幸せのレシピ集

cawaiiとみんなでつくる幸せのレシピ集。皆様の毎日に幸せや歓びや感動が溢れますように。

迫る正月事始めとアイヌのお作法。

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今年もそろそろ「正月事始め(しょうがつことはじめ)」がやってくる。

「正月事始め(しょうがつことはじめ)」は12月13日のことで、お正月準備を始めるのに縁起が良い日と言われている。

また、12月13日の「正月事始め」は「お煤納め」とも呼ばれており、大掃除のもとになっている日でもある。※「お煤納め」の詳細は、下記リンクの『大掃除のもとになっている「御煤納め」から現代の師走を覗いてみませんか。』にてどうぞ。

縁起が良いと言われても、いまひとつピンッとこないのもそのはずで、これは江戸時代の半ば辺りまで使われていた古い暦に由来しているという。

この暦によると12月13日は「鬼の日」と呼ばれる日で、鬼の日は結婚に関する行事以外のことであれば万事大吉だと言われる吉日とされていたため、この日を、お正月準備を始める日と決めて、「正月事始め(しょうがつことはじめ)」と呼ぶようになったようだ。

本来であれば、新暦を使っている私たちとは使用している暦が異なるので、時期が大きくずれてくるのだけれど、「正月事始め(しょうがつことはじめ)」の日付は、12月13日をそのまま使用しており、簡単に言うならば、「そろそろ大掃除から順にお正月準備を始めるタイミングですよ」と知らせてくれている日である。

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「正月事始め(しょうがつことはじめ)」が迫っていることを思い出したこの日、私もそろそろ本格的に始めなくてはと思いながらも呑気にサーモン鮨を味わっていたのだけれど、頭の中は忙しなく話題を変えた後、最近耳にした、鮭児が取れなくなってきている話題に着地した。

鮭児(けいじ)とは、産卵期の鮭に混じっている未成熟の鮭で、脂が全体にのっており、とろけるような美味しさが魅力。

ただでさえ珍しい魚として扱われているのに、このままでは直ぐに幻の魚になってしまうのではないだろうかと話す方も多いという。

原因はひとつではないのだろうけれど、多分、その全てを辿ると「人」に行きつくように思う。

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鮭はアイヌ語で「神の魚」と呼ばれていると、いつだったか何かで読んだ記憶がある。

鮭は、アイヌの方々が寒い冬を無事に越すために必要な栄養源なので、アイヌの方々は新年を迎えて最初に獲れた鮭を、まずは神様に捧げるという。

そして、鮭は川下から川上へと登っていく魚なので、川下に住む人たちは、川下から川上までの間に住んで居る方々の食料のことや、翌年の鮭の数のことまで考えた上で漁をするそうだ。

鮭児(けいじ)に限らず、「神の〇〇」と名付けられている食材は思うよりも多い印象があり、そのような名に触れる度に、初めは貴重だということや、ありがたいものだということ、とりきってはいけないことなど、身を持って感じていたのだろうと思う。

多くの方が分かっていることではあるけれど、現実問題となると少し話が変わってくることも往々にして。

一度手を付けてしまったら「とりきる」「使いきる」「満足しきる」まで、その手を止めることは簡単なことではないのかもしれない。

そのようなことをぽつり、ぽつりと思いながらサーモンを味わった日。

鮭児(けいじ)を召し上がる機会がありましたら、アイヌの方々のお話をちらりと思い出していただけましたら幸いです。

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