コンビニのドリンクコーナーの前に立っていると、背後を通り過ぎるマダムたちから「かにくしょくぶつって素敵よね」という声が聞こえた。
ガラス越しに視線を華やかな装いのマダムたちに向けながら、ん?かにく?果肉植物?いや、私が多肉植物を聞き違えたのだろうと思っていると、再び聞こえた「かにく植物」という単語。
その後、いくつかの観葉植物の名が聞こえたため多肉植物の話題であると確信した。
例えば、サボテンのように果肉を食べることができる植物を思い浮かべると、果肉植物という表現も頷くことができることもあり、あながち間違いだとも言い切ることができない言葉である。
間違いだと思っても、ひょっとしたらそのようなパターンもあるのかしらと思うこともあるだろうし、知らなければそのような言葉があるのかと思うし、
簡単な言い間違いだろうから指摘せずに穏便にと、必要以上に気に留めることなくその場をやり過ごす場合もある。
そうすると、発した本人は、発した言葉が間違っていたとしても、誰かが疑問を投げかけてくれるまで気が付かないままなのである。
現に私は、果肉植物ではなくて多肉植物だと思っていたのだけれど、ふと、多肉植物というカテゴリーの中に果肉植物と呼ばれるジャンルがあるのだろうか、と思ってしまった。
このようなことは、何気ない日常の至る所で起こっているのだろうけれど、
角をたてずに過ごす中で生まれた言葉も、思いの外、多いのかもしれない。
コンビニから帰宅して、そのようなことを考えながら洗濯機のスイッチを押したからだろうか。
十数年振りにティッシュを入れたまま洗濯をしてしまうという失態を演じてしまった。
ドアにペッタリと貼りついている濡れティッシュの存在に気が付いたときには、眩暈がしたような気分がしたけれど、冷静に洗濯途中の電源を切って深呼吸をした。
我が家の洗濯機は時々、お掃除を含むメンテナンスに来ていただくのだけれど、その時に作業員の方と交わした雑談の中には緊急時のヒントが残されていることが多いのだ。
現在の洗濯機に変えてからは、ティッシュによる失態はゼロだったけれど、
そのようなことが起きたときには再度、柔軟剤を入れて濯ぎと脱水をすることで、柔軟剤が持つ静電気を防ぐ効果が発揮され、
衣類が乾いた後に付着したティッシュの離れをよくすると教えていただいたことを思いだした。
洗濯物を干すときには、ティッシュの貼りつきが気になるけれど、衣類が乾いたらバッサバッサと衣類を振ればティッシュが剥がれ落ちるという。
他には柔軟剤を入れて濯ぎと脱水を繰り返した後、しっかりと乾燥機で乾かすことである程度のティッシュは剥がれるため、その後、粘着テープなどを使って仕上げれば良いという方法もあった。
ただ、後者の場合は、洗濯機にティッシュくずが残ることもあるため、乾燥機を使用する前と後のお掃除を念入りにという話だった。
私は、迷わず後者を選び、作業の大半を洗濯機にお任せするという方法を取ったのだけれど、粘着テープの出番は不要というストレスフリーで問題が解決した。
そして、恐る恐る乾燥中に出た糸くずやホコリがたまる場所をのぞくと、見るからにティッシュだと分かる真っ白なホコリの塊がごっそりと溜まっていた。
作業員の方のお話によると、花粉が舞う時季になると、ティッシュを入れたまま洗濯をしてしまい洗濯機に不具合が生じたという声も聞くようになるのだとか。
ちらりほらりと耳にし始めた「花粉が飛び始めている気がする」という声。
うっかりティッシュも一緒にお洗濯してしまった際には慌てずに、
もう一度柔軟剤を入れて濯ぎと脱水を繰り返し、静電気をシャットアウトした上で、ご都合に合った方法でティッシュを取り除いてみて下さいませ。
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