今年の干支である酉の置物を優しく拭った。
いつからだっただろうか。
毎年、陶器製の干支の置物を購入するようになったのは。
まだ2回目の出番が来ない干支がいるところを見ると、十二支が揃うのは少し先になりそうだ。
十二支全てが揃った年は全員を、どーんと並べてみよう。
そのような小さな夢を抱きつつ、この時期は翌年の置物選びをする。
注連縄を飾る頃、少しだけ早く翌年の干支を飾るのだけれども、
その年の干支をすぐに片付けてしまうのは何だか気が引けてしまうため、
年が明けても、しばらくの間は新旧の干支を飾っている。
どうして両方?
我が家を訪れた友人に、そう聞かれることもあるのだけれど、
そのような時は、「干支間で我が家に関するあれやこれやを引継ぎしてもらっている」と答えている。
そして、今年も我が家に仲間入りする戌の置物が、その時を静かに待っている。
戌と言えば、“犬の巻”なるものがあることをご存知でしょうか。
奥義や秘伝が書かれている書物や、
現代で言うところのガイドブックや入門書などのことを“虎の巻”と呼んでいるけれど、
“虎の巻”以外にも“犬の巻”や“龍の巻”、“豹の巻”などが存在しているのです。
これらは、中国の古い時代に誕生した兵法書(へいほうしょ)。
兵法書(へいほうしょ)というのは、
簡単に言うと、兵を戦の際にどのように用いれば良いのかが書かれている本。
もっと噛み砕くと、戦術や兵、政治などに関する取り扱い説明書のようなもので、
同じシリーズものの中の1巻という位置づけの本たちです。
メインタイトルは『六韜(りくとう)』と名付けられており、
その中に、『文韜』、『武韜』、『龍韜』、『虎韜』、『豹韜』、『犬韜』の6巻があります。
本来であれば、中身を読んだ状態で、
面白いところだけを掻い摘んでお話できればいいのだけれど、申し訳ない。
如何せん、過去に何度か挑戦してはみたものの、ワタクシ、毎回眠くなってしまいまして。
どのような物なのか、くらいしか知識ボックスには入っておりません。
だから、ザックリと、どのようなものかというお話のみになるのですが、もうひとつだけ。
6巻のタイトルを見ると、動物の名が付いていますでしょ。
これは、その動物の習性から名付けられたのだとか。
「虎」であれば、勢いがあって、人間のことも恐れないその姿から、
戦中に起きた緊急事態のときでも冷静に落ち着いて行動することができるような方法が
記してあるようです。
何らかの現代版“虎の巻”に触れる機会がありましたら、
犬の巻や龍の巻などもあることをチラリと思い出して、
少しだけウフフ♪と思っていただけましたら幸いです。
関連記事: