幸せのレシピ集

cawaiiとみんなでつくる幸せのレシピ集。皆様の毎日に幸せや歓びや感動が溢れますように。

テンポドロップの中を覗き込む日を心待ちにする日。

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ここ数年間、気になっているものがある。

それの名はテンポドロップ。

透き通ったガラスによる美しい曲線を眺めているだけでも癒されそうなのだけれど、ガラス内に現れる様々な景色は、きっと見飽きることがない景色なのではないだろうかと想像している。

初めての出会いは、外国のインテリア雑誌だった。

繊細な細工が施された古のフレグランスボトルを思わせる艶やかなテンポドロップは、今も私の記憶に鮮明に残っている。

耳慣れない名に、それって何ぞや?という方もいらっしゃるかもしれないので、今回はテンポドロップのお話を少し。

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テンポドロップとは、ヨーロッパが起源だと言われている「ストームグラス」と呼ばれる、お天気観測機をもとに生まれたインテリアオブジェです。

テンポドロップのもとになったストームグラスは、ガラス製の巨大な円筒形をしており、中には樟脳(しょうのう)や他の薬品をアルコールに溶かした液体が入れられ、密閉されています。

樟脳(しょうのう)は、防虫剤でもお馴染みの、あの樟脳(しょうのう)です。

当時の航海士たちは、船の中に設置されたストームグラスの中にできる結晶の様子を細かく観察し、これからの天気を予想していたのだとか。

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皆さんはディズニーシーにある「海底二万マイル」というアトラクションをご存知でしょうか。

このアトラクションは、『海底二万里』というタイトルの、とても古いSF小説が映画化されたものをもとに作られています。

この物語にはノーチラス号という潜水艦が登場するのですが、この潜水艦の中にもストームグラスが設置されております。

そこから想像するに、ストームグラスは当時の人々にとって天気を予測する上で、とても頼れるアイテムだったのだろうと思うのです。

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私たちは頼れる天気予報を手軽に入手できることもあり、このストームグラスをもとに作られたテンポドロップを天気予報の代わりに使うことは無いのかもしれないのですが、

それでも、先日の台風時には知人宅のテンポドロップが、これまでに見たことがないくらい濁った、結晶ができたという声を耳にしまして、

テンポドロップは、いや、ストームグラスの技術は、自然を可視化してくれるものであることを改めて感じさせられたところでございます。 

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テンポドロップは、気温が下がって湿度が高くなると結晶が花のように開きはじめます。

夏は透明であることが多いけれど、冬は液体の濁りが寒さで増し、ガラスの中は雪が降り積もったかのように真っ白になるといいます。

私は、その時々の季節が作り上げる結晶の世界を眺めてみたい気持ちが一番なのですが、

航海士気分で少し先のお天気の尻尾を掴めたのなら、また何か小さな楽しみが増えるのではないだろうかと思ったりもしております。

ディズニーシーのアトラクション「海底二万マイル」に乗る機会がありました際には、今回のお話をチラリと思い出していただいてアトラクション内のストームグラスを探してみてはいかがでしょう。

また、インテリアショップなどでテンポドロップを目にした際にも、ちらりと思い出していただきつつ、結晶の美しさと一緒に、少し先のお天気予想などもお愉しみいただければと思います。

本日も、ここへ足を運んで下さった皆様と皆様の大切な方々がHappy&Smileでありますように☆彡

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