幸せのレシピ集

cawaiiとみんなでつくる幸せのレシピ集。皆様の毎日に幸せや歓びや感動が溢れますように。

大人の目でのぞく七つの子。

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歩く私の横を、園児を自転車の後部席に乗せたお母さんたちが数人通り過ぎた。

後部席での過ごし方は、お母さんに圧し掛かるようにして眠っている子、両手に握った玩具か何かを空中で器用に戦わせて遊んでいる子、絵本を読んでいる子など様々で、後部席での過ごし方にも色々あるものだなと思った。

そのようなことを思っていると、背後から「七つの子」を歌う声が聞こえてきた。

横を通り過ぎる際に聞こえたお母さんの「ねぇ、もう少し小さな声で歌ってみない?」という声に、色々な意味や思いが込められているように思え、思わず口元が緩んでしまった。

七つの子、「からす なぜなくの からすはやまに」という歌詞で始まる動揺だけれども、もう、全ての歌詞を空で言える自信が無いそのメロディーを随分と久しぶりに聞いた気がした。

その歌詞は「かわいい ななつのこが あるからよ」と続くのだけれど、

この「七つの子」というのはカラスの子のことではなく、人の子のことを歌っているという説があるという話を、音楽の道へと進んだ知人に聞いたことがある。

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この話題は、カラスの寿命はそれほど長くないことや、カラスは一度に7羽もの雛を育てないというカラスの生態から歌詞を見たときに矛盾が生じることから、

シンプルな歌詞の中に何か隠されているのではないかと、様々な推測が交わされ続けているという。

私たちが生きている時代は人生100年時代などと言われているけれど、この半分以下が当たり前という時代もあった。

そのような時代の中では、子どもが7歳まで育つことそのものが特別なことで、七五三のお祝いには現代とは異なる特別な思いがあったという。

そして、「赤い靴」や「しゃぼん玉」などの作詞も手掛けている「七つの子」の作詞者、野口雨情(のぐち うじょう)氏のお子さんが7歳で亡くなってしまったこともあり、

作詞者が「七つの子」に様々な思いを込めているのではないかという説があるのだ。

特にこの「七つ」という数に関しては、作詞者が後に発表した詩にも登場していることから様々な推測、憶測があり、そこから派生している興味深い説も多数あるのだけれど、

そこに触れてしまうと話のゴールが見えなくなってしまうため、

今回は有力だと言われているこちらのお話に留めておいて、そちらはまた機会がありましたときにでも。

大人になると耳にする機会も随分と減ってしまう童話だけれど、

「七つの子」に限らず、童話の歌詞やメロディーの中に広がる世界には、子どもの頃には見えなかった景色が広がっているのかもしれない。

画像をお借りしています:https://jp.pinterest.com/