背後から「すみません」と声をかけられた。
ぎこちなさが感じられる日本語に振り替えると、アジア圏であろう方が「スイカの種は、どこで買えますか」と言った。
私が立っていた場所は、ドライフルーツやナッツ類の品揃えが豊富な陳列棚の前。
棚を、端から確認しようとすると、彼女は「ここにはありません」と言った。
近くにいた店員に尋ねると、取り扱っていないということだったのだけれど、
それを聞いた彼女は、スイカの種はとても健康に良くて、
日本で作られた(たぶん、加工されたという意味)スイカの種だったら安全だと思ったと言い、その場を去った。
その後、店員と、子どもの頃にスイカの種を食べると虫垂炎になると言われることがあるという、
ホントかウソか分からない、迷信のような話題を交わし、私も陳列棚の前を離れた。
その後、何となくスイカの種について知ってみたくなり、
いや、スイカの種についてと言うよりは、ホントかウソか分からないソレの真意を確かめてみたくなり、調べてみることにした。
結論から言ってしまうと、スイカの種は食べても大丈夫なもので、
食べたからといって虫垂炎になることはないし、お腹の中で発芽するということも無いという。
何らかの手違いでスイカの種を大量に食べてしまったとしても、
スイカの種を覆っている皮は非常に強く、胃酸に溶かされることもないため、
消化されることなく体外へ排出されることがほとんどなのだそう。
そして、このスイカの種。
近年では健康に良い食材として注目されているのだという。
スイカの種に含まれている食物繊維は、腸内細菌のバランスや調子を整え胃腸を健やかにする手助けになるし、
体を錆びさせない抗酸化作用をもったアミノ酸が含まれているそうなのだけれども、
これが血の巡りをよくしてくれるため、
成人病の予防や代謝を良くしてくれるといったことが期待できるのだそう。
他にも、私たちの体に必要不可欠なビタミンやミネラルが幅広く含まれているため、
スイカの種を煎じたスイカの種茶は、全ての栄養がしっかりと溶け出すため、健康茶の一種だという。
おつまみやお菓子作りなどで目にするひまわりの種と似たような扱いなのか、
中国や台湾では、スイカの種を炒ったものに、塩や醤油などで味付けをしたものを、
“おやつ”や“おつまみ”として食べることがあるのだそう。
日本では、種が少ないスイカの方が食べやすいと人気だったりもするけれど、小さな種の中は、栄養の宝庫のようだ。
さすがに、自分で種を取り除いて加工するのは大変なので、“スイカの種”を口にする機会を待とうと思っている。
もし、スイカの種を口にする機会がありましたら、
今回のお話を思い出しつつトライしてみてはいかがでしょうか。
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