桜の開花ニュースを見るのが好きだ。
つい、その年に初めて耳にする開花宣言と自分が住んでいる場所の桜情報にのみ、意識が集中してしまいがちなのだけれど、
全国の開花情報を見ていると、春が生き物のように、南の方からジワリジワリと移動していく様子を感じることができるような気がして、意識を奪われる。
ちょっとしたことであり、当たり前のことでもあるのだけれど、漠然と地球も生き物なのだと思うニュースでもある。
そのようなことを思いながら、細々としたものを収納しているスペースを片付けていると、ユーカリ精油の小瓶が出てきた。
頻繁に使うものではないのだけれど、所持していると何かと役に立つため、出来るだけ新鮮なうちに使い切ることができる一番小さな小瓶を所持していることが多い精油のひとつだ。
しかし、この小瓶の存在はノーマークだったため少し古くなっているような気がしたため、蚊除け、ダニ除け、消臭スプレーにして使い切ることにした。
※この万能スプレーのレシピは下記の関連記事からどうぞ。
ユーカリは抗菌、鎮痛、殺菌効果や美容効果があると言われている一方で毒を持っている植物としても知られている。
このような特徴はユーカリに限らず植物にはよくあることで、特段珍しいことでもないのだけれど、
その毒を持った葉っぱのみを食べて生きているコアラを思うと、彼らは大丈夫なのだろうかと思ってしまう。
ユーカリは非常に種類が多い植物で、その数は500種類を超えると言われている。
コアラたちが、それを知っているのか否かは分からないけれど、コアラによってユーカリの好みが異なることも多く、コアラが好むフレッシュなユーカリを入手するのは非常に大変だと聞く。
しかし、コアラたちが食べるユーカリにも毒は含まれているそうで、
彼らは、自分の体内にいる、毒を分解することができる微生物が分解できる毒を持ったユーカリの葉のみを食べて生きているという。
とは言え、誰が見ても葉っぱは葉っぱであり、十分な栄養を含んでいるようには見えない。
葉っぱのみを食べて生き続けるには大量の葉を食べ、省エネで生活するしかないのだけれど、この毒の選別は本能が行っているというのだから、命懸けの食事である。
そして、彼らの特徴でもある「毒に強い」という点だけれども、病にかかった際に使われる薬も毒とみなし、あっというまに体外へ排出してしまうため病が死に直結するという。
それならば、他の薬を使い、毒を分解することができる微生物の機能を抑えてしまえばいいじゃないかと思うけれど、
それをしてしまうと、毒を持ったユーカリの葉を食べることができなくなり、病ではなく餓死へと向かうことになるというのだ。
テレビや動物園などで目にするコアラからは、そのような立ち位置に居ることは想像できないのだけれど、決して自由にだらけて生きているのではなく、
ユーカリの葉を食べるときも、1日の大半の時間を寝て過ごしているときも、その全ての行動が命懸けなのである。
このようなことを知り、動物園で寝ているコアラに向かって「起きてー、動いてー、寝てばかりいて残念」などとは言えないと思った。
一生懸命の姿も多様である。
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