幸せのレシピ集

cawaiiとみんなでつくる幸せのレシピ集。皆様の毎日に幸せや歓びや感動が溢れますように。

雨とカランコエ。

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突然降り出した雨が上がるのを、駅の出入り口付近で待っていたのだけれど、

しばらく上がりそうにない灰色の空を確認し、一番近くにあった、昔ながらの喫茶店へ入ることにした。

全体的に落ち着いた色合いでまとめられた店内は、照明もそれに合わせてあるのだろう。

静かにひと息つくのに心地よい明度が保たれていた。

私は、自然光と優しい照明が混ざり合う窓際の席に座ることにした。

注文を済ませ、スマートフォンを取り出すと友人からメールアドレス変更のお知らせが届いていた。

アドレス内に綴られた、聞き覚えのある「ラ ジュビア」という文字が気になり、

早速、新しいアドレス宛に、何語だったか?どのような意味だったか?それだけの短いメールを送った。

類は友を呼ぶと言うのだろうか、それとも友人が私に合わせてくれているのだろうか、

シンプルに「スペイン語で雨」とだけ返ってきた。

そのような意味だったような気もするし、知らなかったような気もしたのだけれど、

スペインの街並みに降る雨を想像しつつ、とても素敵な響きだと思った。

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運ばれてきた紅茶を口に運びながら再度テーブルを見渡すと、

手のひらサイズのお椀型をした透明ボウルに植えられているカランコエに気が付いた。

カランコエというのは、多肉植物に分類されている観葉植物なのだけれど、

初心者でも育てやすいだけでなく、非常に種類が多いため、

自分好みの種類や形を探すことから楽しめる植物だ。

種類が多すぎて、カランコエだと気付かないことの方が多いけれど、

その日、私が目にしたものは、これぞカランコエだと勝手に思っている

私好みのバラのような形をしていたため、直ぐに気付くことができた。

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しかも、滅多に花を付けないと言われていると記憶していたのだけれど、

細長い茎をテーブルすれすれを這わせるよう、ひょろりと伸ばした先に、親指の先ほどの黄色い花を咲かせていた。

多肉植物は多々あるけれど、カランコエが持つ花言葉は、たくさんの小さな思い出、

あなたを守る、人気、幸運を告げる、人望、大らかな心、長く続く愛、頑張って、

といったポジティブなものが多いことから、ちょっとした贈り物などに選ばれることも多い。

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更に、その肉厚の葉を1枚、お財布に忍ばせておくと幸せを呼び寄せるという言い伝えもあるという。

その言い伝えと共にカランコエの葉を1枚、いただいたことがあるのだけれど、

ここだけの話、お財布の中に、ちぎりたて且つ肉厚の葉を入れておくのは難儀であった。

が、旅先の一期一会でいただいた葉は、温かい気持ちの表れでもあり、

確かに幸せを運んできてくれたように思う。

そのような事を思っていると、あっという間に雨は上がり、灰色の雲もすっかり消えていた。

久しぶりに目にすることができたカランコエの花。

どのような幸運が舞い込むことやら、と思いながら喫茶店を後にした。

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