待ち合わせの場所へ向かっていると、オレンジ色のスタッフジャンパーを羽織った女性にチラシを差し出された。
勝手に、受け取らなくて申し訳ないという意味を込めたお辞儀をして通り過ぎたのだけれども、女性の方が一枚上手だった。
再び私の前へと周り込み「どうぞ」という言葉と笑顔と共にチラシを受け取った。
このような所で押しに弱い自分が出てくるとは、といった気分でチラシを見ると、
年末のハウスクリーニングの予約が始まったことを知らせる内容のものだった。
時間を購入するつもりで試したことがあるのだけれど、思うような状態には仕上がらず、
自分で掃除をした方が良いという感想に至った私は、それ以降、自分頼りである。
今思えば、ハウスクリーニングを依頼することに対する感覚が、随分と異なる業者に依頼してしまったことが問題であり、
誤解を恐れずにハッキリと言うならば、様々な意味でハズレを引いてしまったということになるかと思う。
今であれば、アタリを引く自信はあるけれど、年末のエクササイズだと思って乗り切ろうかと思っている。
そのような過去の出来事を思い出しながら手渡されたチラシを畳んでいると、
“浴室内の水垢もピッカピカ”というフレーズが目に留まった。
そうそう、あの浴室内の鏡につく鏡うろこと呼ばれている水垢は、本当に厄介である。
どんなにキレイに使っていても、少しずつ忍び寄ってくるのだ。
専用の洗剤も多々見かけるけれど簡単にスッキリ落とせるものは、そう多くはない。
この鏡うろこは、水やお湯の中に含まれるカルシウムやマグネシウム等が結晶化したもので、
入浴後は水分だけが蒸発し、これらの成分のみが薄く重なっていき、落ちにくい汚れとして表れているのだそう。
土地によって水の成分も異なっているため、鏡うろこができやすい環境、そうでない環境とあるけれど、
水は生活に欠かすことができないため、この鏡うろことも上手に付き合っていくしかないように思う。
そこで、専用の洗剤を使わずに、もっと気軽にお手入れができないものかと思い、
折に触れて、その道のプロの方に尋ねていて出会ったのが、
不要になったデニム生地と歯磨きペーストを使って落とす方法だった。
ミニタオルか雑巾ほどの大きさにカットしておいたデニム生地の隅々にまで、
しっかりと水を含ませたものを軽く絞り、歯磨きペーストを気持ち多めに乗せたら、
鏡うろこが付いている鏡をしっかりと濡らし、
デニムで歯磨きペーストを伸ばしながら鏡を磨いていくのだ。
泡立たないため、クレンザーで鏡を磨くようなイメージで隅々まで磨いていくのだけれど、
鏡全体に自分が映らないくらい白い
ひと通り磨き終えたら、歯磨きペーストをしっかりとお湯で流したら出来上がり。
デニム生地の凹凸と、歯磨きペーストに含まれた細かい研磨剤が、
鏡を傷つけることなく鏡うろこを削り落とすようなのだ。
※お使いになる歯磨きペーストと鏡の相性もあるので、目立たないところで試す必要あり。
このお掃除を1週間に1度くらい、スペシャルケアとして加えると、
鏡うろこにイラッとすることも、グッタリしてしまうことも減るように思う。
特殊な織り方で出来ているデニム生地は、意外とお掃除に重宝しますので、
処分する機会がありましたら、鏡うろこのお掃除に使ってみてはいかがでしょうか。
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