11月下旬頃から飾っている朱赤と黄色のアルストロメリアが、そろそろ終わりをむかえようとしている。
蕾が開くと花びらの内側に沢山の斑点がある、ちょっぴりエキゾチックな姿をしている花だ。
その斑点に対して好き嫌いが分かれるようなのだけれど、目にする度にクセになる不思議な花である。
今回のそれには、全部開くだろうかと心配するほど多くの蕾が付いていたのだけれど、極薄の砂糖水の効果が吉と出たのか、全ての蕾が時間をかけて順に開いた。
葉は既に変色してしまったものだから、全長7cmほどまで短くカットしたものを、ロンググラスを半分にカットしたような小さな花器に生けなおした。
随分とこじんまりとしたサイズにまとまってしまったけれど、アルストロメリアのエキゾチックな雰囲気は健在で、もう少し楽しめそうである。
アルストロメリアが終わったら、この時季ならではのポインセチアを準備する予定でいたこともあり、道すがらに在ったフラワーショップのエントランスを潜った。
すると、店内の一角にズラリと並べられた、水滴を纏ったハーブに目が留まった。
ガラスから差し込む陽射しに照らされて、“きれい”というよりは“美味しそう”という感想が真っ先に浮かんでしまった。
中でもひと際、存在感を放っていたのはパセリだった。
パセリと言えば、ビタミンCやビタミンAなどのビタミンや、過剰摂取してしまった塩分や浮腫みを取り除いてくれるカリウムやカルシウムに鉄分といったミネラルが豊富なので、女性に嬉しい効果が期待できるハーブとして知られている。
しかし、この日目にしたパセリの側に置いてあるPR黒板には、腎臓の健康にもおすすめと書いてあった。
腎臓は、血液フィルターのような役割を担っているパーツである。
私たちが体内に摂り込んだ全てのものが腎臓で体にとって害があるものか、無いものかということをチェックし、「害がある」もしくは「不要だ」と判断されたものは速やかに老廃物として体外へと排出される仕組みになっている。
腎臓も休みなく働いてくれているのだけれど、私たちが思う以上にハードワークを強いられている臓器のひとつだ。
この腎臓を健やかに保つためのレスキューフードとなるのが、腎臓の健やかさを保つために欠かすことができない栄養素を、漏れなく、豊富に含んでいるパセリなのだそう。
「体に石ができて……」という腎臓結石や胆石と呼ばれる話を耳にすることがあるけれど、パセリの栄養はこれらの予防にもなると言われているという。
パセリのことをもっと簡単に説明するならば、体内に溜まっている毒をきれいすっきりお掃除してくれる食材といったところだろうか。
パセリだけをモリモリ食べるのはハードルが高すぎるけれど、口にする機会があったときにはひと口、いかがでしょうか。
このような情報を見聞きすると、あれもこれも食べなくちゃいけないといった話に聞こえることがあるけれど、
これには、このような効果がある。こちらには、このような効果がある。というように、ひとつずつ知っていくことで、目の前のひと皿の中の全てがありがたい栄養に思えてくると同時に、
見聞きした話が知識になり、知恵になり、全てが心や体を作る栄養に繋がっていくように思う。
残念ながら見せかけだけの“美味しい”も存在する世の中。
それはそれとして楽しんでも良いと思うけれど、ホンモノを見抜く力があれば、日々の何気ない暮らしが少しずつ豊かになるように思う。
そのようなことを思いつつ、結局この日は、お目当てのポインセチアには出会うことができず手ぶらでフラワーショップを後にした。
今日も目の前のひと皿を、まるごと美味しく味わってくださいませ。
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