幸せのレシピ集

cawaiiとみんなでつくる幸せのレシピ集。皆様の毎日に幸せや歓びや感動が溢れますように。

呪文がオートマティックに発動する仕掛けを持つ言葉。

f:id:hiiragi1111:20191130130129j:plain

寒さが増すに従って、クシャミをしている方を目にするシーンも増えているように思う。

医療技術が進歩し、クシャミの原因や対処法を知っている私たちは、クシャミに対して過度に怯えることなく淡々と対処しているけれど、国内外には、クシャミが不気味なものとして扱われてきた名残が多々残っている。

諸説あるけれど、日本のそれは「クシャミ」という呼び名そのものだ。

「くっさめ」という言葉がある。

そう見聞きして、意味までは覚えていないけれど知っていると感じる方は意外と多いのではないだろうか。

この「くっさめ」は歌舞伎の世界で言う「クシャミ」のことである。

そして、このクシャミの語源は「くさめ」という、長寿のための呪文だったと言われている。

日本では、クシャミをすると寿命が短くなってしまうと考えられていたという説がある。

なんでも、クシャミをした勢いで魂が鼻から飛び出してしまい、少しずつ死に近づくのだとか。

だから、クシャミが出てしまったときには、仏様や陰陽師が長寿のために唱えていた呪文が転じた「くさめ」という言葉を唱えて、魂を持っていかれぬよう対処していたそうだ。

f:id:hiiragi1111:20191130130145j:plain

以前、『現実はひとつ、真実は人の数だけ!?』のタイトルのもと、ヨーロッパのクシャミのお作法に触れたことがある。

ヨーロッパでは古より「クシャミをすると、クシャミと一緒に魂が抜けて悪魔が入り込む」という言い伝えがあるため、クシャミをした人を悪魔から守るための呪文として、「ブレスユー」と声をかける。

※正確には「ゴッド ブレスユー(God bless you)」であり「神のご加護を」という意味がある。

しかし、日本人はクシャミの名に呪文をあてがっているのである。

クシャミの語源や呪文の話題に触れる度に、狙ったのか否かまでは分からないのだけれど、日本語は、なんと合理的で控えめで、粋で抜かりないのだろうかと思う。

先日、目にしたニュースの中に「9時10分前には集合するように」という文章を理解できない若者たちの話があった。

どういうことだろう?と思い記事を読み進めると「8時50分に集合」と言えば通じるのだとか。

他にも、このような信じ難い珍事の数々が仕事場の上司の嘆きとして並べられていたのだけれど、これが大袈裟な出来事ではなく若者たちの傾向のひとつとして本当に在ると言うのならば、勿体ないことのように思ってしまう。

もちろん、このニュースから紐解くことができる様々は、言葉が通じなかったということだけではないのだけれど……。

f:id:hiiragi1111:20191130130315j:plain

「クシャミがでちゃった」という何気ない言葉を発するだけで、長寿の呪文までがオートマティックに発動する仕掛けを持つ言葉は、世界中を見渡してみても、そう多くはない。

そのような世の中のニュースなども思い出しつつ、「クシャミ」という言葉を眺めた日。

本日も、ここへ足を運んで下さった皆さんのココロとカラダがぽっかぽかでありますように☆彡

関連記事:

画像をお借りしています:https://jp.pinterest.com/