道に迷い、カルチャーセンター脇の空きスペースに止まって地図を確認した。
修正経路を頭に叩き込んでスマートフォンを鞄に押し込んでいると、カルチャーセンターのお知らせチラシのようなものに印刷されていた俳句が目に入った。
そこにあったのは「油照り」という言葉。
「油照り」という言葉は、頻繁に見聞きする言葉ではないのだけれど、はじめて見聞きしたときのインパクトが強かったのか、不思議と記憶に定着している言葉のひとつだ。
夏に使われる言葉で、意味は、晴れとも曇りとも言い難い、どんよりとした空模様のなか、風も吹かず、湿度も高い、とても蒸し暑い日のことである。
夏の太陽が空から迫ってくるような、ジリジリと照り付けられるような夏の暑さも大変なのだけれど、ジットリとした脂汗をかくような夏も、これはこれで大変。
今年の夏は、この「油照り」という言葉が妙にしっくりくるような気がした。
そのようなことを思いつつ、ラックから引き抜いて持ってきたチラシの裏面に視線を落とすと、淡い桃色のグラデーションが可愛らしい朝顔の写真があった。
裏面は園芸教室のお知らせだった。
新種の朝顔でも育てるのだろうかと、信号待ちの間にお知らせを読みすすめると、その花がロコガールという名のハイビスカスだと分かった。
そして、ロコガール的な暮らし方、生き方というものが記されていた。
そこにあった詳細を要約すると、ハワイでは、全ての恵みを今の自分に必要な分だけいただいて、自然と調和し、シンプルに生きる女性たちのことをロコガールと呼ぶのだそう。
彼女たちの暮らし方や生き方がどのようなものなのかを具体的に挙げると、いつもナチュラルで自分に素直であること。自然をいたわり、ものを大切にすること。人に優しくして、人の目を気にしないことなのだそう。
具体的な暮らし方や生き方が挙げられていると、この通りにすることが目標のような気にさせられていまうこともあるけれど、
どれだけ自分自身のことを自分自身が受け入れられるのか、認められるのかということなのだろう。
自分自身のことを認めて大切にできる人は、自分以外の人のことも同じ様に認めて大切にできるように思う。
ロコガールやシンプルライフなど、様々な表現があるけれど、無理をせずに自然と調和して、いや自然に身を委ねて生きるというのは、簡単に思えてなかなか難しい。
複雑になってしまったのは、いつの頃からなのだろうかと思ったりもして。
ロコガールと名付けられた可愛らしいハイビスカスを眺めながら目的地を目指した日。
※ちなみに、ロコガールと言う名のハイビスカスは、レッド、ピンク、ホワイトなどの色があるそうで、下記のような丸くて可愛らしいお顔立ちのお花でございます。
関連リンク&一部、画像をお借りしています。:家庭園芸|カネコ種苗株式会社 | 未来をひらく・・カネコ交配
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