オフィスで働いていたら、顔から火が吹き出しそうなレベルだと思えるほどの大きな音で、お腹の虫が鳴いた。
この空間には私ひとりしかいないというのに、
恥ずかしさを紛らわすかのように「あ、お腹が鳴ってしまった」と呟きながら、
お腹を擦ってしまうのはどうしてだろう。
時計へ視線を流すと針は14時を回っていた。
昼食でもとキッチンへ向かい、冷蔵庫の中にあったキノコと根菜を取り出し、
チーズリゾットを作りはじめた。
大好きなチーズを適量ではなく、たっぷり入れられるのは、自宅ならではの小さな幸せのひとつ。
仕上げにブラックペッパーをガリガリ、ガリガリガリッと多めに散らした。
それなりのお年頃ゆえ、カロリーや栄養バランス、体質などを気にすることもあるけれど、
そういうものを一切合切取っ払って、
自分の「これが好き」という気持ちを思いっきり楽しんでみると、
思っている以上にリラックスでき、
慌ただしい中でも自分の本当の気持ちを見誤ることが少なくなるように思う。
ただ、先日も友人と話をしていて感じたことのなのだけれども、
自分を労わることに罪悪感を感じたり、
自分のことを後回しにすることが当たり前と化している女性は相変わらず多い。
自分を労わることができれば、
「私ばっかり……」、「私だって……」などと感じることも少しずつ減り、
不思議と、無理をせずに大切な人たちのことを笑顔で労わることができたりするように思うのだけれども。
きっと、本人も分かっているのだろうけれど、責任感の強さや我慢強さ、
様々な長所が常に最前線にいることが当たり前になっているように見える。
そうでなくても、本人の長所や魅力が減るわけでも、無くなるわけでもないはずなのに。
不満や愚痴がこぼれそうになったなら、
可愛くない自分が顔を覗かせはじめたなら、
カッコ悪い自分にガッカリしてしまいそうになったなら、
身体が「疲れているよ」「ちょっと休んでね」「リフレッシュ求む!!」と教えてくれているようなもの。
それらを力任せに抑え込むのではなく、まずは、大きく息を吸って、ゆっくり吐いてみる。
それが済んだら次は、自分が思う「これが好き」を、
これでもかというくらい感じてみてはいかがでしょうか。
特別なことでなくても、
罪悪感を感じてしまうほどのことでなくても、
自分を労わり、喜ばせることはできる「これが好き」はあると思うのです。
『自分にとってのそれは何なのか』
もし、パッと浮かばないのであれば、自分のことを大切にできていないサインかもしれません。
この機会に、自分にとってのそれを覗いてみませんか。