幸せのレシピ集

cawaiiとみんなでつくる幸せのレシピ集。皆様の毎日に幸せや歓びや感動が溢れますように。

秋の七草でスタンプラリーできるかな。

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考えごとをしながら歩いていたからか、駅構内でうっかり受け取ってしまった団扇の収め場所に困ってしまった。

手にしていたバッグにそれが入る余地などなく、どうしたものだろうかと持ち手部分を無駄にクルリクルリと回しながら歩いた。

団扇の片面にはどこぞやの広告が、もう片面には秋の七草がリアルな写真と共に載せられていた。

秋の七草は愛でるもので、春の七草のように食べる楽しみはないけれど、実は6月頃から咲き始める桔梗からスタートする。

7種類の草花は一斉に咲いてしまわずに、6月から10月頃までの期間を使って、それぞれが、季節の移り変わりや秋の深まりと共に花を咲かせて、私たちの目を楽しませてくれるのだ。

しかし、この間の気候と言えば、梅雨明けから初夏に入り、猛暑に残暑と振り幅が非常に大きい時期でもある。

私の現実を振り返ってみても、ゆっくりと順を追って秋の七草を愛でることができた年は、未だ無いまま過ごしているように思う。

それでも、暑さや日差しが和らぎ始めた今頃、自然と「秋の七草」を見聞きする機会が増えるのは、忙しい現代人が、ふと、「そう言えば秋の七草の頃だ」と思い出すからなのではないだろうか。

その日、私の目の前に現れた秋の七草は、季節外れ感を薄っすらとまとった団扇と共にやってきた。

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写真の中に見るのは、桔梗に萩、葛に藤袴に女郎花、尾花(ススキ)に撫子(なでしこ)である。

写真で見れば、それなりに存在感を放ってはいたけれど、そのほとんどが野花である。

秋の七草は食べられないと言われているけれど、先人たちはこれらを薬として使っており、とても身近な植物だったという話がある。

私たちでも分かるのは、葛の根から作られ、風邪薬として重宝されている葛根だろうか。

他の植物も簡単に覗いてみると、ススキの根っこは解熱効果や利尿作用が。

藤袴には痒み止め、撫子(なでしこ)は高血圧や浮腫みの緩和、萩や桔梗の根っこには咳止めといった効果があるのだとか。

秋の七草は1200年以上も前から存在しており、山上憶良(やまのうえのおくら)が詠む歌の中に登場する秋の野花で、

これが「秋の七草」として親しまれるようになり、今の私たちにまで伝え継がれているのだけれど、

薬として人々の身近に存在していた植物だったからこそ歌に詠まれ、その歌に触れた人もまた身近な存在故に意識に残り伝え継ぐことができたように思う。

もう、生活に密着するほど身近な存在ではなくなってしまった秋の七草だから、道すがら在ったとしても、気が付いて足を止めることができるのは、桔梗やススキくらいではないだろうかと思いながら団扇で扇いでいると、道沿いにあった古いお店の軒先に写真の中で見たばかりの撫子(なでしこ)の鉢植えが置いてあった。

撫子(なでしこ)の開花時期はうろ覚えだけれど、そろそろ終わってしまうのか、撫子(なでしこ)は既に咲き終えたような姿をしていた。

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季節の移り変わりを感じることにも慌ただしさを覚えるような日々だけれど、これから徐々に深まっていく秋とともに、秋の七草スタンプラリーをしてみるのも、楽しいのかもしれない。

取り急ぎ私は、萎み始めた撫子と先日目にしたススキでスタンプ2個といったところである。

たまには足を止めて、辺りの風景を見回してみるのはいかがでしょうか。

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