幸せのレシピ集

cawaiiとみんなでつくる幸せのレシピ集。皆様の毎日に幸せや歓びや感動が溢れますように。

シンメトリーを取り込むアシンメトリーな個性。

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書店の一角に設けられている洋書コーナーの本を端から順に目で追った。

正直、何も考えずに背表紙のタイトルも読まぬまま視線を流すだけでは、何の本だか見当がつかない。

しかし、人の脳は不思議なもので、ただ視線を流しているだけでも、着々と情報収集をしているのだろう。

ある瞬間に、パッと本のタイトルが浮かび上がることがあるのだ。

その時は、そのようにして目に留まった西洋のインテリア本を手に取った。

素敵な写真が多数、収められており、まるでヨーロッパにある素敵なホテルを渡り歩いているような気分になった。

以前、友人に「ヨーロッパテイストのインテリアを目指しているのだけれど、上手くいかないのはどうしてだろう、どの辺りが違う?」と聞かれたことがある。

選んでいるものや配置、その他も含めて素敵にまとめられており、

私が何かを指摘する必要など無かったのだけれど、ふと思い出したことがあった。

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外国の方々とインテリアの話をしていた時、各国の建築様式や芸術性、美的感覚にまで話が及んだことがあった。

その中には、諸外国では左右対称のシンメトリーを美しいとしているけれど、

日本だけが唯一、左右非対象のアシンメトリーを美しいとする文化だという話になった。

自然に寄り添うように、自然と共存する道を選んだ日本人は、

アシンメトリーに「わび(侘)、さび(寂)」を見ていたのだと思う。

外国のように広大な土地があるとは言い難いけれど、それなりに、まとまった土地を所有していた先人もいた。

しかし、彼らは建物を左右対称に建築しておらず、室内の作りも、庭の作りも、左右対称というわけではない。

どちらかと言えば、自分たちの生活と、自然の美しさを繋げるようなスタイルだ。

茶器ひとつとってみても、その美的感覚が垣間見ることができるように思う。

ごつごつとした手触りや、歪な形、茶器の部位によって異なる色の中にまで、

美しさを見出すことができる感性を持っているのだ。

移り行くものや異なるものを受け入れて寄り添いながら、

世界で唯一の文化とも言えるものを生み出すことができる、

そのような感性を持つ私たちなのだから、

西洋の、左右対称シンメトリーを取り入れるところも、ある意味、自然なことなのかもしれない。

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このような話を友人と交わしながら再度、友人宅のリビングを見渡し、2人で笑った。

シンメトリーアイテムを取り入れたアシンメトリーだね、と。

インテリアやファッション、暮らしの中で、

左右対称の美しさや、左右非対称の美しさを楽しむことができる感性を持っているというのは、

なんて素敵な個性のひとつなのだろうと思う。

素敵なシンメトリーインテリアの写真で目の保養をしながら、

我が家もシンメトリーを取り入れたアシンメトリースタイルだと気付いた日。

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