んでくださる皆さま、
柊希にお付き合いくださっている皆さま、
いつも、ありがとうございます。
寒くなってきますと呼吸も浅くなりがちです。
お部屋の換気だけでなく、深呼吸をして体内の空気を入れ替えることもお忘れなく。
肩だけでなく、気持ちも一緒にほぐして、一緒に背筋ぴーんでまいりましょ。