夏の終わりごろ、大切に使っている羽毛布団のお手入れを
馴染みの布団やさんにお願いした。
本格的なお手入れは久しぶりだったこともあり、
外カバーの新調も含めた、お手入れの依頼となった。
お布団の中に詰め込まれた羽毛は、職人によってカバーから取り出され、
羽毛の質を落とさないように細心の注意を払われながら、しっかりと水洗いされる。
その後も適切なケアが施され、息を吹き返した羽毛は、
新しく作っていただいたカバーの中に詰められる。
寒くなる前だったこともあり1週間程度でお布団が戻ってきた。
リビングで袋を開けると、送り出した時とは別人のような、
ふっかふかのお布団がふんわりと床に広がった。
誰も見ていないからいいじゃないかと、私の中の私が呟いた。
真っ昼間から、真っ新に変身したお布団に身を委ねゴロゴロと転がった。
この日一番の至福のひとときだった。
これからの季節、お世話になる方も多いであろう羽毛布団。
皆さんは、どのようなお手入れをしていますか。
今回は、そのようなお話を少しと思っております。
お布団のプロフェッショナルに伺ったお話なのだけれど、
お布団の中に入っている羽毛や真綿のお手入れ、
お布団丸ごとのお洗濯の依頼を受けたとき。
そのお布団を男性が使っていたのか、女性が使っていたのか、
あるいは、一枚のお布団のどちら側を男性が使っていたのか、はっきりと分かるのだそう。
一見、女性の方が化粧水や乳液、クリームに美容オイル、
ボディークリームやボディーオイルなど
様々なものを体に付けた状態でお布団に潜り込んでいるように見えるけれど、
男性の皮脂は、それらとは比べ物にならないくらい癖があり、すぐに分かるものなのだそう。
ですから、時々、お布団のクリーニングを行いますと、
天日干しとは異なる心地良さ、快適さを感じることができると言います。
ただ、羽毛布団に関しては、頻繁なクリーニングを行いますと、
羽毛が劣化し、保温性も弱くなるため5年に1度ほどで十分のようです。
ただ、アトピー性皮膚炎やアレルギーを持っている方は、
半年~1年に1度ほどクリーニングしますと
症状が緩和することもあると言われることもあります。
体質や、抱えている症状によって、お布団ケアの頻度を見直したり、
買い替えるタイミングを見直すことも、
快適さが増すきっかけになるのではないでしょうか。
お布団の汚れは皮脂などの油汚れと、
汗や垢、ダニやほこりなど水溶性の汚れがありますが、
水溶性の汚れの方が多いと言います。
お布団のお洗濯と言えばドライクリーニングだと思いがちですが、
水洗いケアを行いますと、いつものお布団が、スッキリとしますので、
落としたい汚れによってクリーニングコースの使い分けをするのもおすすめです。
お布団は、頻繁にクリーニングするものではないけれど毎日使うもの。
お手入れをする際には、ポイントを押さえて、心地良い眠りを手にしてくださいませ。