行きつ戻りつを繰り返しながら春本番へと向かっているけれど、暖かい日が着々と増えている。
風が強い日には、軽めの防寒対策を装いに仕込んだりもするのだけれど、吹く風が止まると上着が邪魔になるほどの暖かさだと気が付いた。
「春はすぐそこまで」ではなく、春はもう既に私たちの側に在るのだ。
そう気が付いたとき、春本番はもう少し先だと思って過ごしていると、春を満喫しそびれそうだ。と、妙な焦りを感じてしまい、思わず出先で手帳を開き、春にしたいことを書き出した。
今日、明日にでも実行できそうな、ささやかなものから少しの気合いを要するものまで書き出したそれらを、いくつ実行できるのかは分からないけれど、叶えられるものから一つずつ叶えていこう。
そう思うと、書き出したそれら全てを実行できそうな気がしてくるのだから、不思議である。
したいことを書き出した手帳を鞄に戻していると、タイミング良く、タコときゅうりの酢の物が運ばれてきた。
梅酢(うめず)の優しい色がタコの身を薄桃色に染めており、きゅうりの緑は新芽のようにも見え、小さな器の中には春らしさが広がっていた。
これは、随分と前に立ち寄った梅干しを専門に扱っている店主の受け売りだけれども、
梅酢は、名前に「酢」と付いてはいるけれど、一般的なお酢とは異なり酢酸発酵はしていない。
しかし、クエン酸やポリフェノール他、体に嬉しい成分を豊富に含んでいることから、万能調味料と言われている。
スーパーなどで手頃なお値段で購入することができる梅酢の種類は2種類。
梅を塩漬けにした後すぐにできる、色がついていない「白梅酢」と、赤紫蘇を入れた後に出てくる赤い「赤梅酢」だ。
両方とも十分な塩味があるため、お醤油の代わりとして、お刺身や冷や奴に使ったり、自家製ドレッシングや料理の味付けに使うこともできる。
私は梅雨の時季や夏になると、梅酢にハチミツを加えたものを炭酸水で割る梅酢ドリンクが好みである。
梅酢に含まれている豊富なクエン酸には、疲労を防ぎ、回復させるなどの他にも、食欲を増進させる働きがあるため、疲れによって思うように栄養を補給できないようなときにも良い。
と同時に、食欲はあるけれど中性脂肪が気になるという場合には、食べたものが中性脂肪となって体に蓄積しないようクエン酸が手助けしてくれるという。
そして女性は、男性と比べると骨粗鬆症が起こりやすい体質なので、カルシウム摂取を意識している方も多いけれど、カルシウムは体に吸収されにくい特徴がある。
効率よく吸収するためのコツも幾つかあるけれど、そのひとつとしてクエン酸を摂取することが挙げられている。
他にも、梅酢は梅からできているため、殺菌、解毒、老廃物の排出といったデトックス効果や、
偏った食生活で酸性になりがちな身体を、強力なアルカリ性食品である梅酢で弱アルカリ性に保ち血の巡りをスムースに行える体にメンテナンスすることができるため、
季節の変わり目や、疲労がたまりやすい時期、食中毒に気をつけたい時季などは、梅酢でアンチエイジングからデトックス、体内メンテナンスまで行うのも手、である。
日本食=健康食だと言われる所以は、このような万能調味料にもあるのかもしれない。
暮らしの中で、何かしらのヒントにしていただけましたら幸いです。
関連記事:
画像をお借りしています:https://jp.pinterest.com/