冬の装いもひと通り楽しみ、そろそろ春の装いに心惹かれる頃ではありますが、
もうしばらくは、冬アイテムの出番が続きそうですね。
重ね着などが増えるこの時季は、着替える際に、
バチバチッと弾け飛ぶ静電気にハラハラしている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
幸せのレシピ集では、静電気と体内環境の関係や、静電気の予防と対策、
その他様々な視点から静電気のお話をさせていただいておりますが、
今回は、お洋服の素材によって静電気が起きやすい組み合わせと、
静電気が起き難い組み合わせがある、というお話をと思っております。
静電気が起きる原因はいくつかあるのですが、
その中のひとつに、「異なる素材でできた衣類同士によって起きる摩擦」があります。
この摩擦により片方の衣類はプラスの電気を、
もう片方の衣類はマイナスの電気を発生させて溜め込むことがあるのです。
この衣類に溜め込まれた電気が衣類の外へ放電されるときに、
バチバチッと静電気が起きます。
衣類は多種多様な素材からできておりますが、
プラスの電気を発生させやすい素材と、マイナスの電気を発生させやすい素材があります。
同じ性質同士による摩擦であれば静電気は発生しにくいのですが、
プラスとマイナスという異なる性質のもの同士である場合は、
静電気を発生させてしまうのです。
どの素材がプラス気質でどの素材がマイナス気質なのか、
【私たちの体】を電気ゼロとし、
そこから左へ向かってプラス、右へ向かってマイナスの性質を持った素材を順に並べると、このようになります。
【プラス(+)】←毛皮←ウール・羊毛←ナイロン←レーヨン←絹←皮革←綿←麻・リネン←【私たちの体】→ポリエステル→アクリル→塩化ビニル→【マイナス(-)】
【私たちの体】を基準に左へ行くほどプラスの電気が発生しやすく、
【私たちの体】を基準にして右へ行くほどマイナスの電気を発生しやすくなります。
そして、【私たちの体】を基準にしたときに、
プラス側とマイナス側の距離が離れている素材の組み合わせほど
静電気が発生しやすいのです。
実際に、素材の組み合わせ例を挙げてみますので、順番と見比べてみてください。
ウール素材はプラスの電気を、アクリル素材はマイナスの電気を、発生しやすい素材ですが、
これらを重ね着しますと、日常の動作による摩擦で電気を発生させ、
静電気を少しずつ溜め込んでいきます。
他にもダウンにアクリル素材などのストールなどを合わせてしまうと静電気が発生しやすいですし、スカートやパンツ、ワンピースなどの表地と裏地の素材の組み合わせによっても
静電気を発生させやすい場合があります。
このような状態を素材で緩和させたい場合は、
電気を発生させにくい綿素材などを間に挟むことで静電気を発生させにくくすることが出来ますが、表地と裏地のように既にセットになっているお洋服も少なくありません。
そのような時には、乾燥している、していないに関わらず、
着用前にしっかりと静電気防止スプレーなどを使用してから出かけることで、
出先で慌てたり、不快な思いをしなくて済みます。
また、静電気を起こしやすい組み合わせのものを着ている自覚があれば、
お化粧室などへ入ったタイミングで、濡れた手でタイツやストッキングを撫でておくことで、
静電気を起こさずに済みます。
静電気は、個々が置かれている様々な状況や体質などが合わさって起きるため、
100%静電気を起こさない方法を見つけるのは難しいかと思います。
だけれども、その時々に適した対処法で予防したり、緩和したり、取り除くことは可能です。
素材の組み合わせも静電気に関係しておりますので、
その時々に置かれている状況と状態に応じて必要な知識をひっぱり出す際に、
何かしらのお役に立てましたなら幸いです。
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